私、それこそ農学部を出まして、今から三十五年前に農林水産省に入らせていただきました。当時も同じような課題がありまして、その二年後ですね、平成四年に新政策ということで、まさに効率的かつ安定的な農業経営が経営の大宗を占めるような構造をということで、いわゆる担い手の集中とか大規模化とか、そういったことが始まりました。
ですので、当時も同じように、農業者の減少とか農地面積の減少、その現場の疲弊という中で、何とかしようという、その大規模化とか集中化というものが進んできた。それは、今じゃなくて、その前からやっているんですよね。ですので、今回の大転換をするのであれば、まさにその路線を進めてきた結果がどのような今の現状をもたらしたのかというところの検証をしていかなきゃいけないという中で、果たしてこの流れが良かったのか。
今回のこの所信も、大区画化とか生産性向上とか言っていますけれども、これは以前から言われていた、でも、やってきたけれどもなかなかこの厳しい現状が止まっていないという反省の中で、じゃ、何を変えていくのか。本当に大区画、もちろんちっちゃい規模の区画よりも大きい方が効率がいいですけれども、もう一つ、その生産性向上という意味もやっぱりよくよくかみしめていかないと。
簡単に皆さん、生産性向上に対して否定はしませんけれども、何をもって生産性向上なのか、大きくして、それこそ単位時間当たりの耕作面積を増やすことが生産性向上なのか、ちっちゃいところでいいものをきちっと作ることが生産性向上なのか、場合によっては、大面積をやることによって一枚一枚のその単収が下がる、品質が若干下がってしまうということにもつながっていると思うんです。そういう中で、この生産性向上の意味するところももう少しきちっとかみ砕いて議論をしていかないと。
だから、総論は皆さんそのとおりなんですよ。やっぱり構造転換、生産性向上、もうかる農業と、それが今までやってきたけれどもできなかったのは何かというところ。何かちょっと嫌がらせの質問のように聞こえるかもしれませんけれども、そこをきちっとみんなで考えていきたいなという中で、今、この所信の中ではその意味をどのように大臣がそしゃくしながら発信をされているのかというところをお聞きしたかったんです。
生産性向上についても、ここで言っているのは何を意味されているのか、ちょっと大臣のお考えお聞かせください。
109
江藤拓(自民)農林水産大臣
米に関してだけお考えということでよろしいですか。(発言する者あり)今はですね。
今年は米がこういうことになりましたので、そういう議論については賛同を得られるような意見も多分増えるんだろうと思います。しかし、来年どうなるか分かりません。今年の作況もどうなるか分かりません。やはり、米が主食である以上は長い目でやはり米政策は考えなきゃいけないんだろうと思います。
おっしゃる意味はよく分かります。生産者に対しても直接お金が入ることは、それはいわゆる岩盤の部分にはなりますので、いわゆる基礎支払というような考え方かもしれません。それで、消費者の部分も、その分米価…
この発言のページ
110
舟山康江(国民)
ありがとうございます。
ちょっと一言だけ。まあ、基本的には価格は多分需給なんですよね、需給と品質で決まると。今度新しい法律提出されていますけれども、この中の基本理念も価格は基本はもう需給で決まると、需給と品質。その上で指標を作っていくべきではないかということだと私は理解しているんですけれども。
その際に、やはり、要は農村で、その農地で農業を行うことの価値というのは、一部はその製品として価格で評価されます。でも、価格で評価され切れない部分をどうしていくのかと。ここが私、デカップルの直接支払なのかなと思っていますので、まさにそういった考えの中での議論をこ…
この発言のページ
111
江藤拓(自民)農林水産大臣
短く答えるのは大変難しいですが、今現実を見て、耕作面積は減る一方、基幹的農業従事者は減る一方、平均年齢は上がる一方、新規就農支援事業は一生懸命やっておりますが、なかなか農業者の方々が、若い方々が農業に夢を持ってもらえない。そして、農家の方々の間を歩くと、苦しいという声が大宗を占める。まあ、非常にもうかっている人もいますよ。いますけれども、苦しいということを訴える方も多数いらっしゃる。
こういう環境の中で、こういう状況の中で、じゃ、この農林水産業というものが将来に持続性を保てるのかということを考えると、なかなか難しいと思います。ですから、これが悪い、あれ…
