私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員大野泰正君及び神谷宗幣君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 物価の高騰に賃金が追いつかない状況下、所得格差と資産格差も拡大しており、最低限の生活保障、税負担の公平性確保や再分配機能を強化する観点から所得税の人的控除等や課税の在り方について検討を行い、その結果をもって必要な改革を実行するよう努めること。
二 「貯蓄から投資へ」の推進が資本逃避による円安を招くことがないよう、民間企業の賃上げや設備投資等を費用対効果にも十分配慮しながら引き続き支援し、国内企業の生産性を向上することによって企業価値を高め、投資資金が国内企業へ十分に供給されるよう努めること。
三 揮発油税及び地方揮発油税の「当分の間税率」は廃止に向けた検討を速やかに行うとともに、その廃止に当たっては、流通への影響や関係事業者の事務負担等に配慮するとともに、国及び地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことがないよう、安定的な財源を確保するなど必要な措置を講ずるものとすること。
四 輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税に関する制度については、いわゆるリファンド方式への変更の効果を見極めるとともに、免税とすることの妥当性について検討を行い、その結果に基づきその縮減その他の必要な措置を講ずるよう努めること。
五 適格請求書等保存方式(インボイス制度)が実施されたことにより、事業者間取引において不当な扱いが生じているといった意見があることを踏まえ、中小・小規模事業者に対する不当な扱いを防止するための取引環境の整備への取組を強化すること。
六 金融所得課税について、一定以上の高額所得を有する者の実効税率が低位である問題を解決するため、中低所得者層の金融資産形成に配慮しつつ、課税方法の変更も含めた金融所得課税の在り方について検討を進め、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
七 物価上昇局面における税負担調整の一環として、食事の現物支給の場合の非課税限度額引上げに向けた検討を行い、その実現に努めること。
八 災害による担税力の喪失を勘案し、被災者の負担軽減及び実額控除の機会を拡大する観点から、個人の有する住宅、家財等につき災害により損失が生じた場合における控除の在り方について、当該損失を当該個人の所得から人的控除の後に控除することができる、独立した所得控除の制度の創設等の対応を含め必要な検討を行い、その実現に努めること。
九 奨学金の返済その他の教育に関する経済的負担を軽減するための税制上の施策について検討を行い、その実現に努めること。
十 各種の企業関係租税特別措置については、企業等の行動変容を促すインセンティブ措置として機能しているか否か等の観点から、政策効果や必要性をよく見極めた上で、一部の企業等に対する過度の優遇にならないよう、各措置の適用実態のより一層の透明化に向け必要な措置を講ずるよう努めること。
十一 給与等の支給額が増加した場合の所得税額及び法人税額の特別控除に関する制度については、その効果の検証を継続的に行い、その結果や賃金を巡る状況を踏まえ、同制度の廃止を含む見直しについて検討を進め、必要な措置を講ずるよう努めること。
十二 相続税及び贈与税について、資産に係る格差が拡大し、固定化している現状に鑑み、再分配機能の適切な確保の観点から、税率構造、非課税措置等の見直しについて検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
十三 税務行政において納税者の権利利益の保護を図り、税務行政に対する国民の信頼醸成や適正を確保するため、納税者権利憲章の策定を含め納税環境整備について検討を行い、その実現に努めること。
十四 政治資金を巡る問題を踏まえ、税制は国民の理解と信頼の上に成り立っているとの認識の下、国民からの税に対する信頼を損なわないよう、課税上問題があると認められる場合には適時・適切に税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めること。
十五 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引のデジタル化・グローバル化に伴う調査・徴収事務等の複雑・困難化、新たな経済活動の拡大、インボイス制度の実施への対応、大阪・関西万博開催に伴うインバウンド観光客増大などに対応しての消費税の不正還付事案への厳正な対応など、社会情勢の変化による事務量が増大していることに鑑み、適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払い、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
6
小池晃(共産)
日本共産党の小池晃です。
会派を代表して、所得税法等改正案に対する反対討論を行います。
反対理由の第一は、大企業や富裕層への優遇税制に切り込んでいないからです。
この間の法人税減税が賃上げや下請支援に回っていないことを石破総理も認め、深い反省を口にしました。しかし、法人税率の引上げや租税特別措置の見直しはされず、最大の政策減税である研究開発減税にも全くメスが入っていません。証券優遇税制による所得税の一億円の壁も、見直すという約束はほごにされました。大企業や富裕層に対する優遇をそのままにしておいて消費税やインボイスを押し付けるから、多くの国民の中に税…
この発言のページ
7
三宅伸吾(自民)
他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
この発言のページ
8
三宅伸吾(自民)
