国民民主党・新緑風会、庭田幸恵でございます。
会派を代表して、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
私は、がんで余命半年宣告をされた父の最期を自宅でみとり、現在は認知症の母と向き合っています。その中で実感したのは、人は制度の中で生きているのではなく、不安の中で暮らしているという現実です。
だからこそ、本法案を審議するに当たり、まず確認したいことがあります。本法案は、制度ごとの見直しを束ねた改正にとどまるのか、それとも社会保障全体の将来像を見据えた一体的な再設計の第一歩なのか。医療、出産、負担の在り方、個別の制度は、それぞれが独立して存在しているのではなく、国民の暮らしの中では一つにつながっています。しかし、今回の改正は、全体としてどのような社会保障像を描こうとしているのかが見えにくいとの指摘もあります。
そこで、総理に伺います。
本法案は、我が国の社会保障をどのような方向に導くものなのか、個別改正法案の積み重ねは、将来を見据えた制度設計としてどのように位置付けているのか、その基本認識をお聞かせください。
次に、後期高齢者医療制度における金融所得の反映について伺います。
今回の見直しで保険料の算定等に反映されることとなるのは、上場株式の配当等の金融所得にとどまっており、金融資産の保有状況は考慮されません。負担能力に応じた公平を目指すには、なお限定的です。なぜ今回の見直しの対象を金融所得のみにとどめたのか、その理由をお示しください。
また、法案成立後三年程度で法定調書情報の連携を進める以上、より広い金融所得の反映に踏み込むのか、更なる改革に向けた方向性やスケジュールを厚生労働大臣に伺います。
次に、出産に係る負担軽減について伺います。
今、日本では、子供を持ちたいと思っても、出産、育児、住まい、働き方、教育と、将来不安が重くのしかかっています。私自身、娘の大学卒業から十数年を経て、ようやく学資ローンの返済を終えたところです。子育てとは、出産の瞬間だけではございません。家計にも親の人生にも長く深く関わりますので、丁寧な議論が必要です。
まず、出産費用の給付体系について伺います。
今回の見直しでは、正常分娩は現物給付化される一方、帝王切開など異常分娩は従来どおり保険診療として一定の自己負担が生じます。
しかし、正常分娩になるか異常分娩になるかは、妊婦自身が選べるものではありません。経過によって経済的負担に差が生じる、自己負担が生じるという不安を生むおそれがあります。
政府は、この点をどう受け止めているのか、出産に伴う不公平の、出産に伴う負担の公平性をどのように確保していくのか、厚生労働大臣に伺います。
あわせて、周産期医療の提供体制について伺います。
経済的な負担が軽減されても、地域で安全に産める体制がなければ、安心して出産できません。少子化の進行によって出産を扱う医療機関は減少し、地方ではその影響がより一層深刻です。
私の地元富山でも、分娩を扱う医療機関が限られ、地域によっては出産のために市町村をまたいで移動せざるを得ない現実が既にあります。出産を支える医療機関が制度変更で更に経営不安にさらされるようなことは、絶対に避けなければなりません。
そこで、総理に伺います。
国は、新たな給付体系の下で、地方、へき地の周産期医療を守り抜くため、どのような支援を講じるのか、お聞かせください。
次に、OTC類似薬の見直しについて伺います。
自分自身の健康に責任を持って、軽度な体の不調は自分で手当てをするセルフメディケーションの議論自体は必要だと考えます。
また、私たち国民民主党は、現役世代の保険料負担を軽減し、手取りをもっと増やすことを訴えています。その意味でも、公的保険の適用範囲の見直しは避けては通れません。しかし同時に、その見直しが必要な受診の抑制や遅れにつながってはなりません。
そこで、伺います。
一部保険外療養の創設により、政府は、現役世代の保険料負担は具体的にどの程度軽減されると見込んでいるのでしょうか。また、国民が適切にOTC医薬品を活用できるよう、薬剤師へのアクセス、情報提供、相談体制など、セルフメディケーションを支える環境整備をどう進めるのか、厚生労働大臣に伺います。
次に、本法案で、業務効率化や勤務環境改善に取り組む病院について、新たな認定制度を創設することについて伺います。
