広瀬佳一防衛大学校人文社会科学群教授

2025年2月19日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 37 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

非常に面白い、興味深いテーマなんですけれども、まず、NATOというのはこれは地域同盟でして、条約上にもう欧州大西洋って書いてありますから、もし本当にアジアの国が入るとなれば、当然、条約改正が必要になってきます。

ただ、例えばナイン・イレブンがあった頃とか、先ほど申し上げましたように、NATOによる平和、つまり集団防衛だけじゃなくて、危機管理や協調的安全保障というふうに幅を広げた時代に、ブッシュ政権ですね、ブッシュ政権においてグローバルNATOということが構想された時代があって、もうアメリカとか、ごめんなさい、日本とかオーストラリア入れればいいじゃないかと。入れて、それでいろんなテロ戦にも貢献してもらうという、そういう考え方もありだろうという柔軟な考え方が提唱された時期もあります。

しかし、それは結果的には、今日のロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかですけれども、やっぱりヨーロッパにより大きな現実的な目の前にある脅威がある以上、アジアに関わっている暇はないという形で、一旦はこれは小さくなっていったんですが、それがまた今、やっぱり、でも中国の問題もあるよねと、北朝鮮の問題もあるので、アジア、インド太平洋との関連で重要だよということで出てきています。

言ってみれば、グローバルNATOというのはバージョンワンなんですけど、今問題になっているアジア版NATO、あるいはアジア版安全保障協力というのは、そのグローバルNATOのような直接入るんではなくて、NATOという地域同盟と、それからインド太平洋において何らかのグループをつくって、そことが有機的に様々な分野で協力をし、協力の分野を拡大し、そして深化するという、そういう方向性の方が現実的ではないかというのが私の最後の趣旨で、それが例えば、今NATOと日本の間で行われている日・NATO協力、これがその一つの大きな柱だと思いますが、その中に具体的に、IP4という形で、インド・パシフィック4という形で個別的協力というのを去年から始めていて、四年計画で今やっているんですけど、二十六もの分野で協力することになっていて、こういう実務協力をまずしていって、そして多国間協力のマナーを日本も学んで、かつ、何か分からないけどNATOという多機能同盟という協力をしていることがその周辺国にとってはやや不安になりますよね。それが抑止力にもつながりますし、逆に仲間を呼んでいく、そういうポイントにもなると思うんです。結節点にもなると思うんです。

今のところ、入っているのは韓国、オーストラリア、ニュージーランドですけど、もしかしたら、フィリピンとかインドネシアとかも将来そういう枠組みに入ってくるかもしれませんし、余り集団防衛の色を出し過ぎると多分誰も入ってこないので、だから看板はなるべく広めにして、そして実務協力を中心に始めて、そしてそれをやりながら少しずつその経験を基に協力関係の拡大と深化を行うと、こういうイメージが私のアジア版NATOというか、グローバルNATO二・〇というイメージだというふうに御理解いただければと思います。

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