上山泰新潟大学法学部教授

2026年6月11日・第221回国会 参議院 法務委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 104 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 110 発言)

御質問ありがとうございます。

今御家族との関係については久保参考人が実際の御経験を基に詳しくお話しくださいましたので、同様の事案というのは、例えば知人を称する者やあるいは極めて悪質な事業者が御本人を囲い込んでしまうというような状況でも生じ得る問題かなというふうに考えております。

この点についての対応なのですが、私は、少なくとも現在の成年後見制度よりも新しい補助制度の方が対応がしやすくなるのではないかというふうに考えております。

というのは、実際のところ、例えば、御家族による本当に経済的な虐待と呼べるようなものがあるのか、あるいは悪質な事業者の囲い込みなのかというのは、単に第三者が外側から見て確実に評価ができるのかというと、これはなかなか難しいケースもあろうかと思います。そこで、後見人を付けましょうという話になると、いや、まさに終わらない後見ということで、場合によっては御本人にとって取り返しが付かない事態になってしまうという御懸念も御本人あるいは関係者の方に生じるかと思います。

それに対して、今回少なくとも制度としては終われる後見という形になりますので、一時的に、スポット的に財産管理権限を与えられた補助人がその中に直接入ることによって、それによって預金の動きなども補助人の権限で一定確認ができますので、これが本当に経済的虐待なのか、あるいは御本人自身が本当に信頼している御家族に向けた贈与なのかという辺りの見極めがきちんとできるようになるだろうと。そして、その見極めが付いたところで、更に必要な代理権を強化するか、あるいは、これははたから見ていたら少し心配だったけど実は大丈夫だよねということであれば、そこで一旦補助をやめるということもできるようになるわけで、こうした機動的な動きができるようになるという点で一時的に御本人が本当に厳しい状態に置かれているかどうかということをきちんと確認するために利用することができる、その道を開いたという点で新しい補助制度の意義、そこにもあるのではないかというふうに感じております。

以上です。

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