上村英明議員の御質問にお答えいたします。
アクセス・無害化措置の国際法上の評価についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
個別のアクセス・無害化措置に関する国際法上の評価につきましては、それぞれの具体的な状況に応じて判断されるため、一概にお答えすることは困難でございますが、外国に所在する攻撃サーバー等にアクセスし、これを無害化する際に、国際法上許容される範囲内でこれを行うのは当然のことであります。
その上で、外国に所在する攻撃サーバー等へのアクセス・無害化措置が、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、一定の要件に合致する場合に国際法上の緊急状態という考え方を援用することは、サイバー空間における国際法の適用についても認められていると考えております。
緊急状態とは、国によるある行為が、重大かつ急迫した危険から不可欠の利益を守るための唯一の手段であり、相手国等の不可欠の利益に対する深刻な侵害とはならないといった一定の要件を満たす場合に、当該行為の違法性が阻却される、こういう考え方でございます。
なお、今回のアクセス・無害化措置が国際法上許容された範囲内で行われることを確保する観点から、措置の実施主体は、警察庁長官又は防衛大臣を通じて、あらかじめ外務大臣と協議しなければならないこととされております。
通信の秘密の尊重、プライバシー情報の収集禁止及びこれらに違反した場合の罰則の明記についてでございますが、サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の利用は、通信当事者の同意によらない場合であっても、国、基幹インフラ事業者等の重要な機能がサイバー攻撃により損なわれていることを防ぐという高い公益性があること、ほかの方法によっては実態の把握、分析が著しく困難である場合に限って通信情報の利用を行うこと、一定の機械的な情報のみを自動的な方法により選別して分析すること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことなどから、通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる制度といたしております。御指摘の内内通信についても、法律上、分析の対象とはされておりません。
御指摘の非識別化措置を規定し、プライバシーの保護にも十分配慮する内容となっております。
その上で、サイバー対処能力強化法案に基づき通信情報を保有する行政機関の職員につきましては、通信情報が記録されたデータベースを正当な理由なく提供した者、通信情報に関する秘密を漏えいした者などに対し、最高で四年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金を科すことといたしております。
万が一、行政職員が本法律案が定める手続によらずに通信情報を取得した場合には、例えば電気通信事業法の罰則が適用される可能性もございます。
以上のことに鑑みますと、御指摘の通信の秘密の尊重等につきましては、既に相当程度の措置が講じられておるところでございまして、政府といたしましては、法案の円滑な御審議をお願い申し上げるものでございます。
サイバー通信情報監理委員会についてでございますが、この委員会は、通信当事者の同意によらない通信情報の取得やアクセス・無害化措置について、これらの承認の求めがあったときに、審査を行い、承認するか否かを判断することとなります。
委員会は、委員長及び四人の合計五人で構成されますが、委員会の事務を処理させるため、事務局に事務局長その他の職員を置くことといたしております。承認のための審査が公正かつ適正に行われることを確保する観点から、これらの体制を適切に整備いたします。
また、アクセス・無害化措置につきましては、委員会は、措置を実施しようとする主体から承認の求めを受け、審査を行うこととなります。委員会が承認した場合であっても、措置によって生じた結果につきましては、第一義的には措置の実施主体が責任を負うものと考えております。
中小企業のサイバーセキュリティー対策についてでありますが、我が国経済の基盤となります中小企業のサイバーセキュリティー対策の強化は喫緊の課題であり、サプライチェーン全体の防護の観点からも重要でございます。
サイバー対処能力強化法案では、基幹インフラ事業者以外の事業者につきましても、サイバー攻撃による被害の防止のために国が情報提供を行うことや、情報共有と対策を進めるための官民の協議会に構成員として参加していただくことなどを可能とする規定を設けており、こうした取組によって、中小企業等を含めたサイバーセキュリティー対策の強化を図ってまいります。
これまでも、中小企業の支援策として、例えば経産省では、サイバーセキュリティー対策の実施に役立つガイドラインの作成、システム異常の監視、緊急対応の支援などのサービスをまとめて提供するサイバーセキュリティお助け隊サービスを利用する中小企業への補助などの取組を実施いたしております。
政府として、様々な施策を通じ、中小企業のサイバーセキュリティー対策について、より着実な推進を図ってまいります。
以上でございます。(拍手)
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52
上村英明(れいわ)
れいわ新選組の上村英明と申します。
私は、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案並びに同整備法案について、れいわ新選組を代表して質問いたします。(拍手)
両法案は、能動的サイバー防御法案と呼ばれますが、能動的サイバー防御を警察だけでなく自衛隊も行う、安保三文書とも関連した、いわば敵基地攻撃能力のサイバー版ともいうべき内容になっており、大幅な見直しが四つの点から不可欠と考えています。
第一に、能動的サイバー防御に該当するアクセス・無害化が主権侵害とみなされる危険性が極めて高いことです。
能動的サイバー防御についての国際法上の…
この発言のページ
53
玄葉光一郎副議長
上村君、時間ですから、おまとめください。
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上村英明(れいわ)
はい。終わります。
よく合理的にこうした法案を検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕
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- (上の発言)
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石破茂(自民)内閣総理大臣
上村英明議員の御質問にお答えいたします。
アクセス・無害化措置の国際法上の評価についてのお尋ねを頂戴をいたしております。
個別のアクセス・無害化措置に関する国際法上の評価につきましては、それぞれの具体的な状況に応じて判断されるため、一概にお答えすることは困難でございますが、外国に所在する攻撃サーバー等にアクセスし、これを無害化する際に、国際法上許容される範囲内でこれを行うのは当然のことであります。
