諸富徹京都大学公共政策大学院院長

2026年5月20日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 36 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 94 発言)

そうですね、社会保険と税が近づいてきたことの一つの原因は、社会保障制度のこの間の改革があって、純然たる社会保険システム、ビスマルクモデルとも言われる保険料と保険だけで仕組みを動かしてきたところから、だんだんと、何というんですかね、広井先生、私のかつての同僚であって、かつて厚生官僚でもいらっしゃった広井良典さんが議論されていたんですけど、だんだんと日本の社会保障システムは普遍的なものに変わってきた。つまり、保険に入った人だけじゃなくて、保険に入れない人をなるべく回避する、なるべく多くの人を保険の中に入れるために、公費を入れることによって社会保険料の負担を抑えたり、例えば年金の場合は、基礎年金は半分は消費税、かつて三分の一だったのを二分の一まで引き上げてきたりとか。それから、医療保険においても、例えば協会けんぽとか国保に対しては公費をやっぱり投入していたりとかいうことによって、保険間の格差をなるべく抑えていこうという。

日本のこの社会保険システム、実は純然たる社会保険モデルではなくて、皆保険もそうですね、半々ですよね、半分公費を入れることによって、保険料の弊害と言ったらちょっと言い過ぎなんですけれども、ぎりぎり五〇%は保険料で収入を保つことによって辛うじて保険システムとしての形を取りながら、でも、保険だけに依拠した場合の様々な課題を避けるために半分公費を入れると。しかも、市町村間、保険者たる市町村間で財政力の格差があるので、それをならすためのその調整交付金まで入れているという、非常に何か微に入り細をうがったよくできた仕組みだというふうには思っています。

こういった皆保険、あるいはできる限り多くの人に恩恵が行き渡るような普遍的な仕組みを目指したがゆえに、税金が補完的に入れられざるを得なかったというふうに私は理解をしております。

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