林尚美日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員/弁護士

2025年5月23日・第217回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 55 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 80 発言)

私は七十点だと思っています。というのは、この改正案を読んだときに、もう感動したんですね。

山本先生おっしゃいましたけれども、令和二年のときには、刑事罰なんていうのは一番最初のときにもう蹴落とされました。そんなの導入できないという一言で、もう検討もされなくなったんですね。その刑事罰というのが導入されているのはすばらしいと思いました。それは、事業者は刑事罰がなければ何をしても痛くないわけですよ、自分は不利益何もないですから。そこは入れなきゃいけないと濱田さんが物すごく強くおっしゃっていた。で、入ったのはすばらしいと思っています。

それと評価すべきなのは、推定規定を入れているというところですね。立証責任転換しているというところ、それから探索行為と妨害行為の禁止を明文にしていただくということ、これは評価しています。これは本当は前回入れていただくべきだったんですけれども、遅いですけれども、まあいいということを思っています。

ただ、配置転換、これが入らなかったというところ、それから資料の持ち出し行為について民事、刑事上の免責規定というのも入らなかったというところはすごく残念です。といいますのも、本人が幾ら不正があると言ったところで、弁護士のところに来られてですよ、口頭で説明して分かりませんねって、それってどの法律に違反しているんですかってなってしまうわけですよ。どうしても客観的な資料をお持ちいただかないと、相談にきっちり乗れない。そうなると、やはり資料が必要です。なので、資料の持ち出し行為自体が違法なんだと、免責されませんと言われてしまうと困ります。通報する人が一番困るんですよね。その行為に関しては免責をするというのは、EU指令でもフランス法でもドイツ法でも載っているんですよ。それが日本にはないというのは余りにも通報者保護に欠けていると思います。なので、そこはマイナスと思っています。

あと、フリーランスが入ったのはいいんですけれども、フリーランスの人はどこに通報するんですかという問題です。フリーランスの人は事業者に言えるような立場じゃないんですよ。弱いから入れたわけですよね。そうすると、二号通報しかできない、あるいは三号になると。二号通報、三号通報は非常に要件が厳しいです。この点をもうちょっと考えていただきたい。そうすると、どこに通報したらいいのかという外部の相談窓口を徹底する、内部通報の外部窓口ですね、それをつくるということを明言していただくとか、そういう必要があるのかなと思っているところです。

また、濫用的な通報があるじゃないかということをおっしゃっているんですけれども、私は公益通報の担当を某市でやりました。年間六百件以上通報が来ます。濫用的な通報というのは、繰り返し繰り返し来る通報のことだと思います。その人は思い込んでいるんです、これは不正だと思っているから通報される。悪意があるわけではないんですよ。その人にこれもう解決したから終わったんですよというふうに教えてあげるのも窓口の仕事だと思っております。そういう故意のない人に対して罰則というのはなかなか難しいと思いますので、その点についてまた今後の検討をしていかなくてはいけないと考えているところです。

以上です。

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