多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、柴君から発言を求められておりますので、これを許します。柴愼一君。
この発言のページ
- (上の発言)
9柴柴愼一(立憲)
私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員大野泰正君及び神谷宗幣君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 物価の高騰に賃金が追いつかない状況下、所得格差と資産格差も拡大しており、最低限の生活保障、税負担の公平性確保や再分配機能を強化する観点から所得税の人的控除等や課税の在り方について検討を行い、その結果をもって必要な改革を実行するよう努めること。
二 「貯蓄から投資へ」の推進が資本逃避による円安を招くことがないよう、民間企業の賃上げや設備投資等を費用対効果にも十分配慮しながら引き続き支援し、国内企業の生産性を向上することによって企業価値を高め、投資資金が国内企業へ十分に供給されるよう努めること。
三 揮発油税及び地方揮発油税の「当分の間税率」は廃止に向けた検討を速やかに行うとともに、その廃止に当たっては、流通への影響や関係事業者の事務負担等に配慮するとともに、国及び地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことがないよう、安定的な財源を確保するなど必要な措置を講ずるものとすること。
四 輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税に関する制度については、いわゆるリファンド方式への変更の効果を見極めるとともに、免税とすることの妥当性について検討を行い、その結果に基づきその縮減その他の必要な措置を講ずるよう努めること。
五 適格請求書等保存方式(インボイス制度)が実施されたことにより、事業者間取引において不当な扱いが生じているといった意見があることを踏まえ、中小・小規模事業者に対する不当な扱いを防止するための取引環境の整備への取組を強化すること。
六 金融所得課税について、一定以上の高額所得を有する者の実効税率が低位である問題を解決するため、中低所得者層の金融資産形成に配慮しつつ、課税方法の変更も含めた金融所得課税の在り方について検討を進め、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
七 物価上昇局面における税負担調整の一環として、食事の現物支給の場合の非課税限度額引上げに向けた検討を行い、その実現に努めること。
八 災害による担税力の喪失を勘案し、被災者の負担軽減及び実額控除の機会を拡大する観点から、個人の有する住宅、家財等につき災害により損失が生じた場合における控除の在り方について、当該損失を当該個人の所得から人的控除の後に控除することができる、独立した所得控除の制度の創設等の対応を含め必要な検討を行い、その実現に努めること。
九 奨学金の返済その他の教育に関する経済的負担を軽減するための税制上の施策について検討を行い、その実現に努めること。
十 各種の企業関係租税特別措置については、企業等の行動変容を促すインセンティブ措置として機能しているか否か等の観点から、政策効果や必要性をよく見極めた上で、一部の企業等に対する過度の優遇にならないよう、各措置の適用実態のより一層の透明化に向け必要な措置を講ずるよう努めること。
十一 給与等の支給額が増加した場合の所得税額及び法人税額の特別控除に関する制度については、その効果の検証を継続的に行い、その結果や賃金を巡る状況を踏まえ、同制度の廃止を含む見直しについて検討を進め、必要な措置を講ずるよう努めること。
十二 相続税及び贈与税について、資産に係る格差が拡大し、固定化している現状に鑑み、再分配機能の適切な確保の観点から、税率構造、非課税措置等の見直しについて検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
十三 税務行政において納税者の権利利益の保護を図り、税務行政に対する国民の信頼醸成や適正を確保するため、納税者権利憲章の策定を含め納税環境整備について検討を行い、その実現に努めること。
十四 政治資金を巡る問題を踏まえ、税制は国民の理解と信頼の上に成り立っているとの認識の下、国民からの税に対する信頼を損なわないよう、課税上問題があると認められる場合には適時・適切に税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めること。
十五 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引のデジタル化・グローバル化に伴う調査・徴収事務等の複雑・困難化、新たな経済活動の拡大、インボイス制度の実施への対応、大阪・関西万博開催に伴うインバウンド観光客増大などに対応しての消費税の不正還付事案への厳正な対応など、社会情勢の変化による事務量が増大していることに鑑み、適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払い、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
10
三宅伸吾(自民)
ただいま柴君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
この発言のページ
11
三宅伸吾(自民)
全会一致と認めます。よって、柴君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、加藤財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤財務大臣。
この発言のページ
12
加藤勝信(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
この発言のページ