アイデンティティーという言葉の中に大きく分けて三つの価値があって、一の個人のアイデンティティーも大事であり、苦しんでいる方がおられることもよく分かっています。特に当事者の方を目の前にすると何とかしてあげなきゃということで、自民党の中でも議論は進んできました。だけれども、二番目のアイデンティティー、家族や先祖、自分のルーツとのつながりというアイデンティティー。そして、治安や秩序というアイデンティティー。この三つが全て大事であるからこそ、これらを調和させて、それぞれの持つ保護法益を調和させた法案を作りたいということで議論を進めてまいりましたが、本日までに折り合う案ができなかったということであります。
個人の権利と、家族のきずな、先祖へのつながり、公共の治安や秩序、それらの保護法益を同時に満たすための法案を自民党でまとめようとしてきたわけです。
野党案も拝見しましたが、立憲案、国民案は、一つ目の個人のアイデンティティーのところを解決するということに偏っているように拝見いたしました。二つ目の家族のきずなや先祖とのつながりを守るという視点、三つ目の社会の秩序や安全を守るという視点での議論が十分であったのかが懸念されます。
中でも一番の懸念が、戸籍及び戸籍法はどうなっていくのかという点であります。井田参考人は過去にSNS上で、筆頭者の下に家族をひもづける戸籍制度を当然改定すべきと書かれております。さらに、一足飛びにはいきません、選択的夫婦別姓実現がまず第一歩と記しておられます。となれば、まずは選択的夫婦別姓を実現して、次の段階で戸籍法を改定するのだと読めるわけでありまして、戸籍法はどのように変わっていくのだろうと心配になるわけであります。
戸籍は、家族という単位をつくり、先祖とのつながりを証明し、自らの出自を知る権利を保障するものです。また、対外的に本人がどこの誰であるかを立証し、秩序の安定にも寄与するものであります。これらの機能をつかさどる戸籍法がどのように変わろうとしているのか、ここに多くの人の心配があると考えます。
こうした懸念に井田参考人はどう答えられますでしょうか。戸籍法をどう変えるとお考えでしょうか。
14
西村智奈美(立憲)
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。鬼木誠さん。
この発言のページ
15
鬼木誠(自民)
おはようございます。自由民主党の鬼木誠でございます。
今日は、参考人の皆様に質問をさせていただきます。
自民党では、選択的夫婦別姓について長く議論を続けてきましたが、一つの法案として答えを出すことができませんでした。
自民党内の議論においてこの議論を複雑にした原因の一つに、アイデンティティーという言葉の意味や用法が統一されていなかったことが挙げられると思います。それぞれの人がアイデンティティーという言葉を別々の意味で用い、同じ単語でありながら何のことを指しているのか、そもそも議論のスタートにおいてそろっていませんでした。同じアイデンティティーという…
この発言のページ
16八八木秀次麗澤大学経済学部教授
非常に複雑で、どう答えていいのかちょっと分からないんですけれども。おっしゃるとおり、アイデンティティーという言葉が抽象的で、私は先ほどの発言の中でも、内心の問題であり、主観的で千差万別だというふうに言いました。
そういったところを含めて、平成二十七年十二月の最高裁判決は、アイデンティティーという言葉は使っていないんですけれども、それに当たるような名誉感情とかそういう言葉を使って、婚姻後も維持する利益等は、憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとまでは言えないと言って、アイデンティティーの喪失の問題までは救済できません、限界はありますと言ってい…
この発言のページ
- (上の発言)
17
鬼木誠(自民)
アイデンティティーという言葉の中に大きく分けて三つの価値があって、一の個人のアイデンティティーも大事であり、苦しんでいる方がおられることもよく分かっています。特に当事者の方を目の前にすると何とかしてあげなきゃということで、自民党の中でも議論は進んできました。だけれども、二番目のアイデンティティー、家族や先祖、自分のルーツとのつながりというアイデンティティー。そして、治安や秩序というアイデンティティー。この三つが全て大事であるからこそ、これらを調和させて、それぞれの持つ保護法益を調和させた法案を作りたいということで議論を進めてまいりましたが、本日までに折り合う案ができなかったということであります。
個人の権利と、家族のきずな、先祖へのつながり、公共の治安や秩序、それらの保護法益を同時に満たすための法案を自民党でまとめようとしてきたわけです。
野党案も拝見しましたが、立憲案、国民案は、一つ目の個人のアイデンティティーのところを解決するということに偏っているように拝見いたしました。二つ目の家族のきずなや先祖とのつながりを守るという視点、三つ目の社会の秩序や安全を守るという視点での議論が十分であったのかが懸念されます。
中でも一番の懸念が、戸籍及び戸籍法はどうなっていくのかという点であります。井田参考人は過去にSNS上で、筆頭者の下に家族をひもづける戸籍制度を当然改定すべきと書かれております。さらに、一足飛びにはいきません、選択的夫婦別姓実現がまず第一歩と記しておられます。となれば、まずは選択的夫婦別姓を実現して、次の段階で戸籍法を改定するのだと読めるわけでありまして、戸籍法はどのように変わっていくのだろうと心配になるわけであります。
戸籍は、家族という単位をつくり、先祖とのつながりを証明し、自らの出自を知る権利を保障するものです。また、対外的に本人がどこの誰であるかを立証し、秩序の安定にも寄与するものであります。これらの機能をつかさどる戸籍法がどのように変わろうとしているのか、ここに多くの人の心配があると考えます。
こうした懸念に井田参考人はどう答えられますでしょうか。戸籍法をどう変えるとお考えでしょうか。
18井井田奈穂一般社団法人あすには代表理事
御質問ありがとうございます。
鬼木先生の今おっしゃった三つのアイデンティティー、全て大事だと思うので、選択的夫婦別姓が必要なんじゃないかなというふうに考えています。
戸籍筆頭者というのは、本籍とともに、今現在ではインデックスの意味しか持たないというふうに私は理解しているんですけれども、戸籍筆頭者というものを殊更何か家長のような、あるいは何かしらの意味を持たせてお考えになっている方もいらっしゃると思うんですね。
ただ、これって、毎年のように戸籍法も、あとは様々な法律というのは大量に法改正をされていくので、今の運用上のものが恒久的に続くというわけでは全…
この発言のページ
19
鬼木誠(自民)
ちょっともう一問行きます。
寺原先生から比較考量というお話が出ましたが、今私が申し上げた三つのアイデンティティー、それぞれの価値を守るということこそがこの議論の中で比較考量されるべき価値ではないかなと私は考えるわけですが、その上で全体が調和できる案を作るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
この発言のページ
20寺寺原真希子第三次選択的夫婦別姓訴訟弁護団長
御質問ありがとうございます。
その三つのアイデンティティーの区分けが正しいのかどうか、ちょっと私は分からないんですけれども、いずれにしても、全て重要で、それぞれが矛盾するものではないというふうに考えています。
先生がおっしゃった個人、自分の連続性を大事にするという方も、もちろん家族も大事にしているし、ルーツも大事にしている。そのことは今の戸籍制度の中で、今、戸籍制度というものがあって、その中に家族が入っている。選択的夫婦別氏制度というのは、一個の戸籍の中から家族を出すものではないんですよね、別氏か同氏かにかかわらず、実態としている家族を戸籍の中に一つ…
この発言のページ