詳しく御説明するには三十分ほどいただければと思うんですが、そういうわけにもいきませんので端的に言いますと、罪証隠滅のおそれの判断はいろいろな要素で裁判官は従来から考えてきたんですが、その中の一つとして、罪証隠滅行為をしたら裁判所の終局的な判断が誤ったものになる可能性ということを考えます。その可能性の検討が、従来、可能性があるかどうか分からないから、分からないときはあるものとするという、ちょっと平たく言うと、そういうことが裁判官がよく参照する文献に書かれておりまして、それによって、実務はこういうものだという頭で処理してきた時代があったと思います。さすがに現在はそこの部分の表現は変えられておりますけれども。
では、具体的にどういう場合に罪証隠滅のおそれが残るかということで、一つだけ例を挙げますと、捜査の段階で、参考人を検察官が取り調べて、供述調書を作っている。供述調書ができていれば、では、罪証隠滅のおそれがなくなるかというところの事例として、その文献では、いや、公判廷で供述を覆すかもしれないから、罪証隠滅のおそれがあるんだ、そういう例が挙げられているんですけれども。あるいは公判廷で証人尋問しても、更にもう一回証人尋問するかもしれないから、罪証隠滅のおそれが残るとまで書いている場所もあります。
ところが、日本の刑事訴訟法では、検察官が捜査段階で供述調書を作っているときには、供述した人が法廷で証人となって違った意見を言っても、元の供述の方が信用ができれば、その元の供述調書が証拠として使えるという、かなり検察官の作成した調書についての高い証拠能力が認められております。
したがって、罪証隠滅行為、働きかけをして、公判廷で、仮に罪証隠滅に向けて偽証したとしても、裁判所はどっちが信用できるかを判断するわけですし、そもそも、被告人が保釈されて、その人に働きかけようとしても、それは保釈の条件として禁じられておりますから。もう接触しただけで保釈は取り消されるし、元々冤罪と主張しているというか、実際にそうだとしても、そうじゃないとしても、そういう行為が発覚すれば、保釈は取り消されるし、もう有罪も決まってしまいます。しかも、更に進めば、偽証まで教唆したということで、より重い罪になる可能性もある。
だから、そんな簡単に罪証隠滅行為はしづらいし、仮にあったとしたって、裁判所が、その法廷で出てきた新たな証言を元の供述と比べて、どっちが信用できるか判断するわけですから、裁判所の終局的な判断が間違えるおそれがあるというのは、裁判所がそういう判断がちゃんとできないという前提の議論になるわけで、そんなことまで心配して、罪証隠滅のおそれがあるという判断を裁判官自身がするのは私はおかしいのではないか、そういうふうに考えている次第でございます。
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金村龍那(維新)
ありがとうございます。
改めて、冤罪が当たり前のように起こることなく、しっかりと刑事司法の中でできる限りこういったことが起きないようにしていくことを、我々も切に、しっかりと立ち会っていかなきゃいけないなと思っています。
その上で、櫻井参考人に一つお伺いをさせてください。
私、実は、国会議員になる前、十年間にわたって障害児支援の事業所を都内と神奈川県内に運営してまいりました。その中で、本当にやるせない思いというか、非常に無力感を感じたのは、実際に私が運営していた施設に通っていた児童が性被害に遭いました。御家族といろいろな話合い、行政、そして学校、そう…
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35櫻櫻井鼓追手門学院大学心理学部教授
ありがとうございます。
私自身も大変障害の問題は大きいというふうに感じておりまして、一つには、やはり性教育をきちんと行うべきだと思っております。この点は今までも言われているとは思うんですけれども、例えば障害児が通う学校の先生にも、その教育、研修、そういった機会が必要だと思っているんですね。
例えば、そういった特別支援学校の先生方自身が障害をお持ちの先生がいらっしゃるということがあり、例えば、私はこういう場で、国会に来るのは実は初めてなんですが、講義ですとか講演の場というのは比較的多くいただいていて、そういった場でも、障害を持っておられる方がそれほど多…
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金村龍那(維新)
ありがとうございます。
