鬼木誠 (立憲民主党)

2026年7月24日・第221回国会 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 160 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

立憲民主・無所属の鬼木誠です。

私は、大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部改正案に賛成、国家社会機能継続性確保及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案に反対の立場から討論を行います。

まず、大都市地域における特別区の設置に関する改正案ですが、住民投票と統一自治体選挙を同日に実施することについては、公平かつ自由な住民投票運動を制約することになることは明白で、投票日当日の現場の混乱など多くの問題があります。この法改正により、住民投票期間と選挙期間とが重複しないようになり、人を選ぶ選挙と制度を選ぶ住民投票の混同を回避するとともに、不公正の防止にもつながると考えられ、賛成いたします。

次に、国家社会機能継続性確保及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案についてです。

立憲民主党は、首都直下地震など大規模災害に備えた国家統治機能の継続や東京一極集中の是正は重要と考えています。しかし、本法案はその目的にふさわしい内容ではなく、拙速な議論の下で提出された極めて問題の多い法案です。本来であれば、既存の国会等移転に関する法律を見直し、政府が十分な調査研究を踏まえた内閣提出法案として議論すべきであり、与党が議員立法で成立を急ぐ姿勢は到底容認できません。

反対理由は主に五点あります。

第一に、公平性を欠く制度設計です。

本法案は、副首都地域を指定するとしていますが、その要件は実質的に大阪を有利にする内容となっており、副首都の役割や機能も明確でないまま指定できるとの答弁まであり、制度の根幹が曖昧です。日本維新の会が進める大阪都構想を後押しするための法案との疑念を払拭できません。

第二に、災害時のバックアップ機能の実効性が不十分です。

首都直下地震や富士山噴火は想定する一方、南海トラフ地震への対応は極めて曖昧であり、大阪も被災する可能性について十分な説明はありませんでした。危機管理体制として信頼できる内容とは言えません。

第三に、東京一極集中の是正につながる保証がありません。

企業や人口の分散には、税制や産業政策、大学、研究機関の移転など総合的な施策が不可欠ですが、その具体策や予算は示されていません。結果として、特定の地域への重点投資に終わり、第二の一極集中を招く懸念があります。

第四に、巨額の財政負担への懸念です。

行政機関やインフラ整備には多額の国費が必要となる可能性がありますが、予算額及び費用対効果が全く示されていません。国費による副首都利権を生みかねない点も重大な問題です。

第五に、地方自治と住民意思を軽視していることです。

副首都を理由に都への名称変更を可能とする法改正には、立法事実も必要性もなく、大阪都構想実現への布石との疑念を抱かせます。

以上のように、本法案は、災害対策を掲げながら、実際には、特定地域を優遇し、大阪都構想を後押しする色彩が極めて濃い法案です。国家の将来に関わる重要な課題だからこそ、党利党略ではなく、国民全体の利益を最優先に、慎重な議論を行うべきです。

よって、本法案は廃案すべきことを強く申し上げ、反対討論といたします。

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