庭田幸恵 (国民民主党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 19 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

ありがとうございます。国民民主党・新緑風会の庭田幸恵と申します。

本調査会では、欧州安全保障、民主主義の変容、国際秩序の変化などについて、有識者の皆様から大変貴重なお話を伺いました。私自身、世界各地を訪れてきた経験を踏まえ、本日は一つの視点を申し上げたいと思います。

それは、日本は世界に何を提供する国でありたいのかという問いでございます。どの参考人からもございましたけれども、現在世界は大きな転換点にあります。ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の不安定化、そして米中の対立、民主主義そのものへの不信が深まっております。国際社会は分断と不確実性の時代に入っています。その中で、日本も防衛力強化や経済安全保障を進めております。もちろん国家の安全保障は重要です。しかし、私は日本の役割はそれだけではないと考えています。日本には、軍事力や資源とは異なる強みがあると考えております。それは、災害対応、防災の技術、保健医療、教育、環境技術、そして地域社会の知恵でございます。

私は、イランのシラーズで地震を経験したことがあります。その際、どこに避難をすればいいのか、また何が起きているのか、地震に関する情報がほとんど届きませんでした。一方、日本では、地震発生直後から、テレビ、ラジオ、携帯電話、そして自治体、気象機関が連携し、国民へ地震情報を届けます。私たち日本人はこれが当たり前と思っていますが、これは世界的には極めて高度な社会システムだと思っています。

日本が世界に提供できる価値は、こうした人々の命と暮らしを守る仕組みではないでしょうか。また、今後の国際社会では、軍事力や経済力だけではなく、社会の分断を防ぐ力、地域社会を維持する力、そして人と人との信頼をつくる力がより重要になってくると思っています。人口減少、高齢化、災害、孤立、孤独、日本は多くの課題の先進国でもあります。だからこそ、日本がこれらの課題解決に挑戦すること自体が世界への貢献につながると考えております。

私は、日本が世界一強い国になる必要はないと思っております。しかし、世界で最も信頼される国になれると思っています。自由、民主主義、法の支配、そして今申し上げました防災、医療、教育、地域の共生、日本社会がこれまで長い時間を掛けて培ってきた経験そのものが世界への貢献になり得ます。国際的秩序が揺らぐ今だからこそ、日本は、何を持つ国かではなく、何を与える国であるのかが問われていると感じます。

老子の言葉ではございますが、上善水のごとし、最も優れたものは水のようである。水は争わず、全ての人を潤します。私たちが住むこの日本は、力で押し付ける国ではなく、上善は水のごとしの精神で、防災、医療、教育、人づくりを通じて世界を支える国でありたいと考えました。その議論を引き続き深めていく必要があることを申し上げ、私の意見といたします。

ありがとうございました。

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