私のイメージは、例えば国旗を焼くシーンがインターネットなどで拡散されると、それだけで処罰するものではそもそもないんですね、この法律は。そうではなくて、その結果起きる、起きてしまう、起きてしまったとき、何か起きてしまったときに、その結果、例えば暴力的な暴動が起きたりとかあるいは対立が起きるというようなことが起きると、これがまさに、恐らく後から、結果的にこれは、不快な、その人たちにとっては、その暴力行為を起こした人たちにとっては不快な行動だったということで、処罰対象になるという関係性にあるんだろうと思います。
今のままだと、仮に燃やしたから暴動が起きたとしても、これは多分、騒乱罪、何を適用して捕まえるか分からないですよね。だけど、これが、この法律があるならば、元々国旗を焼いたことが要因としてこの暴動が起きたと、これは社会騒乱を起こしたので、この要件としてこの法律を適用して、この二人、このメンバーを逮捕するという行動につながるのかなと思います。
ですから、リスクマネジメントというのは、リスクが顕在化したらこれは犯罪であったり戦争だったりするわけです。ですけど、リスクの間にどうマネージするかなんですよ。顕在化しない間にどうマネージするかという概念がリスクマネジメントですから、そういう意味では、まさにそれは頻度と損失の大きさなんですね。縦軸が損失の大きさで横軸が頻度です。頻度が少ないからといっても、損害の大きな災害だとか戦争は、これは対処しなきゃいけないリスクなんですね。リスクの芽を摘むということです。それから、頻度が多いけどリスクが、これでも、頻度が多ければこれも対処しなきゃいけないというこの両方を勘案するという意味で、私はリスクマネジメント的法律だと思っているんですね。要するに、始まって暴動が起きてから、はい、これはどうやって処罰するのということでは間に合わないわけですよ。
であるならば、今のうちにそれを、芽を摘むためにも、恐らくそれが分かっていれば、そもそも暴動にならないんですね。例えば、外国の国旗のこれも、実際、これがあるがゆえにほぼ起きていないわけですよ、その事案が。それは、だからまあ、抑止力という言葉が正しいかどうか分かりませんけど、こういったものがあってリスクマネジメントをすることで、そもそものものが大きな暴動につながらないということが、私はこの法律の一番の意味があると思っております。
11
寺田静(自民)
ありがとうございます。
一方で、お二人の参考人、木下参考人、また橋本参考人からは非常に厳しい御意見、違憲ではあるという御意見を賜ったものというふうに思います。
木下参考人にお伺いをしたいと思います。
先ほども意見陳述の中でおっしゃられたことと重なる部分もあるかと思いますけれども、この本案の、本法案の審議において最も議論となるところがこの二十一条のところであったというふうに思います。この表現の自由との関係です。
提出者は、本法案は、表現の内容そのものを処罰するのではなくて、あくまでもこの公然と国旗を損壊するという外形的、客観的な行為態様に着目をして…
この発言のページ
12木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
繰り返しになりますけれども、表現内容と表現内容中立規制の区別につきましては、本法案は、やはり不快又は嫌悪の情を催させるという、それ自体が構成要件になっておりますので、その不快や嫌悪の情を催させるということ、それ自体が表現行為の内容であるというふうに考えます。
表現行為をしますと、やはり人を動かすために表現行為を、人の感情を動かすために表現行為を行っておりますので、その表現行為にまさに着目し、表現行為の結果ですね、人の心がこういうふうに動くものということで構成要件が規定されていることになりますので、内容規制であろうというふうに考…
この発言のページ
13
寺田静(自民)
ありがとうございます。
今のお話に係ってですけれども、伊藤参考人にいま一度お伺いしたいと思いますけれども、今のような御懸念があるときに、リスクマネジメントの専門家として、どのようにこの全国津々浦々の現場で、この法案がもし成立をしたと仮定をして、その際に、全国津々浦々でこの執行をする現場でどのように適切に判断をされていくのかと、そこのところがこの法案でしっかりと担保をされているのかというところについて、お考えをお伺いできればと思います。
この発言のページ
- (上の発言)
