宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長

2026年5月13日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 19 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

私は、中国は、中国国民に対するいろんなそのアプローチといいますか、我々の声を中国にいる国民に届けようと思っても、その中間は全部向こうの人たちが牛耳っていますので、大使館で一生懸命に努力しても届かないんです。

したがって、もう私はほぼ諦めかけて、中国国民に影響を及ぼすことはもうできないなと、幾ら声を出しても届かないんですから。諦めかけたところに訪日観光客の問題が起こったわけです。これであっという間に一千万という数の人が来られて、中国の人はみんなウイチャットやっていますので、大体一人五十人ぐらい持っていますよ。一千万人の人が来られたら五億人ですよ、五億人につながるんですね。みんな自分の書いたやつ、写真撮って、こうだこうだとコメントして、それで日本のことがどんどんどんどん中国社会に入っていって、あっという間に想像を超えた割合で中国の人の対日理解というのが進んだんですね。ですから、直接交流というか、観光客でさえこれだけ大きな役割を果たすことができたということで、私は国民同士の交流で両国関係を変える力を持ち得るとそのとき感じたんです。ですから、今我々が考えるべきは、いかにして国民同士の交流を考えるか。

これはもう昔から言われておりますけれども、ドイツとフランスはあれだけ長いこと、何回も何回も戦争をしましたでしょう。本当に嫌になるぐらい戦争していますよ。もう日中なんか比じゃないぐらいの、何回も何回もドイツとフランスは戦争をして、そしてついに、今回、もう永久に和解をしようということでいろんな合意がドイツとフランスの間にでき上がって、その中の一つが中学生とか高校生の中の相互ホームステイなんですね。だから、フランスの子はドイツに行き、ドイツの子はフランスに来て、そしてもう本当に学校の教育の中に入っていて、それがそのドイツとフランスのいわゆる国民同士の和解に大きな役割を果たしたということを聞いております。

先ほどの話にちょっと戻りますと、今はそういうふうに閉めていますが、しかし、私は未来永劫、中国が社会を閉めたままだとは思っておりません。必ずまた開くときが来るというふうに思っておりますので。だって、そういうときに若者同士の交流も含めてもっともっと我々努力すれば、国民同士の中の相手に対する温かい気持ちは植え付けることができるというふうに強く思っておりますし、これが最後、最後のとりでといいますか、国同士の、国民同士がそういうふうに思えば国同士の動きも止めることができるというふうに最近は思っております。

以上です。

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