この発言のページ
- (上の発言)
112
舟山康江(国民)
私、それこそ農学部を出まして、今から三十五年前に農林水産省に入らせていただきました。当時も同じような課題がありまして、その二年後ですね、平成四年に新政策ということで、まさに効率的かつ安定的な農業経営が経営の大宗を占めるような構造をということで、いわゆる担い手の集中とか大規模化とか、そういったことが始まりました。
ですので、当時も同じように、農業者の減少とか農地面積の減少、その現場の疲弊という中で、何とかしようという、その大規模化とか集中化というものが進んできた。それは、今じゃなくて、その前からやっているんですよね。ですので、今回の大転換をするのであれば、まさにその路線を進めてきた結果がどのような今の現状をもたらしたのかというところの検証をしていかなきゃいけないという中で、果たしてこの流れが良かったのか。
今回のこの所信も、大区画化とか生産性向上とか言っていますけれども、これは以前から言われていた、でも、やってきたけれどもなかなかこの厳しい現状が止まっていないという反省の中で、じゃ、何を変えていくのか。本当に大区画、もちろんちっちゃい規模の区画よりも大きい方が効率がいいですけれども、もう一つ、その生産性向上という意味もやっぱりよくよくかみしめていかないと。
簡単に皆さん、生産性向上に対して否定はしませんけれども、何をもって生産性向上なのか、大きくして、それこそ単位時間当たりの耕作面積を増やすことが生産性向上なのか、ちっちゃいところでいいものをきちっと作ることが生産性向上なのか、場合によっては、大面積をやることによって一枚一枚のその単収が下がる、品質が若干下がってしまうということにもつながっていると思うんです。そういう中で、この生産性向上の意味するところももう少しきちっとかみ砕いて議論をしていかないと。
だから、総論は皆さんそのとおりなんですよ。やっぱり構造転換、生産性向上、もうかる農業と、それが今までやってきたけれどもできなかったのは何かというところ。何かちょっと嫌がらせの質問のように聞こえるかもしれませんけれども、そこをきちっとみんなで考えていきたいなという中で、今、この所信の中ではその意味をどのように大臣がそしゃくしながら発信をされているのかというところをお聞きしたかったんです。
生産性向上についても、ここで言っているのは何を意味されているのか、ちょっと大臣のお考えお聞かせください。
113
江藤拓(自民)農林水産大臣
生産性は、先生おっしゃるように、いろいろあると思います。一人の農家が例えば三十ヘクタールをやっていれば、一人当たりの生産性は大幅に上がったというふうに言えると思います。しかし、例えば近郊で農業をやっている人は、もう本当に二十アール、三十アールしか農地はないけれども、しかし、そこで非常にニッチな野菜を作って、イタリアンレストランやフレンチレストランに出すことによって、単位面積当たりの収量は金額ベースでいうともうとんでもなく高いというような農業の形もあります。
ですから、いろんな切り口があるんだろうと思います。大区画化したことは間違いだったとは思いません。…
この発言のページ
114
舟山康江(国民)
そして、所信の中で、これも毎回言われていますし、私もそのとおりだと思っているんですけれども、農林水産業は、食料の安定供給のみならず、その営みを通じて国土の保全などの役割を果たしているということがまさに国の基だということを大臣もおっしゃっておられます。
その役割、食料生産のみならず、たくさんの役割を果たしているのはどなたなんでしょうか。大規模農家、それこそいわゆる担い手、そのほか大勢の人たちもそれを果たしているとすれば、その方々をどう支えるのかという観点が必要かと思いますけれども、いかがでしょう。
この発言のページ
115
江藤拓(自民)農林水産大臣
まあ、それはそのとおりであります。担い手だけではないと思います。
例えば、私の友人は山の奥で建設業者をやっておりますが、休みの日には山に入り、そして農地を耕し、山を守りながら農地の保全もしております。そして、田んぼダムというような話もあります。そういうこともありますので、決して担い手だけが地域を守っているわけではない。多様な担い手がそこにおられるということは委員のおっしゃるとおりだと思います。
この発言のページ