14伊伊藤俊幸金沢工業大学大学院教授
私のイメージは、例えば国旗を焼くシーンがインターネットなどで拡散されると、それだけで処罰するものではそもそもないんですね、この法律は。そうではなくて、その結果起きる、起きてしまう、起きてしまったとき、何か起きてしまったときに、その結果、例えば暴力的な暴動が起きたりとかあるいは対立が起きるというようなことが起きると、これがまさに、恐らく後から、結果的にこれは、不快な、その人たちにとっては、その暴力行為を起こした人たちにとっては不快な行動だったということで、処罰対象になるという関係性にあるんだろうと思います。
今のままだと、仮に燃やしたから暴動が起きたとしても、これは多分、騒乱罪、何を適用して捕まえるか分からないですよね。だけど、これが、この法律があるならば、元々国旗を焼いたことが要因としてこの暴動が起きたと、これは社会騒乱を起こしたので、この要件としてこの法律を適用して、この二人、このメンバーを逮捕するという行動につながるのかなと思います。
ですから、リスクマネジメントというのは、リスクが顕在化したらこれは犯罪であったり戦争だったりするわけです。ですけど、リスクの間にどうマネージするかなんですよ。顕在化しない間にどうマネージするかという概念がリスクマネジメントですから、そういう意味では、まさにそれは頻度と損失の大きさなんですね。縦軸が損失の大きさで横軸が頻度です。頻度が少ないからといっても、損害の大きな災害だとか戦争は、これは対処しなきゃいけないリスクなんですね。リスクの芽を摘むということです。それから、頻度が多いけどリスクが、これでも、頻度が多ければこれも対処しなきゃいけないというこの両方を勘案するという意味で、私はリスクマネジメント的法律だと思っているんですね。要するに、始まって暴動が起きてから、はい、これはどうやって処罰するのということでは間に合わないわけですよ。
であるならば、今のうちにそれを、芽を摘むためにも、恐らくそれが分かっていれば、そもそも暴動にならないんですね。例えば、外国の国旗のこれも、実際、これがあるがゆえにほぼ起きていないわけですよ、その事案が。それは、だからまあ、抑止力という言葉が正しいかどうか分かりませんけど、こういったものがあってリスクマネジメントをすることで、そもそものものが大きな暴動につながらないということが、私はこの法律の一番の意味があると思っております。
15
寺田静(自民)
ありがとうございました。
次に、中央大学の橋本参考人にもお伺いしたいと思います。
ちょっと時間がなくなってきましたので端的にお伺いできればと思いますけれども、先ほども大変厳しい御意見を頂戴しておりますけれども、この著しく不快又は嫌悪の情という文言が、この刑罰法規に求められる明確性の原則というものを満たしていないという御指摘であったというふうに思います。
この法的な安定性のところについて疑義があるということかと思いますけれども、ここのところをいま一度御教示をいただければというふうに思います。
この発言のページ
16橋橋本基弘中央大学法学部教授
結局のところは、誰がどういうふうに感じるかというふうな問題ですよね。それはもう極めて内心的な感覚の問題ということになってくるわけです。
例えば、同じように、これについて立件しようと思う人というと、それがどういうふうに思えたのかということですから、例えばこれは、何というんですかね、面白いとか面白くないとかとまず同じレベルの問題ですね。それは、少なくとも誰かを犯罪者にするための要件にはならないんだということでしょうね、じゃないかと思います。
したがって、これは非常に主観的な要素、それまでの自分の人生観とか世界観とか、いろんな感覚というのがそこの背景にある…
この発言のページ
17
寺田静(自民)
ありがとうございました。
お二方のこの憲法上の疑義というところを一定程度私自身も理解しつつも、ただ、このリスクマネジメントという観点の必要性、私自身もアメリカに留学をしておりましたけれども、やはり今の社会の、アメリカの社会の分断というのは本当に見ておれないなというように思うところで、その必要性というところもあるのかなというようなところを思いながら皆様の御意見を聞かせていただいたところです。
本日の参考人の皆様からいただいた重い御指摘、論理的な検証の視点は、今後の参議院での慎重な検討、熟議の重要な指針になるものというふうに考えております。しっかりといた…
この発言のページ