2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 17 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

沖縄の風、高良沙哉です。

参考人の方々や他の委員の皆様の知見、視点に学び、日本の役割、外交の方向性について考える機会を得られ、大変有り難く感じています。

現下の国際情勢が米軍基地を多く抱える沖縄にどのような影響を及ぼすのか、国際社会の平和に向けた日本の役割を中心的関心として質疑を行いました。

第一回調査会では、アメリカの動向に関連した知見が得られました。

アメリカが自国第一主義に強力にシフトしていく中で、従来のリベラルな国際秩序が大きく揺らいでいる状況、在日米軍の派遣について参考人から、米軍は日本の領海を出た後に任務を受けることから日米の事前協議の対象とはなってこなかった実態が述べられました。これは、今般の在日米軍基地からのイラン派遣について、米軍の運用上の都合により、米軍の部隊を他の地域に移動させることは事前協議の対象とはならないという外務省の見解と合致します。

核の拡大について、各国における核保有数や種類、使用法等の新しい状況を認識した上で、各国との信頼関係の構築が必要であるものの、唯一の戦争被爆国でありながらアメリカの核の傘の下にある日本の立場の難しさがあることも突き付けられました。

アジア太平洋の中で日本が中心となってリベラルな秩序をつくるためには、アメリカ一辺倒の日本の安全保障体制の再編、アジア諸国との平和友好的な関係の構築が不可欠だと考えます。

第二回においては、イラン情勢の複雑な背景や現状について御教示いただきました。

現状、アメリカでは、ガソリン価格の高騰により国内世論の反発が強まっているものの、名誉ある撤退を望むトランプ政権とイスラム体制を維持したいイラン側のメンツという折り合いを付けにくい状況から、停戦合意の難しさを理解することができました。

また、在日米軍基地から米軍が派遣されているため、論理的には在日米軍基地が反撃を受けることも考えられるとの指摘がありました。しかし、イランと日本との物理的距離、イラン政府と日本政府とのこれまでの信頼関係から、その可能性は低いとのことでした。国際法に違反するアメリカのイラン攻撃に対し、イランからの信頼を損なわない努力、日本の立場の表明が必要です。

第三回は、東アジアに関する調査でした。

高市総理の台湾有事は存立危機事態になり得る発言を契機として対中国関係が冷え込んでおり、既に様々なレベルで両国の意思疎通が困難な段階になっていると指摘されました。本件は、中国最高指導部が直接主導する深刻な事態となっており、日本の最高指導部からの日本の立場を踏まえた働きかけが必須、経済や軍事的緊張等の影響を考えれば、総理自らが中国に働きかけることが不可欠です。その際には、日中間の平和友好条約等、これまでの外交努力に基づいた対応が求められるのではないかと考えます。

また、朝鮮との間の交渉は途絶えているものの、過去の経緯を踏まえ、日本政府が話合いの姿勢を示すことで機会が得られるのではないかとの提起もありました。拉致問題解決や関係正常化についても、日本側が覚悟を持って真剣に交渉することで前に進む可能性があることが示されました。朝鮮戦争の終結後には、朝鮮との国交正常化も現実的課題となります。対話的姿勢、理解し合おうとする働きかけが求められます。

第四回は、欧州が直面する課題が取り上げられました。

その中で私が最も注目したのは、オランダ・スリナム関係を修復する一歩としての植民地支配、奴隷制に対する国王の謝罪でした。オランダ国王の謝罪が法的な意味を含まないものであったとしても、相手の文化を尊重し、対話と合意形成が誠実になされることによって得られる成果があると理解をしました。東アジアの平和を築くには、日本も植民地支配の清算という課題に向き合うことが求められます。

また、ロシア・ウクライナ戦争におけるドンバスの帰属については、長い歴史的経緯があり、決着は容易ではありません。ドンバスの文化、言語や宗教などから、いかに意思を反映させるか、合意形成の過程が重要ではないでしょうか。

どの課題も多面的要素があり、それぞれ歴史的背景、尊重すべき事柄があります。真摯な対話と理解、信頼関係を醸成する努力によって平和を構築するのが憲法の要求であり、国際社会において日本に課せられている役割ではないかと考えます。

以上、申し上げます。ありがとうございました。

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