2026年5月19日・第221回国会 参議院 総務委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 150 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 161 発言)

本日もトリを務めます齊藤健一郎です。よろしくお願いいたします。

本日は、放送行政の根幹に関わる事象というところで、客観的なデータを事実関係に基づいて総務省に見解をお伺いしたいと思います。

まず、前提として、四月二十一日、この委員会で私が取り上げた、報道しない自由によって報道がゆがめられ、京都の事件、辺野古の事件、報道時間の差について違和感があるとお伝えしました。

そして、先日の五月十三日の決算委員会では、参政党の梅村みずほ議員も同じような質問をしております。そちらも少し引用させていただきます。

梅村議員の方から、重大事故、事故におけるメディアの報道しない自由、すなわち極端な偏在と特定の事案においてのみ当事者が匿名報道で守られる異常性について、NHK及び総務大臣に見解を問われました。この際、NHKの副会長、事案の背景や関係者の事情を総合的に検討して自主的に判断したと答弁されました。林総務大臣も、放送法にのっとり、事業者の自主自律の下で行われるべきと答弁をされました。

これ、つまり、報道の量や手法の極端な差異、外部からの圧力ではなく、あくまでも放送事業者側の自主自律による結果であるというのが政府の公式見解であると認識をしております。

本日、この自主自律という名目の下で実態として何が行われているのかを客観的事実を提示し、現在の放送行政と電波制度の合理性をちょっと問うていきます。

そして、皆様にお配りしましたお手元にある資料、こちらの方なんですけれども、今から出す数字の根拠になっております。こちら、国会図書館の調査室の方で調べていただきました。明確な数字というわけではないんですけれども、あくまでも報道された時間、これトップテンのランキング、週間ランキングですね、それを基に集計したものというところで、一つの参考にしていただきたいなと思っております。

事故、四つの事例を挙げます。二〇二二年、これ海難事故の一つですね、知床沖の観光船の沈没事故、この報道時間がランキングを足すと四十時間五十分十秒です。二〇二六年三月の京都府男児遺棄事件、こちらに関しては三十八時間五十分十九秒。そして、今月ありました、二〇二六年、磐越道のバス事故、こちらは五時間四十八分二十六秒です。これは五月六日から九日までの四日間の集計だけです、これ四日間だけです。そして、二〇二六年三月、これが辺野古沖の海難事故です。抗議船の転覆のこの事故というところなんですけど、これが五月九日の集計まで四時間四十七分四十二秒というところで、私の感じた違和感というのがまさにこれで数字として明確になりました。

これらの事故は全て、未来ある学生や子供が犠牲になり、安全管理のずさんさが問われている重大な事案です。辺野古沖の事故のみ極端に報道時間が短いという客観的数字が明確になりました。磐越道のバス事故に至っては、発生から四日間の集計にもかかわらず、既に辺野古事故の報道時間を上回っています。

さらに、報道手法においても明確な差異が確認されます。磐越道の事故では、発生直後から、運転手の実名、経歴が報じられ、学校側も含めた批判的な検証が行われています。一方、辺野古の事故では、無登録や無保険による違法運航の疑いが指摘されているにもかかわらず、船長や運航責任者の実名報道は控えられ、運航団体に対する踏み込んだ検証報道は確認されておりません。これを先ほどの決算委員会での梅村みずほ議員の答弁に当てはめれば、放送事業者が総合的に検討し、自主自律的に辺野古の事故の報道時間を極端に削り、実名を伏せる判断をしたということになります。

では、なぜ放送事業者は自主的にそのような不自然な判断を下すのか。その判断の背景に存在する一つの客観的な事実関係を指摘いたします。

民放各局の労働組合が加盟する民放労連、辺野古基地建設に反対する辺野古基金、その協賛団体として名を連ねています。そして、この辺野古基金は、今回死亡事故を起こした船の運航団体であるヘリ基地反対協議会に対し、二〇一五年の段階で一千万円という規模の活動資金を提供している事実が公開されています。すなわち、放送局内で番組制作に関わる労働組合、死亡事故を起こした当事者団体の間に特定の基金を経由した思想的、資金的なつながりが存在しているということです。

この客観的なつながりがある状況下で、当該事故に関する報道量が極端に少なく、実名報道や検証が抑制されている。これを一般社会のガバナンスの基準に照らし合わせれば、自主自律などではなく、明確な利益相反構造による身内のかばい合いと評価される事案ではないでしょうか。

ここで、総務省の情報流通局長にお伺いいたします。

放送法第四条、政治的に公平であること、事実を曲げないことが規定されています。

先日の決算委員会においては、総務省は、事業者の自主自律を尊重する旨の答弁を行いました。個別の番組編集についての論評を控えるという行政の立場は理解をしております。その上で、放送行政を所管する責任者として一般論の見解を求めます。

放送事業者の労働組合と資金的、思想的つながりある団体の不祥事において報道が抑制される構造、客観的に存在した場合、それでもなお当該事業者の判断は放送法が想定する公平性を担保した自主自律であると総務省は認定し続けるのでしょうか。資金的つながりによる報道のゆがみすらも自主自律の範囲内として許容するのか、現在の放送法第四条の解釈なのか、答弁を求めます。

前後のやりとり

146の発言を見る

154の発言を見る