原田大二郎 (公明党)

2026年6月3日・第221回国会 参議院 本会議 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 20 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 37 発言)

公明党の原田大二郎です。

まず冒頭、現在、台風六号が日本列島を北上しております。我が党は、地方議員と連携を取りながら、ネットワークの力を活用して、被害が最小限となるよう、必要な対応を取ってまいりたいと思います。

また、現在、警戒、救援、復旧に当たる関係者の皆様に感謝を申し上げます。

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました令和八年度補正予算案につきまして、全て高市総理に質疑を行います。

まず問わなければならないのは、政府対応の遅れと現場の乖離です。

イラン情勢の緊迫化に伴う原油や物価の高騰が国民生活と企業活動に深刻な影響を及ぼし始めたのは、本年三月からであります。この危機に対し、四月六日、公明党は立憲民主党と共同で令和八年度本予算に対する修正案を提出しました。

修正案には、燃油価格の引下げ、電気・ガス料金の負担軽減、低所得者給付、さらにはナフサの供給減、価格高騰を受けた医療機関支援など、国民生活と医療現場を守る具体策を盛り込みました。単なる歳出増ではなく、積み過ぎ基金の国庫返納により、特例公債を増発せず財源を確保する財政責任を伴う提案でした。我々は四月の段階で、現場の危機感に基づき、財源も含めた具体的な対応策を既に政府に示していたのであります。

さらに、三党合同で緊急の原油高影響調査を実施しました。全国の地方議員のネットワークも生かし、個人、中小企業を中心とした事業者、合わせて一万二千件を超える現場の切実な声を集約しました。その結果、東北、北海道では、燃油高騰で灯油が入手できず寒さがしのげないなどの声とともに、事業者においても資材不足等により九七%に影響が出ていることが判明しました。本予算に対する修正は必要だったのです。

そこで、直ちに補正予算を編成すべきだと強く訴えました。しかし、総理は、直ちに必要な状況とは考えていないと楽観的な姿勢を続けられました。その間にも、事態は悪化の一途をたどりました。このままでは資金繰りが滞り、銀行とのリスケができなければ倒産せざるを得ない、給与さえ支払うことができないとのお声が増加しています。

総理、これまでの政府対応が遅きに失したという御認識はないのでしょうか。現場の痛みや緊急対応を求める声に対する率直な御認識をお聞かせください。

次に、補正予算案の中身について伺います。

総理は、補正予算の規模について三兆一千百億円と説明され、中東情勢対応として二兆五千億円もの予備費が計上されています。しかし、政府の補正予算には、国民生活と事業継続を支えるための実効性ある経済対策がないではありませんか。

予備費は予期せぬ事態に備えるためのものです。しかも、エネルギー価格高騰など明白な課題があるにもかかわらず、いまだに予期せぬ事態に備える認識でしょうか。予備費はそもそも何に対して幾ら必要なのか、政府が把握できていないのではありませんか。国民生活を守るため、どの施策に幾らの予算を充てるのかを明らかにすることは、財政民主主義の最も基本的な要請であります。

なぜ個別の事業として明確に予算化せず、予備費に委ねる形としたのか、明快な答弁を求めます。

次に、ナフサ由来の、ナフサ由来製品の供給について伺います。

総理は六月二日の関係閣僚会議で、二〇二七年四月以降も供給できる見通しと説明をされました。しかし、現場から聞こえてくる声は全く異なります。

整備工場では、各種オイルが入手困難で業務停止のおそれがあります。建設現場でも、塩ビ管などが入らず、工事の遅れに直結しています。総量として足りていることと必要な物が現場へ届いていることは別の問題ではありませんか。

総理に伺います。

政府が足りていると言う根拠を、総量ではなく、シンナー、塗料、塩ビ管、包装資材、医療用資材など品目別、地域別、業種別に示すべきではありませんか。また、一・七か月分の中間在庫について、液体ナフサ、基礎化学品、そして樹脂製品、川中、川下製品の内訳を明らかにすべきではありませんか。さらに、ナフサ生産と供給体制について実態調査を行い、ナフサの国内増産や代替調達への支援を補正予算の中に明確な事業として位置付けるべきではありませんか。

単なる目詰まり対策や予備費対応にとどめるのではなく、供給確保と価格高騰対策を補正予算の具体的、中核的な事業として講じるべきであります。総理の明確な答弁を求めます。

さらに、この補正予算案には、本当に救いの手を差し伸べるべきところへの支援が決定的に欠落をしております。

政府案では重点支援地方交付金として一千億円が計上されていますが、総理、一千億円の重点支援地方交付金で何ができるのですか。

令和八年度予算、税制改正では、所得税を納めている方には一定の減税効果が及びます。しかし一方で、非課税世帯にはその効果は届きにくい。だからこそ、物価高の影響を最も強く受ける低所得者、子育て世帯には直接給付が必要ではないでしょうか。

また、価格転嫁ができない公定価格で事業を行う医療、介護、障害福祉の現場も悲鳴を上げています。

総理、国民の命と暮らしを守るため、低所得者、子育て世帯への直接給付、医療、介護等への経営支援を補正予算に柱として据えるべきと思いますが、総理の見解を求めます。

また、企業と雇用を守る視点も極めて不十分と言わざるを得ません。

資材不足やコスト高騰により、鉄骨製造現場でも塗料等が手に入りにくく、納品に支障が生じています。漁業においても、船の重油の高騰と供給不安で出漁を危ぶむ声が高まっているのが実情です。

我々は、中小企業の雇用を維持するためには、雇用調整助成金の受給要件の緩和や助成率の引上げをコロナ禍のとき並みに実施すること、さらに強力な資金繰り支援が急務であると考えています。

総理、現場で汗を流す中小企業とその従業員を倒産や失業の危機からどのような具体策で守り抜くおつもりか、明確な方策をお答えください。

最後に、根本的な課題解決への姿勢を問います。

今回の危機で明らかになったのは、我が国がいかに石油やナフサを中東に依存し、脆弱なサプライチェーンの上に立っているかという現実です。

先日、廃プラスチックをケミカルリサイクルし、再び油化し出荷する工場に行き、資源循環を実際行っている状況を視察しました。その重要性と可能性を感じ、後押しをすべきだと感じました。

我々は、この危機を契機として、リサイクルの推進やバイオナフサや代替プラスチック、ケミカルリサイクルなど、新技術の開発を強力に支援し、石油依存度を下げて、より安定的な経済構造の確立を図るべきだと考えています。

総理には、次世代を見据えた産業構造の転換への投資こそ責任ある積極財政ではないかと考えますが、見解を求めます。

総理、我々が提出した緊急経済対策の根底にあるのは、一万二千件を超える調査、その後の現場の血の通った声であります。予備費を積むだけでは、本当に困窮している人々や企業への具体策を欠いた政府案では、国民の不安を払拭することは到底できません。

我々は、政府予算案に対する修正案を提出いたします。補正予算の在り方を抜本的に議論しようではありませんかと申し上げ、私の質疑を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

前後のやりとり

16の発言を見る

24の発言を見る

顔写真の出典(Wikimedia Commons、4件)