今日は、時間の関係から、事前通告した質問一と二を合体させていただきます。済みませんね。同じこれ提案者に向けたものですから、合体しますね。
今、山添議員から言われたこの二つの保護法益、国家と個人の感情ですね、これが連動するから怖いんです。それが世界の事例なんですね。
続いて、世界の事例をちょっと、事例というのは、つまり、国旗損壊を特別視して厳罰に処すべきだというその意思が、意思が、凄惨なリンチや、個人レベルの、コミュニティーレベルの集団暴力を誘発する引き金となる、これの歴史であります。
現在、川口市、埼玉県の川口市周辺におけるクルド人問題ですね、刑法に国旗損壊罪がある本国のトルコでは、二〇〇五年にメルシン国旗事件と呼ばれるものが発生しまして、これはどういうものかというと、クルド人の子供が国旗を汚損したという報道を機に、一般市民が愛国的な自警行為と称してクルド人住民への凄惨な暴力、集団暴力をエスカレートさせた事件であります。実は、現在、川口市周辺に暮らすクルド人コミュニティーの多くは、まさにこの前後、この事件の前後の迫害から逃れるために日本へ逃れてきたという背景があります。
また、高市政権が、高市総理がきょうだいと呼び合うモディ政権、インドのですね、これ、インドは僕の研究者としてのフィールドですけれども、インドにも国旗損壊罪が存在いたします。モディ政権の後ろ盾はヒンドゥー至上主義勢力であります。ここでも、二〇〇二年にこのモディ政権が全国的な国旗キャンペーン、全ての家に国旗をという、こういうキャンペーンの最中に、南部のコラールというところで、これコラール国旗デマ襲撃事件というんですけれども、何とイスラム教徒の肉屋さんが国旗で肉を包んで客に渡したという偽の写真がSNSで拡散されました。これ、実際には、後で分かったんですけれども、単なる緑色の包装紙だったにもかかわらず、激高した数百人のヒンドゥー教徒が店に押し寄せ、凄惨なリンチを繰り広げました。
国家が国旗損壊を犯罪化することは、大衆に対しては危険な興奮剤を与え、リンチが愛国ゆえの法の正義にすり替わるリスク、これは歴史で実証されております。このリスクは、現代の安全保障における認知戦において更に最悪の形で顕在化すると思います。
特に懸念されるのが、敵対勢力、どことは申しません、敵対勢力が標的国内、我が国の分断をあおる偽旗作戦ですね。例えば、生成AIやディープフェイクを用いて、日本在住の特定グループが国旗を汚損する偽動画がSNSで拡散されたとします。デマによる混乱は、このような法案の、今議論している法案の有無にかかわらず起き得ます、はい、起き得ます。でも、こういう法案はこの混乱を劇的に悪化させると僕は思います。
こういう仕組みです。まず、国旗損壊を犯罪と定めることで、暴走する大衆に我々は国家の犯罪者を、国家の犯罪者を成敗しているのだというリンチへの強力な法的若しくは道徳的な免罪符を与えてしまう。次に、これが非親告罪であるため、偽動画であっても警察は捜査に動かざるを得ないですね。その警察の動き自体が、やはり犯人だったとデマを補強する燃料となり、更なる暴力を誘発する、こういう仕組みです。
つまり、この法律は、偽動画を一本流せば、日本の警察を強制的に動かし、自警団の暴力を国家公認の正義として合法的に誘発できるという、工作作戦にとってこれ以上ない、何といいますか、アタックサーフェスといいますが、付け入る隙であります、を我が国自ら提供することになりませんか。この法案が外国からの分断工作に悪用され、国内の治安を大混乱に陥れるトリガーになり得る、こういう安全保障上のリスク、提案者はこのリスクをどう考えていらっしゃいますか。どうぞ。
226
黒田征樹(維新)
今お答えありましたように、保護法益そのものが違いますのと、あとは、この法律につきましては、かなり抑制的に法案として構成させていただいておりますので、今言った事例そのものは今回の法案とは関係のない話かなというふうに理解しております。
この発言のページ
227
北村経夫(自民)
時間が来ておりますので、おまとめください。
この発言のページ
228
山添拓(共産)
はい。
時間ですので、終わりにいたします。
いろいろ伺いましたけれども、他国がこうだから日本もというのが出発点だったはずです。そこで他国の例を出したわけです。お答えいただきたかったと思いますし、私は、表現の自由、言論の自由を不快とか嫌悪の情を与えるからといって刑罰で禁じるのは民主主義とは相入れないと考えます。
以上、終わります。
この発言のページ
- (上の発言)
229
伊勢崎賢治(れいわ)
今日は、時間の関係から、事前通告した質問一と二を合体させていただきます。済みませんね。同じこれ提案者に向けたものですから、合体しますね。
今、山添議員から言われたこの二つの保護法益、国家と個人の感情ですね、これが連動するから怖いんです。それが世界の事例なんですね。
続いて、世界の事例をちょっと、事例というのは、つまり、国旗損壊を特別視して厳罰に処すべきだというその意思が、意思が、凄惨なリンチや、個人レベルの、コミュニティーレベルの集団暴力を誘発する引き金となる、これの歴史であります。
