小泉悠東京大学先端科学技術研究センター准教授

2025年2月19日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 39 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

まず、ヨーロッパが前に出てこられなかった大きな理由は、やはり汚職というよりは核だと思うんですね。ウクライナに深刻な汚職であったりとか二重経済があったりとかということはみんな知っているわけですよ、旧ソ連の国々にみんな共通する宿痾で、その中でウクライナはまだましな方というか、EUに入らなきゃいけないので改善しようとしている方なわけですよね。

あとは、もう一個言うと、汚職である腐敗であるといっても、じゃ、ジャベリンを渡したらそれがどこかの国に横流しされちゃうとか、そういうレベルの腐敗ではないので、NATOが出ていけなかった理由は、やはり出ていった場合、ロシアと核エスカレーションが発生するかもしれないという、ほぼこの点に尽きるというのが私の考えです。これはちょっと後々歴史的に実証されるとまた別の見方が出てくるかもしれませんけど、恐らく現状そうだろうと。

ただ、他方で、やっぱり汚職はあるんですよね。この戦争中、国防大臣が替わっているわけですけど、これもやはり、本人が汚職したわけじゃないんだけど、本当にひどい汚職問題が国防省の中で、戦争をやっている国防省の中でも汚職をしているし、それから、現地の前線から聞こえてくる話を聞いても、やっぱりかなりウクライナ軍の将校たちもロシア軍に負けず劣らずなかなか腐敗したやつ多いわけですよね。

だから、何でもかんでもただあげますよというと、それはやはりウクライナの腐敗経済の中にのみ込まれていってしまう可能性があって、それはその支援の有効性も下げることになるし、結局、そのウクライナにおけるせっかく改善の傾向が見られるその腐敗に燃料を注いじゃうことになっちゃ意味がないわけですよね。そこのところはしっかりやらなきゃいけないでしょうと。

そこについて、ただ、日本からの援助であるにしてもEUからの援助であるにしても、それはもう分かっているので、これまでもみんないろんな汚職対策とのセットという形でしか援助は必ずやっていないはずなんです。これ、日本からの援助もそのはずなんですよね。だから、これは引き続きしっかりやればいいだろうというのが私の考えです。

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