平口洋 (自由民主党)法務大臣

2026年6月2日・第221回国会 参議院 法務委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 137 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 142 発言)

民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

この法律案は、高齢化の進展、単身高齢者世帯の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、成年後見及び遺言の制度を国民がより利用しやすいものとする等の観点から、民法等の一部を改正しようとするものでございます。

その要点は、次のとおりであります。

第一に、民法を改正し、後見及び保佐の制度を廃止し、精神上の理由により事理を弁識する能力が不十分である者の全てを補助の対象とした上で、家庭裁判所が、必要があると認めるときは、補助開始の審判を受けた者のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判等をすることができることとするほか、精神上の理由により事理を弁識する能力を欠く常況にある者のため、その者がした法定の重要な財産上の行為を取り消す権限等を有する補助人として特定補助人を付する旨の審判をすることができることとしております。また、家庭裁判所は、必要がなくなったと認めるときは、補助の制度に係る各審判を取り消すことができること、補助開始の審判を受けた者の利益のために特に必要があるときは、補助人を解任することができること、補助人は、補助の事務を行うに当たっては、補助開始の審判を受けた者の心身の状態に応じて、適切な方法によりその事務に関する意向を把握するようにしなければならないこと等の規定を設けることとしております。さらに、普通の方式の遺言として、電磁的記録等をもって作成し、法務局において保管する保管証書遺言を創設するほか、特別の方式の遺言のうち死亡危急時遺言等について、遺言する状況を録音、録画により記録すること等を内容とする方式を追加するとともに、自筆証書遺言における遺言者の押印要件を廃止する等の措置を講ずることとしております。

第二に、任意後見契約に関する法律の一部を改正し、家庭裁判所は、明らかに任意後見監督人による監督の必要がないと認めるときは、任意後見監督人を選任しないことができることとするとともに、本人が補助開始の審判を受けたときに任意後見契約が終了するとの規定を削除する等の措置を講ずることとしております。

第三に、後見登記等に関する法律の一部を改正し、登記事項等に関する規定の整備を行うこととしております。

第四に、家事事件手続法の一部を改正し、家事審判手続に関する規定の整備を行うこととしております。

第五に、法務局における遺言書の保管等に関する法律の一部を改正し、保管証書遺言について、保管、閲覧、証明等の手続に関する規定を設けることとしております。

このほか、施行日前に改正前の民法の規定により後見開始又は保佐開始の審判を受けた者等に関する民法の規定の適用については、原則としてなお従前の例によることとしつつ、これらの者について、請求により、改正後の民法の規定による補助開始の審判等をすることや、後見開始又は保佐開始の審判を取り消すことを可能とするなど、所要の経過措置を定めることとしております。

続いて、民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

この法律案は、民法等の一部を改正する法律の施行に伴い、商法ほか六十の関係法律に所要の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。

以上が、これら法律案の趣旨であります。

何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

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