昨今、医療現場では、医師、看護師、薬剤師、事務職員を含め、人手不足と業務過多が常態化し、とりわけ地方の病院ほど必死に地域医療を支えてくださっています。そうした中で、業務効率化や勤務環境改善を進めることは一つの重要な課題ではありますが、現場が真に必要としているのは認定制度なのでしょうか。認定を受けるために、更に病院の業務負担が増える結果となってしまうことを懸念しています。
この認定制度は、現場の負担を増やすだけの制度にならないのか、認定取得の事務負担をどう軽減するのか、厚生労働大臣に伺います。
また、赤字経営の病院が増えている中、賃上げ、人員確保、タスクシフト、DX支援など、抜本的に現場を支える、現場を本当に支える具体的具体策をどのように講じるのか、お答えください。
次に、高額療養費制度について伺います。
今回の改正で高額療養費の家計へ与える影響について、「とりわけ長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計」という文言が条文に追加されています。この制度は、高額な治療を受ける人の家計を守り、治療を続ける希望を守り、そして病の中にある人の心を守る命綱です。
令和八年度予算案の審議において、高額療養費の窓口負担の見直しについて、質疑の中で、医療費の窓口負担見直しについては、受診行動だけではなく、がんや難病といった病気と向き合う方々、そしてその御家族からの、これから医療費はどうなるのか分からないという、治療の継続、生活の不安など、現実の声に接し、胸が痛くなりました。
そこで、厚生労働大臣に伺います。
今後も、高額療養費制度は、長期療養者、がん患者、難病患者といった方々、その御家族の治療の継続と生活の維持、家計防衛機能を果たすことができるのでしょうか。また、今後、政令で定める窓口負担額の変更について、今回の改正に照らし、その家計に与える影響について検証はされるのでしょうか。
最後に、高市総理に伺います。
日本が掲げる人間の安全保障とは、国家だけではなく、一人一人の生存、生活、尊厳を守る理念です。であるならば、社会保障もまたその理念に立つべきではないでしょうか。
社会保障とは、弱った人の自己責任にしないためにある制度です。しかし、病気、介護、貧困、孤立、命と尊厳を揺るがす不安の中で生きている人々がこの国にはいます。
私は、中東で不安の中にある家族を持つ者でもあります。日本には今、ミサイルが日常的に飛んでくる状況にはありません。だからこそ申し上げます。人が安心して生きられる社会は当たり前ではありません。脅威の形は違っても、社会保障において人の安全が脅かされているという点では、本質は同じではないでしょうか。
それは、政治が選び、守り続けて初めて成り立つものです。守り抜く覚悟があるのか、その覚悟を国家としての意思として示せるのか、総理の決意を求め、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
9
高市早苗(自民)内閣総理大臣
小西洋之議員の御質問にお答えいたします。
週刊誌の件についてお尋ねがございました。
まず最初に申し上げますが、お尋ねの週刊誌に書かれている内容に私自身が関わっているということは一切ありません。
その上で、事務所の職員にも確認をしましたが、これまで繰り返し御説明しているとおり、高市事務所及び高市陣営においては昨年の自由民主党総裁選や本年の衆議院選挙において高市事務所が運営するアカウント以外のアカウントでの発信は行っておらず、他の候補者に関するネガティブな情報を発信する、あるいはそのような動画を作成して発信するといったことも一切行っていないと報告を受け…
この発言のページ
10
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
小西洋之議員の御質問にお答えをいたします。
OTC類似薬の一部保険外療養における受診行動の変化の見込みについてお尋ねがありました。
本制度においては、必要な受診を行った上で、別途の負担は薬剤費の四分の一とし、急激な負担増とならないよう設定するほか、がんや難病患者など、別途の負担を求めないなどの配慮を行うこととしています。
その上で、財政影響試算においては、令和六年度のレセプトデータを用いて、例えば、患者が医師による診察を受けた後、二回目以降、OTC医薬品を利用するといった患者の行動変容によって減る医療費の影響を約四百億円と見込んでいます。(拍手)
…
この発言のページ
11
関口昌一議長
庭田幸恵君。
〔庭田幸恵君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