障害児支援の事業を始めた当初、長年にわたって障害児支援をしてきた先生と呼ばれるような立場の人に、どうしたら性教育がきちんと障害児に伝わるのかというのをアドバイスを求めたときに、障害があっても性教育は実は理解度がしっかりあるというお話をいただいたんですね。当初、そんなことはないだろうと思っていたんですけれども、やはりきちんと伝える努力をし続けることで、性というものが障害児にとってもしっかりと理解できるという経験が私もございますので、そういった意味では、障害児に携わる立場の人たちがしっかりと性教育を理解することが入口なんだなというこ…
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- (上の発言)
37藤藤井敏明日本大学大学院法務研究科教授
詳しく御説明するには三十分ほどいただければと思うんですが、そういうわけにもいきませんので端的に言いますと、罪証隠滅のおそれの判断はいろいろな要素で裁判官は従来から考えてきたんですが、その中の一つとして、罪証隠滅行為をしたら裁判所の終局的な判断が誤ったものになる可能性ということを考えます。その可能性の検討が、従来、可能性があるかどうか分からないから、分からないときはあるものとするという、ちょっと平たく言うと、そういうことが裁判官がよく参照する文献に書かれておりまして、それによって、実務はこういうものだという頭で処理してきた時代があったと思います。さすがに現在はそこの部分の表現は変えられておりますけれども。
では、具体的にどういう場合に罪証隠滅のおそれが残るかということで、一つだけ例を挙げますと、捜査の段階で、参考人を検察官が取り調べて、供述調書を作っている。供述調書ができていれば、では、罪証隠滅のおそれがなくなるかというところの事例として、その文献では、いや、公判廷で供述を覆すかもしれないから、罪証隠滅のおそれがあるんだ、そういう例が挙げられているんですけれども。あるいは公判廷で証人尋問しても、更にもう一回証人尋問するかもしれないから、罪証隠滅のおそれが残るとまで書いている場所もあります。
ところが、日本の刑事訴訟法では、検察官が捜査段階で供述調書を作っているときには、供述した人が法廷で証人となって違った意見を言っても、元の供述の方が信用ができれば、その元の供述調書が証拠として使えるという、かなり検察官の作成した調書についての高い証拠能力が認められております。
したがって、罪証隠滅行為、働きかけをして、公判廷で、仮に罪証隠滅に向けて偽証したとしても、裁判所はどっちが信用できるかを判断するわけですし、そもそも、被告人が保釈されて、その人に働きかけようとしても、それは保釈の条件として禁じられておりますから。もう接触しただけで保釈は取り消されるし、元々冤罪と主張しているというか、実際にそうだとしても、そうじゃないとしても、そういう行為が発覚すれば、保釈は取り消されるし、もう有罪も決まってしまいます。しかも、更に進めば、偽証まで教唆したということで、より重い罪になる可能性もある。
だから、そんな簡単に罪証隠滅行為はしづらいし、仮にあったとしたって、裁判所が、その法廷で出てきた新たな証言を元の供述と比べて、どっちが信用できるか判断するわけですから、裁判所の終局的な判断が間違えるおそれがあるというのは、裁判所がそういう判断がちゃんとできないという前提の議論になるわけで、そんなことまで心配して、罪証隠滅のおそれがあるという判断を裁判官自身がするのは私はおかしいのではないか、そういうふうに考えている次第でございます。
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金村龍那(維新)
まだまだ聞きたいことはありますが、時間になりましたので、これで終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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西村智奈美(立憲)
次に、円より子さん。
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円より子(国民)
国民民主党の円より子と申します。
本日は、五人の参考人の方々から大変貴重な御意見を伺いまして、本当にありがとうございました。
高橋参考人からの、犯罪被害者の方々のことを思うと本当に胸が痛みますし、そのために真犯人を何とか挙げたいという捜査のこともよく分かります。ただ、それで冤罪を起こしてはいけないのであって、何とか冤罪を起こさないような取調べをしていってほしいものだと思っておりまして、これから質問をさせていただきます。
村木さんとは、私、参議院議員の時代に一緒に仕事をさせていただいておりまして、その仕事ぶりの、本当にいいお仕事をなさっておりましたの…
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