田上英樹地経学研究所主任客員研究員

2026年6月4日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 11 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 91 発言)

御質問ありがとうございます。

私は、企業が経済安全保障を積極的にやってくれるための方策として、二つ申したいと思います。

一つは、リスクを特定、限定することということになります。

経済安全保障と申しますと、もう本当にいろいろな幅の広いことがありまして、ちょっとコンセプト的には大体分かったけれども、具体的に何がどう自社のリスクなのかが分からないというのが対応が進まない一番の原因ではないかというふうに思っております。

いろいろなグローバリゼーションが終わったと、これもう完全にデカップリングに向かうんだというようなお話も多々ございますけれども、でもグローバリゼーションというのは実は、私自身は、終わったということではなくて常に続いていると。ただ、一部の機微なデュアルユースで使われてしまうようなものだけが制限が掛かっていると。そういうものを特定をして、自社がどこでどう関係しているかというのを洗い出した上で、私はこれ、論考などの中でクラウンジュエルというような言い方をしておりますけれども、自社の経済安全保障上のクラウンジュエルを探して特定をしまして、それを、サプライチェーンを上まで遡っていくということをする。こうすると、比較的やらなければならないことが限定されてくるということになると思います。これが一つの重要な点だと思います。

もう一つは、中長期で考えるということになります。

やはり今、足下ではもうからない、もうからないからやめてきたというのが民間企業の実態だと思います。ところが、もうからないけれども、もっと環境意識ですとか、いろいろな人権意識ですとか、そういうものが多少異なる国ではそれがどんどん行われてしまうと。それは、どんどん安価に出てくるものがグローバル市場を席巻してくるということになりますと、民間企業はもうからないからやめたということなんですね。なので、ある程度ここはやむを得ない部分というのが正直あると思います。しかしながら、そのまま続けていくと、結果的に、シェアを大きく取った国から、ないしは企業から自社のビジネスが圧迫されるという、中期、長期目線で見たら、自分にもそのいわゆる影響が甚大に及んでくるということがあると思っております。

したがいまして、リスクを特定、限定することと中長期視点で考えるということをお勧めしたいと考えております。

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