12庭庭田幸恵(国民)
国民民主党・新緑風会、庭田幸恵でございます。
会派を代表して、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
私は、がんで余命半年宣告をされた父の最期を自宅でみとり、現在は認知症の母と向き合っています。その中で実感したのは、人は制度の中で生きているのではなく、不安の中で暮らしているという現実です。
だからこそ、本法案を審議するに当たり、まず確認したいことがあります。本法案は、制度ごとの見直しを束ねた改正にとどまるのか、それとも社会保障全体の将来像を見据えた一体的な再設計の第一歩なのか。医療、出産、負担の在り方、個別の制度は、それぞれが独立して存在しているのではなく、国民の暮らしの中では一つにつながっています。しかし、今回の改正は、全体としてどのような社会保障像を描こうとしているのかが見えにくいとの指摘もあります。
そこで、総理に伺います。
本法案は、我が国の社会保障をどのような方向に導くものなのか、個別改正法案の積み重ねは、将来を見据えた制度設計としてどのように位置付けているのか、その基本認識をお聞かせください。
次に、後期高齢者医療制度における金融所得の反映について伺います。
今回の見直しで保険料の算定等に反映されることとなるのは、上場株式の配当等の金融所得にとどまっており、金融資産の保有状況は考慮されません。負担能力に応じた公平を目指すには、なお限定的です。なぜ今回の見直しの対象を金融所得のみにとどめたのか、その理由をお示しください。
また、法案成立後三年程度で法定調書情報の連携を進める以上、より広い金融所得の反映に踏み込むのか、更なる改革に向けた方向性やスケジュールを厚生労働大臣に伺います。
次に、出産に係る負担軽減について伺います。
今、日本では、子供を持ちたいと思っても、出産、育児、住まい、働き方、教育と、将来不安が重くのしかかっています。私自身、娘の大学卒業から十数年を経て、ようやく学資ローンの返済を終えたところです。子育てとは、出産の瞬間だけではございません。家計にも親の人生にも長く深く関わりますので、丁寧な議論が必要です。
まず、出産費用の給付体系について伺います。
今回の見直しでは、正常分娩は現物給付化される一方、帝王切開など異常分娩は従来どおり保険診療として一定の自己負担が生じます。
しかし、正常分娩になるか異常分娩になるかは、妊婦自身が選べるものではありません。経過によって経済的負担に差が生じる、自己負担が生じるという不安を生むおそれがあります。
政府は、この点をどう受け止めているのか、出産に伴う不公平の、出産に伴う負担の公平性をどのように確保していくのか、厚生労働大臣に伺います。
あわせて、周産期医療の提供体制について伺います。
経済的な負担が軽減されても、地域で安全に産める体制がなければ、安心して出産できません。少子化の進行によって出産を扱う医療機関は減少し、地方ではその影響がより一層深刻です。
私の地元富山でも、分娩を扱う医療機関が限られ、地域によっては出産のために市町村をまたいで移動せざるを得ない現実が既にあります。出産を支える医療機関が制度変更で更に経営不安にさらされるようなことは、絶対に避けなければなりません。
そこで、総理に伺います。
国は、新たな給付体系の下で、地方、へき地の周産期医療を守り抜くため、どのような支援を講じるのか、お聞かせください。
次に、OTC類似薬の見直しについて伺います。
自分自身の健康に責任を持って、軽度な体の不調は自分で手当てをするセルフメディケーションの議論自体は必要だと考えます。
また、私たち国民民主党は、現役世代の保険料負担を軽減し、手取りをもっと増やすことを訴えています。その意味でも、公的保険の適用範囲の見直しは避けては通れません。しかし同時に、その見直しが必要な受診の抑制や遅れにつながってはなりません。
そこで、伺います。
一部保険外療養の創設により、政府は、現役世代の保険料負担は具体的にどの程度軽減されると見込んでいるのでしょうか。また、国民が適切にOTC医薬品を活用できるよう、薬剤師へのアクセス、情報提供、相談体制など、セルフメディケーションを支える環境整備をどう進めるのか、厚生労働大臣に伺います。
次に、本法案で、業務効率化や勤務環境改善に取り組む病院について、新たな認定制度を創設することについて伺います。
