水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 26 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

御質問ありがとうございます。

ちょっと多岐にわたるお話なので、まずちょっと国際的な方から行きますと、先ほど申したように、EUは、上からの統合をかなり進めてしまったために、そこで不協和音が生じて、ブレグジットも生じてしまったわけですね。

他方、東南アジア諸国連合の場合、みんなが一致することをやっているわけですので、ブレグジットに当たるような離脱というものが起こるということもなかなか考えにくい。つい最近は東ティモールも加盟しているので、むしろ増えていくわけですね。六者協議ともちろんレベルは違いますけれども、東アジアにおいても何らかのやはり国際的な枠組み、少なくともダイアログの場合必要だろうと思っておりますし、そこで、例えばEUモデルという上からの統合のようなものではなくて、まさに全会一致といいますか、少なくともお互いが下から納得できるような枠組みを東アジアでつくっていくことができれば、それは、東南アジアの統合、ヨーロッパの統合を見ながら学んでいく一つの日本の在り方あるんじゃないかというふうな抽象的なことは考えてはおります。

それからもう一つ、地方と都市の関係をおっしゃっておりましたが、実はこれは確かにヨーロッパではかなり深刻な問題で、ロンドンやパリやその他大都市圏には富も人も情報も集まるのに、地方はかなり疲弊している。ブレグジットの場合も、ブレグジットを支持した一つの有力な基盤は廃れた地方ということはあったわけですね。

まさにこれは日本においても人ごとではないと思います。御承知のとおり、首都圏の一種の独り勝ち状態が続いており、地方からは、まさに人も、人材も情報も全て首都圏やあるいは大都市圏に集まっていくということがある。その中で、いかに新しく地方と都市の間で公正な関係を確保していくかというのは、これを本気で考えないとナショナルな一体性を保つ国としての体裁が取れなくなるおそれだってあるかなと思っております。

そういった点でいいますと、例えば、私が専門としているオランダは、比較的といいますか、かなり地方分権が進んでいる面もあって、一つの都市に集中するというよりも、多極的な中心を持っている形で繁栄、何といいますか、国としての繁栄を成功させているところがあり、例えば首都から一番、かなり遠い南の方がまだ今経済的な中心になっているみたいなこともありますので、いかに日本においても多極的な中核を設けて、それぞれの地方がそれぞれで繁栄できるような仕組みをつくっておかないと、すごくいびつなことになってしまうだろうと思っております。

いろいろほかに学ぶことはありますが、私としては、取りあえず、まずこの二点をお話しさせていただきます。

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