竹田恒泰作家

2025年6月10日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 102 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 146 発言)

選択的夫婦別姓を進めていきますと、従来の家という概念はどんどんなくなっていくと言えると思います。例えば、お墓の継承。何々家の墓という概念はなくなりますので、自分がどこの家に所属しているかという概念もなくなっていきます。

もちろん、別姓の家族がいるという御家庭もあるでしょう。その人たちを不幸だと決めつけるつもりもありません。幸せな人もいるでしょう。同姓の家族でも不幸な人はたくさんいます。

ただ、今後、日本の家族がみんな、家族としての一体感を一億二千万人がどんどん失っていくということになったらどうでしょうか。例えば、国号のない国があるでしょうか。私たちの国の名前はありません、若しくは、私たちの生まれ故郷の地名はありません。では、例えば、学校の名前がない、そういうところのチームが甲子園で、どうでしょうか、学校としての一体感とか、何か背負うものはないですよね。なので、名前がある、だって、名前にこだわっているからこそ、選択的夫婦別姓なんですよね。

ところが、選択的夫婦別姓を進めていきますと、今度は家の名前というものがなくなっていくという問題があるわけなんです。それがどういう影響が表れるのか、これが予測できない部分が大きいから怖いわけです。できれば、家族制度というのは、本当に困っている人がいれば小幅修正によって手当てしつつ、大きな制度はできるだけ変えずに進めていくということです。

ですから、利益とリスクのバランスを考えていただいたときに、利益利益といいますけれども、では、維新案で具体的にどんなお困り事があるのかという話がさっきから何度もあります。

私は、お三方は具体的なことは一つも言わなかったと言った。そうしたら、次の共産党でしたか、同じことを聞いたんですよ。そうしたら、またお三方とも、具体的なことは誰もおっしゃらなかった。つまり、小原さんは、具体的には申し上げられないと言った。次原さんは、一個だけ言いましたね。カード名義と言いましたけれども、今、カードは旧姓のまま作れますから、これはもう全く意味のない話ですね。ですから、結局は、小さな不便はあると言いますけれども、具体的には何もないわけです。布柴さんもおっしゃったわけですね。ですから、具体的に出てこないわけですよ。

具体的にというと、私は全部メモしているんですけれども、変更の手続が煩雑だと言いますけれども、それは、結婚したらいろいろな手続をするわけですから、そんなのは煩雑に決まっているわけですよね。

そういうわけですから、旧姓の通称使用が拡大してきているということ、そして、それを法制化するということも今議論されているわけですから、それに対して払うべき代償というのが余りにも大きいということを申し上げているわけであります。

これだけ申し上げたいんですけれども、アイデンティティー、アイデンティティーといいますけれども、マーフィーの法則というのは皆様は御存じでしょうか。人生というものは、こうなってほしくない方向に必ず行く。つまり、小さいときから、この学校に行きたい、こんな職業に就きたい、政治家になりたい、いろいろあるでしょう。それをかなえていく人もいれば、一部かなえる人もいる。では、例えばこの学校に入りたい、それが自分の生きる道なんだというアイデンティティーを持っている人全員に行きたい学校に行かせるんでしょうか。全員に行きたい会社に行かせるんでしょうか。思ったとおりにいかないのもまた人生なんですね。

ですから、アイデンティティーで本当に困っている人がいたとしたら手当てすべきですけれども、家族制度を変えてまでやる必要があるのか。利益とコストのバランスを考えていただきたいと思います。

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