現在、川口市、埼玉県の川口市周辺におけるクルド人問題ですね、刑法に国旗損壊罪がある本国のトルコでは、二〇〇五年にメルシン国旗事件と呼ばれるものが発生しまして、これはどういうものかというと、クルド人の子供が国旗を汚損したという報道を機に、一般市民が愛国的な自警行為と称してクルド人住民への凄惨な暴力、集団暴力をエスカレートさせた事件であります。実は、現在、川口市周辺に暮らすクルド人コミュニティーの多くは、まさにこの前後、この事件の前後の迫害から逃れるために日本へ逃れてきたという背景があります。
また、高市政権が、高市総理がきょうだいと呼び合うモディ政権、インドのですね、これ、インドは僕の研究者としてのフィールドですけれども、インドにも国旗損壊罪が存在いたします。モディ政権の後ろ盾はヒンドゥー至上主義勢力であります。ここでも、二〇〇二年にこのモディ政権が全国的な国旗キャンペーン、全ての家に国旗をという、こういうキャンペーンの最中に、南部のコラールというところで、これコラール国旗デマ襲撃事件というんですけれども、何とイスラム教徒の肉屋さんが国旗で肉を包んで客に渡したという偽の写真がSNSで拡散されました。これ、実際には、後で分かったんですけれども、単なる緑色の包装紙だったにもかかわらず、激高した数百人のヒンドゥー教徒が店に押し寄せ、凄惨なリンチを繰り広げました。
国家が国旗損壊を犯罪化することは、大衆に対しては危険な興奮剤を与え、リンチが愛国ゆえの法の正義にすり替わるリスク、これは歴史で実証されております。このリスクは、現代の安全保障における認知戦において更に最悪の形で顕在化すると思います。
特に懸念されるのが、敵対勢力、どことは申しません、敵対勢力が標的国内、我が国の分断をあおる偽旗作戦ですね。例えば、生成AIやディープフェイクを用いて、日本在住の特定グループが国旗を汚損する偽動画がSNSで拡散されたとします。デマによる混乱は、このような法案の、今議論している法案の有無にかかわらず起き得ます、はい、起き得ます。でも、こういう法案はこの混乱を劇的に悪化させると僕は思います。
こういう仕組みです。まず、国旗損壊を犯罪と定めることで、暴走する大衆に我々は国家の犯罪者を、国家の犯罪者を成敗しているのだというリンチへの強力な法的若しくは道徳的な免罪符を与えてしまう。次に、これが非親告罪であるため、偽動画であっても警察は捜査に動かざるを得ないですね。その警察の動き自体が、やはり犯人だったとデマを補強する燃料となり、更なる暴力を誘発する、こういう仕組みです。
つまり、この法律は、偽動画を一本流せば、日本の警察を強制的に動かし、自警団の暴力を国家公認の正義として合法的に誘発できるという、工作作戦にとってこれ以上ない、何といいますか、アタックサーフェスといいますが、付け入る隙であります、を我が国自ら提供することになりませんか。この法案が外国からの分断工作に悪用され、国内の治安を大混乱に陥れるトリガーになり得る、こういう安全保障上のリスク、提案者はこのリスクをどう考えていらっしゃいますか。どうぞ。
230
長谷川淳二(自民)
伊勢崎委員にお答えいたします。通告の一、二をまとめてのお尋ねでございますので、少々長くなりますが、御答弁申し上げます。
まず、一つ目でございます。
国旗損壊等の行為を処罰することによる私刑、リンチや集団暴行を誘発するのではないかとのお尋ねでございます。
まず、前提といたしまして、本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護するために、まず、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う…
この発言のページ
231
伊勢崎賢治(れいわ)
繰り返して申し上げますけれども、動員とか、大衆の動員というのは、個人の感情の保護法益と国家の今言われたレベルの保護法益、これが連結しちゃうんです。そこが怖いんです。
それと、客観性、このディープフェイクの時代にこれを判断することは非常に難しくなるはずです、これからずっと、ですよね。それによって動員に拍車が掛かる、それに刑罰が加わるということは、それに対して免罪符を与えてしまう、より動員される、このリスクを僕は言っているわけです。まあいいです。続けますね。
我が国は、ここからちょっと専門的な、専門的な議論に入りますけれども、我が国は、表現の自由を保障す…
この発言のページ
232門門脇仁一外務省大臣官房参事官
お答え申し上げます。
委員御指摘のこの自由権規約委員会の一般的意見、これは、委員御案内のとおり、我が国に対して法的拘束力を有するものではなく、一般的な意見も踏まえてどのように自由権規約を実施していくかについては、各締約国において個別に判断されるものというふうに理解をしております。
その上で、一般的意見で表明されている委員御指摘の懸念については、これが具体的にいかなる行為を指しているのか明らかではないため、一概にお答えすることは困難と申し上げざるを得ません。
我が国としましては、いずれにしましても、引き続き、自由権規約を始めとする我が国が締結した人権…
この発言のページ