台湾問題はですね、一にかかって中国の内政問題です。
私は、一九九〇年代の終わり頃、江沢民さんの時代に北京に勤務いたしておりました。あのときに李登輝さんの総統再選の問題があって、江沢民の中国はミサイルの演習等をやって台湾に対して圧力を掛けました。それに対して、クリントン大統領が空母二隻を台湾海峡を通して、そういうことは許さないぞという実力を誇示したわけですね。
それ以来、中国はアメリカを寄せないという軍事力の増強に邁進するわけですが、あの段階でも、もし台湾が独立を宣言して、私どもは中国でみんなと議論していましたけれども、江沢民さんに、あのときにはもう明々白々中国負けるんですよ、しかしながら、江沢民さんに台湾に武力攻撃を仕掛けないという選択肢はないというみんなの結論なんです。
台湾が独立をやろうとしているときに、何もせずにじっと見ている中国の指導者として歴史に記載されるのか、アメリカと負けても攻撃をした指導者として記載、残されるのかといったときに、みんな後者を選ぶであろうと。すなわち、台湾問題はですね、軍事力がここまで来たから行く、ここまで下がったから落ちるという、そういう性質の問題ではないということです。
したがって、台湾の人も大陸からすると、あれは中国の人なんですね。したがって、同じ人たちに武力攻撃をして、そこで大きな損害が生じるわけですから、そのときは、中国の中で通る大義名分、中国の当局と国民との間で通る大義名分がないと、私は、中国の内政としては、そこで決着をしないだろうというふうに思っております。すなわち、指導者の都合、指導者が歴史に名を残す、そのために今、台湾を攻めるのだというふうに思ったとしても、一般の国民の人たちがそう思っていなければ、それに対しては反対、反発が生じ得るということです。
いやいや、習近平さんはそれだけの力を持っているから、それぐらい押し切ってやれるだろうということですが、しかし、民の声というのは、私は想像以上に中国では効いているというふうに思っていますし、それから、その結果、経済に響いてくるんですね。台湾を侵攻して、それはもういろんなシナリオがありますから、ほとんど中国が傷つかずに台湾を屈服させることができるというシナリオもあるやに聞いておりますけれども、しかし、普通の想定は、お互いに経済に対しては大変な打撃を与えるわけです。
そうすると、中国の今の国内の経済状況で、したがって、国民にどういう影響を及ぼすかということを考えていきますと、そのときには、国民が、自分は台湾の解放なんて望んでもいなかったと、あなた、自分の都合でそういうことをやっていった結果、我々はこの結果、こういうことですかということになると、不満がたまってくるということなんです。ですから、今の中国の社会は、習近平政権が完全にもう隅々まで抑え込んで自分の思うとおりに牛耳られるような、そういう社会の体制ではないというのが私の認識です。
そうすると、国民の反応というのは非常に気になる状況になっていて、国民の反応は、国民が納得する大義名分がない限り、台湾に対する出動ということについては納得しないであろうと、やっぱり内政のロジックが大きいのかなというのが私の現時点の判断であります。
5和和田春樹東京大学名誉教授
それでは、お話しさせていただきます。
今日のウクライナは明日の東アジアかもしれないという岸田文雄首相の言葉は広く各方面に影響を与えたようです。しかし、私は、これは日本国の首相の言葉としては適切ではないと思いました。ソ連という大国を構成しているロシアとウクライナ、構成していたロシアとウクライナの間で始まった兄弟殺しの戦争ですから、戦争をその地域に封じ込め、速やかに停止させ、戦火がよその地域へ、私たちの地域へ拡大するのを防ぐことが必要です。
一九四一年六月、ドイツがソ連に侵攻したとき、ソ連の極東地方は直前に結ばれた日ソ中立条約で平和が保障されていました。…
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鈴木宗男(自民)
ありがとうございました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑は答弁時間を含め、お一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑をお受けします。
原田秀一君。
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7原原田秀一(国民)
国民民主党・新緑風会の原田秀一です。
参考人の先生方、本日は貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、宮本参考人にお伺いさせていただきます。
東アジアにおいて、日米中の軍事バランスが構造的に変化し、かつ米国の関与の予見可能性が低下しています。また、台湾有事に関する高市総理の発言が中国に誤ったメッセージを与えています。こうした中で、我が国は現状をどう捉え、どのような行動指針を持つべきかについて質問をさせていただきます。
まず、宮本参考人は、中国が武力行使を踏み切るのは台湾が独立へ動くときであるという見解を示されていると理解してお…
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- (上の発言)
