酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授

2025年2月19日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 41 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

一番危機的な問題というのは、今おっしゃっていただいたように、大国が本来守るべき価値であったり手段であったりする国連とその目的というものがないがしろにされやすくなっているという状況だと思います。これを止めるというのはなかなか外在的には難しい問題だろうというふうに思いますし、先ほども申し上げたように、主権国家というのはどうしても自国の国益を中心に考えていかざるを得ないところがありますから、その国益にのっとった形でのその国連の利用だとか、あるいは国連の目的の主張だとかということにならざるを得ない。それに国益が反するということであれば、大国ほどやはりそれを軽視するということが現実の世界だろうというふうに思います。

それに対する処方箋というのは、実は国際法は持ち合わせてはいません。なぜなら、これも報告の中で申し上げたように、国際法を作るのも、そしてそれを実施するのも主権国家が第一義的に出てくるものであって、その主権国家自体の認識を変えない限りは国際法というものに過度な期待をしてはいけないということにはなるんだろうと思います。国連が通常どおりの機能を果たすためには、やはり大国間の協調というのは欠かせない、そういうシステムになっているものですから、どうしてもそちらの方に持っていくということが現在においては現実的な課題かなというふうには思っています。

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