植田和男日本銀行総裁

2025年6月3日・第217回国会 参議院 財政金融委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 75 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 119 発言)

賃金、物価、個人消費の現状及び今後ですけれども、御指摘いただきましたように、昨年の秋以降、食料品価格の大幅な上昇を主因に消費者物価総合の上昇率が再び高まっております。このため、実質賃金の前年比もマイナスで推移しており、消費、国民生活に大きなマイナスの影響を与えていることは十分に認識しております。ただ、先を見ますと、食料品価格の水準まではなかなか難しいですが、前年比で見た物価上昇率に及ぼす影響は和らいでいくというふうに見ております。

また、本年の春季労使交渉の結果も踏まえると、名目賃金は高めの伸びが続くと見ております。ただし、更に先に行きますと、委員御指摘のように、冬のボーナスであったり、来年のまた春闘に対して、関税政策等の影響から来る経済の下押し圧力の動きが多少のマイナスの影響を及ぼす事態は考えられると思いますが、それも賃金の上昇率が少し低下するという程度の影響と見ておりますし、私ども、中心的な見通しでは、経済全体あるいは賃金の上昇率も、またその後上昇に転じるというふうに見ております。

そうした中、やはり念のため、通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性には十分注視する必要がありますが、実質賃金に回復傾向がだんだん見られるようになり、個人消費は緩やかな増加基調を維持するというふうに見ております。

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