8宮宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長
台湾問題はですね、一にかかって中国の内政問題です。
私は、一九九〇年代の終わり頃、江沢民さんの時代に北京に勤務いたしておりました。あのときに李登輝さんの総統再選の問題があって、江沢民の中国はミサイルの演習等をやって台湾に対して圧力を掛けました。それに対して、クリントン大統領が空母二隻を台湾海峡を通して、そういうことは許さないぞという実力を誇示したわけですね。
それ以来、中国はアメリカを寄せないという軍事力の増強に邁進するわけですが、あの段階でも、もし台湾が独立を宣言して、私どもは中国でみんなと議論していましたけれども、江沢民さんに、あのときにはもう明々白々中国負けるんですよ、しかしながら、江沢民さんに台湾に武力攻撃を仕掛けないという選択肢はないというみんなの結論なんです。
台湾が独立をやろうとしているときに、何もせずにじっと見ている中国の指導者として歴史に記載されるのか、アメリカと負けても攻撃をした指導者として記載、残されるのかといったときに、みんな後者を選ぶであろうと。すなわち、台湾問題はですね、軍事力がここまで来たから行く、ここまで下がったから落ちるという、そういう性質の問題ではないということです。
したがって、台湾の人も大陸からすると、あれは中国の人なんですね。したがって、同じ人たちに武力攻撃をして、そこで大きな損害が生じるわけですから、そのときは、中国の中で通る大義名分、中国の当局と国民との間で通る大義名分がないと、私は、中国の内政としては、そこで決着をしないだろうというふうに思っております。すなわち、指導者の都合、指導者が歴史に名を残す、そのために今、台湾を攻めるのだというふうに思ったとしても、一般の国民の人たちがそう思っていなければ、それに対しては反対、反発が生じ得るということです。
いやいや、習近平さんはそれだけの力を持っているから、それぐらい押し切ってやれるだろうということですが、しかし、民の声というのは、私は想像以上に中国では効いているというふうに思っていますし、それから、その結果、経済に響いてくるんですね。台湾を侵攻して、それはもういろんなシナリオがありますから、ほとんど中国が傷つかずに台湾を屈服させることができるというシナリオもあるやに聞いておりますけれども、しかし、普通の想定は、お互いに経済に対しては大変な打撃を与えるわけです。
そうすると、中国の今の国内の経済状況で、したがって、国民にどういう影響を及ぼすかということを考えていきますと、そのときには、国民が、自分は台湾の解放なんて望んでもいなかったと、あなた、自分の都合でそういうことをやっていった結果、我々はこの結果、こういうことですかということになると、不満がたまってくるということなんです。ですから、今の中国の社会は、習近平政権が完全にもう隅々まで抑え込んで自分の思うとおりに牛耳られるような、そういう社会の体制ではないというのが私の認識です。
そうすると、国民の反応というのは非常に気になる状況になっていて、国民の反応は、国民が納得する大義名分がない限り、台湾に対する出動ということについては納得しないであろうと、やっぱり内政のロジックが大きいのかなというのが私の現時点の判断であります。
9原原田秀一(国民)
ありがとうございます。
続きましても、宮本参考人にお伺いします。
日中の対峙を前提として軍事バランスの破綻を防ぐことも大事ですが、東アジアの安定のためには、日中が友好的な関係を深めていくことこそが究極的には双方の国益にかなうと私は考えています。
我が国の安全保障は、引き続き日米同盟基軸でなければならないとは思いますが、単純に米国の関与が弱まる部分を日本が肩代わりして中国と対峙すべきかといえば、それは少し違うのではないかと考えております。
しかし、台湾問題を別としても、先ほどお話ししていただきましたように、尖閣問題を始め、日中は東シナ海で対立を抱え…
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10宮宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長
鈴木議長ですか、も懐かしく思い出されると思うんですが、米ソ冷戦の頃ですね、我々は、ソ連は日本にとっての軍事的脅威かどうかということを議論いたしました。そのときの日本政府の公式の答弁は、脅威は能力と意思が合致して現実化すると。ソ連に能力はあるが、意思はないのでソ連は脅威ではないというふうに日本政府は結論を出したわけです。その意思に関わる部分、これ実は外交なわけですね。どういう外交関係を持つかということで、この意思に影響を及ぼすことができるわけです。
したがって、単にその軍事力をどうするかというだけではない、外交関係も含めた中国との関係構築というのが非常に…
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11原原田秀一(国民)
ありがとうございました。
時間参りましたので、終了させていただきます。
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