木村英子 (れいわ新選組)

2025年5月22日・第217回国会 参議院 国土交通委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 198 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 217 発言)

補償金については支払われたとしても、障害者の方や高齢者の方は次の住まいを探すことは困難ですから、その後の生活の保障がないと立ち退きはできませんよね。そういう法律は不条理だと思います。

セーフティーネット住宅は数がとても少なくて、しかも家賃は高くて、実際には住宅確保に困難を抱える人が家を借りることがとても難しい状況にあります。年金暮らしの人や生活保護受給者は家賃が高いと住めませんから、幾らセーフティーネット住宅といっても入居できない人が多くいます。

昨年の四月一日から障害者差別解消法が改正され、民間事業者が合理的配慮をすることが義務になりましたが、不動産会社についても、理由なく配慮を拒否されるなど差別的な取扱いが行われるケースが後を絶ちません。

私は長年、施設や親元から地域で自立したいという障害者の方の自立支援を行ってきましたが、重度障害者が家を借りる場合、不動産屋に行っても、大型車椅子は家を傷つけるとか、また、一人でガスが使えないので火事を起こすのではないかなどといった理由で貸してくれるところがなかなか見付かりませんでした。障害があることや収入のこと、車椅子に乗っていること、しゃべれないこと、歩けないことなどを伝えると全て断られ、内見すらさせてもらえないところがほとんどです。たとえ借りる場所が見付かったとしても、家を傷つけるという理由もあってマンションが多くて、家賃が高く、年金や生活保護を受けている人は借りることは到底できません。現在も地域で自立生活を目指している方はいますけれども、重度障害者は介護者を必要としていますから、複数の介護者の出入りがある場合、防犯上の理由で入居を拒む不動産屋や家主が多くて借りることができない状況にあります。

また、知的障害者の場合、家探しをしても半年も掛かってしまったり、また、家を壊してしまうのではないか、奇声を上げて周りに迷惑を掛けるのではないかというような差別的なことを言われて貸してくれない現状があります。

また、独り暮らしの高齢者の方の場合も賃貸住宅への入居も困難が多くて、資料四のとおり、東京都内の分譲マンションに賃貸で住んでいた自営業の七十四歳の男性は、部屋の所有者から売却すると立ち退きを求められ、男性は不動産会社で部屋を探しましたけれども、希望した三つの物件はいずれも断られ、この方は都営住宅も検討しましたが、条件に合う物件は空き家がなく、諦めてしまったそうです。このように、障害者や高齢者など住宅確保要配慮者は、生活するために重要な家の確保が難しいという状況です。

先ほどの答弁では、住宅確保が困難な方には、セーフティーネット住宅を活用した居住の確保について話されていました。

資料五によると、五月二十一日時点で、東京都のセーフティーネット住宅の空き家は三百二十七棟千五百九十八戸の登録がありますけれども、五万円以下の物件は五十九棟二百十五戸しかなく、精神障害者を拒否しないと言っているのは二十三棟五十六戸しかありません。

また、セーフティーネット住宅は、住宅の確保に困難を抱える人を拒否しないために創設された制度のはずですが、実際には、住宅確保要配慮者の中で、高齢者は拒否しないけれども障害者は拒否する、また障害者の中でも知的障害者は拒否するなど、セーフティーネット住宅に登録している家主が居住者を選ぶ選択権があり、結果的に差別化してしまい、住宅確保が困難な障害者や高齢者が住まいの権利から排除されています。

ですから、賃貸借終了請求制度では、そういった人たちを強制的に立ち退かせるだけで、セーフティーネット住宅は救済にはなり得ませんし、そもそも受皿としてのセーフティーネットにはなっていないと思います。また、公営住宅にしても、数が少なく、その上、障害者や高齢者が住むには一階の部屋が必要であったりバリアフリー化の設備も必要なことから、なかなか見付かりません。

ですから、セーフティーネット住宅というのであれば、入居者を選別するような規定を変えるように検討していただきたい。また、公営住宅のあっせんなどを自治体が支援するなど、マンションを追い出された人たちの住まいの権利を保障する具体的な施策を考えてください。

お答えいただきたいと思います。

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