ラサール石井 (社会民主党)

2026年5月28日・第221回国会 参議院 財政金融委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 152 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 161 発言)

社会民主党、ラサール石井です。

会派を代表し、外為法改定案に反対の立場から討論を申し上げます。

社民党は、従来、外為法の改定には一定の理解を持っており、二〇一七年、二〇一九年、二〇二二年の改定については賛成の立場を示しました。

しかしながら、今般の改定案は、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期すという本法の本旨を大きく変えるものだと考えています。

本改定案の柱とされている日本版CFIUSの設置は、自民・維新連立合意の人口政策及び外国人政策の項に書き込まれたものです。外為法の性質を考えると経済安全保障政策に含められるべきものをあえて外国人政策の項に含めたことは、外国人の経済活動は本質的に我が国の安全保障を脅かすものとして規制されるべきだという誤った認識を広めるものであり、排外主義を助長するのではないかと危惧しています。

財務省が作成した資料を見れば、今般の法改定によって、財務省と国家安全保障局、NSSとが共同議長を務める新組織が立ち上げられるような印象を受けますが、日本版CFIUSは、設置の根拠として挙げられる改定案第六十九条の四は、あくまで外為法に基づく審査を行う行政機関とその他関係行政機関との意見交換を定めたものであり、日本版CFIUSなる新組織をつくるための法的根拠になるとは到底言えません。

米国のCFIUSは、国防生産法において、その構成員等を定めた上で設置されています。米国CFIUS類似の組織をつくるのであれば、せめてその組織の構成や権限はきちんと法律で規定すべきです。

対内外国投資の審査が極めて恣意的になることは、まさに米国CFIUSによって示されています。米国CFIUSが設立された一九七五年以降現在に至るまで、対米投資差止めを行った十一件のうち、日本製鉄によるUSスチールの買収以外は全て中国に関する案件です。特定の国を狙い撃ちにするものではないという建前があっても、外国投資の審査が時の国家間対立に左右され、むしろ対立をあおることにつながるということを米国の先例が示しています。

今国会では、国家情報会議設置法案が成立し、内閣情報調査室が国家情報局に格上げされることになりました。財務省の資料では、日本版CFIUSとインテリジェンス部局との連携の在り方を検討するとされていますから、新設される国家情報局が、日本版CFIUSの求めに応じ、外国と経済的な関係のある人物に関する情報を広範に収集することになることを大変危惧しております。

自由貿易は戦争をなくすための最も有効な手段であるという言葉もあります。平和憲法を持つ我が国こそ経済分野にまで政治的な対立を持ち込むべきではない、経済的な関係を深める中で政治的対立を解消することこそ我が国に求められていると強調し、私の討論といたします。

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