昨今、医療現場では、医師、看護師、薬剤師、事務職員を含め、人手不足と業務過多が常態化し、とりわけ地方の病院ほど必死に地域医療を支えてくださっています。そうした中で、業務効率化や勤務環境改善を進めることは一つの重要な課題ではありますが、現場が真に必要としているのは認定制度なのでしょうか。認定を受けるために、更に病院の業務負担が増える結果となってしまうことを懸念しています。
この認定制度は、現場の負担を増やすだけの制度にならないのか、認定取得の事務負担をどう軽減するのか、厚生労働大臣に伺います。
また、赤字経営の病院が増えている中、賃上げ、人員確保、タスクシフト、DX支援など、抜本的に現場を支える、現場を本当に支える具体的具体策をどのように講じるのか、お答えください。
次に、高額療養費制度について伺います。
今回の改正で高額療養費の家計へ与える影響について、「とりわけ長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計」という文言が条文に追加されています。この制度は、高額な治療を受ける人の家計を守り、治療を続ける希望を守り、そして病の中にある人の心を守る命綱です。
令和八年度予算案の審議において、高額療養費の窓口負担の見直しについて、質疑の中で、医療費の窓口負担見直しについては、受診行動だけではなく、がんや難病といった病気と向き合う方々、そしてその御家族からの、これから医療費はどうなるのか分からないという、治療の継続、生活の不安など、現実の声に接し、胸が痛くなりました。
そこで、厚生労働大臣に伺います。
今後も、高額療養費制度は、長期療養者、がん患者、難病患者といった方々、その御家族の治療の継続と生活の維持、家計防衛機能を果たすことができるのでしょうか。また、今後、政令で定める窓口負担額の変更について、今回の改正に照らし、その家計に与える影響について検証はされるのでしょうか。
最後に、高市総理に伺います。
日本が掲げる人間の安全保障とは、国家だけではなく、一人一人の生存、生活、尊厳を守る理念です。であるならば、社会保障もまたその理念に立つべきではないでしょうか。
社会保障とは、弱った人の自己責任にしないためにある制度です。しかし、病気、介護、貧困、孤立、命と尊厳を揺るがす不安の中で生きている人々がこの国にはいます。
私は、中東で不安の中にある家族を持つ者でもあります。日本には今、ミサイルが日常的に飛んでくる状況にはありません。だからこそ申し上げます。人が安心して生きられる社会は当たり前ではありません。脅威の形は違っても、社会保障において人の安全が脅かされているという点では、本質は同じではないでしょうか。
それは、政治が選び、守り続けて初めて成り立つものです。守り抜く覚悟があるのか、その覚悟を国家としての意思として示せるのか、総理の決意を求め、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
13
高市早苗(自民)内閣総理大臣
庭田幸恵議員の質問にお答えをいたします。
本法案の基本認識についてお尋ねがございました。
人口減少、少子高齢化が進む中、社会保障制度を次世代に引き継いでいくためには、不断の改革努力が必要です。
本法案における各改正項目は、必要な保険給付などを適切に行い、世代間や世代内での負担の公平性を確保するとともに、限られた財源及び医療資源を効率的に活用することを目的に、一体的に改革を行うものです。
本法案を通じて、将来にわたって国民の皆様が安心して医療を受けられる基盤を堅持してまいります。
周産期医療提供体制の確保についてお尋ねがございました。
今回の出…
この発言のページ
14
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
庭田幸恵議員の御質問にお答えをいたします。
後期高齢者医療制度における金融所得の公平な反映についてお尋ねがありました。
本法案による見直しは、上場株式の配当等の一部の金融所得について、確定申告の有無によって窓口負担割合や保険料等に反映されるか否かが異なるという不公平の解消を図るものです。
御指摘の金融資産の反映など更なる見直しについては、被保険者の金融資産等をどのように把握するかなど、その実務上の課題や事務負担等も考慮しながら、今回の改正の施行状況も踏まえ、引き続き議論する必要があると考えています。
出産に係る給付体系の見直しについてお尋ねがあり…
この発言のページ
15
関口昌一議長
川村雄大君。
〔川村雄大君登壇、拍手〕
この発言のページ