その上で、外国に所在する攻撃サーバー等へのアクセス・無害化措置が、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、一定の要件に合致する場合に国際法上の緊急状態という考え方を援用することは、サイバー空間における国際法の適用についても認められていると考えております。
緊急状態とは、国によるある行為が、重大かつ急迫した危険から不可欠の利益を守るための唯一の手段であり、相手国等の不可欠の利益に対する深刻な侵害とはならないといった一定の要件を満たす場合に、当該行為の違法性が阻却される、こういう考え方でございます。
なお、今回のアクセス・無害化措置が国際法上許容された範囲内で行われることを確保する観点から、措置の実施主体は、警察庁長官又は防衛大臣を通じて、あらかじめ外務大臣と協議しなければならないこととされております。
通信の秘密の尊重、プライバシー情報の収集禁止及びこれらに違反した場合の罰則の明記についてでございますが、サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の利用は、通信当事者の同意によらない場合であっても、国、基幹インフラ事業者等の重要な機能がサイバー攻撃により損なわれていることを防ぐという高い公益性があること、ほかの方法によっては実態の把握、分析が著しく困難である場合に限って通信情報の利用を行うこと、一定の機械的な情報のみを自動的な方法により選別して分析すること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことなどから、通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる制度といたしております。御指摘の内内通信についても、法律上、分析の対象とはされておりません。
御指摘の非識別化措置を規定し、プライバシーの保護にも十分配慮する内容となっております。
その上で、サイバー対処能力強化法案に基づき通信情報を保有する行政機関の職員につきましては、通信情報が記録されたデータベースを正当な理由なく提供した者、通信情報に関する秘密を漏えいした者などに対し、最高で四年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金を科すことといたしております。
万が一、行政職員が本法律案が定める手続によらずに通信情報を取得した場合には、例えば電気通信事業法の罰則が適用される可能性もございます。
以上のことに鑑みますと、御指摘の通信の秘密の尊重等につきましては、既に相当程度の措置が講じられておるところでございまして、政府といたしましては、法案の円滑な御審議をお願い申し上げるものでございます。
サイバー通信情報監理委員会についてでございますが、この委員会は、通信当事者の同意によらない通信情報の取得やアクセス・無害化措置について、これらの承認の求めがあったときに、審査を行い、承認するか否かを判断することとなります。
委員会は、委員長及び四人の合計五人で構成されますが、委員会の事務を処理させるため、事務局に事務局長その他の職員を置くことといたしております。承認のための審査が公正かつ適正に行われることを確保する観点から、これらの体制を適切に整備いたします。
また、アクセス・無害化措置につきましては、委員会は、措置を実施しようとする主体から承認の求めを受け、審査を行うこととなります。委員会が承認した場合であっても、措置によって生じた結果につきましては、第一義的には措置の実施主体が責任を負うものと考えております。
中小企業のサイバーセキュリティー対策についてでありますが、我が国経済の基盤となります中小企業のサイバーセキュリティー対策の強化は喫緊の課題であり、サプライチェーン全体の防護の観点からも重要でございます。
サイバー対処能力強化法案では、基幹インフラ事業者以外の事業者につきましても、サイバー攻撃による被害の防止のために国が情報提供を行うことや、情報共有と対策を進めるための官民の協議会に構成員として参加していただくことなどを可能とする規定を設けており、こうした取組によって、中小企業等を含めたサイバーセキュリティー対策の強化を図ってまいります。
これまでも、中小企業の支援策として、例えば経産省では、サイバーセキュリティー対策の実施に役立つガイドラインの作成、システム異常の監視、緊急対応の支援などのサービスをまとめて提供するサイバーセキュリティお助け隊サービスを利用する中小企業への補助などの取組を実施いたしております。
政府として、様々な施策を通じ、中小企業のサイバーセキュリティー対策について、より着実な推進を図ってまいります。
以上でございます。(拍手)
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玄葉光一郎副議長
塩川鉄也君。
〔塩川鉄也君登壇〕
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57
塩川鉄也(共産)
私は、日本共産党を代表して、いわゆる能動的サイバー防御法案について質問します。(拍手)
本法案は、安保三文書に基づき、政府が国民の通信情報を常時収集、監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察、自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取ろうとするものです。国民の通信の秘密やプライバシー権を侵害をし、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に我が国が踏み込むもので、憲法と国際法を踏みにじる重大な法案であります。
第一に、通信の秘密とプライバシー権についてです。
法案は、サイバー攻撃の実態把握のためといって、送受信者の同…
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石破茂(自民)内閣総理大臣
塩川鉄也議員の御質問にお答えいたします。
サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の取得、分析と通信の秘密との関係についてでございます。
サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の利用は、通信当事者の同意によらない場合であっても、国、基幹インフラ事業者等の重要な機能がサイバー攻撃により損なわれることを防ぐという高い公益性があること、他の方法によっては実態の把握、分析が著しく困難である場合に限って通信情報の利用を行うこと、一定の機械的な情報のみを自動的な方法により選別して分析すること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことなどから…
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