宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長

2026年5月13日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 10 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

鈴木議長ですか、も懐かしく思い出されると思うんですが、米ソ冷戦の頃ですね、我々は、ソ連は日本にとっての軍事的脅威かどうかということを議論いたしました。そのときの日本政府の公式の答弁は、脅威は能力と意思が合致して現実化すると。ソ連に能力はあるが、意思はないのでソ連は脅威ではないというふうに日本政府は結論を出したわけです。その意思に関わる部分、これ実は外交なわけですね。どういう外交関係を持つかということで、この意思に影響を及ぼすことができるわけです。

したがって、単にその軍事力をどうするかというだけではない、外交関係も含めた中国との関係構築というのが非常に必要になってくるというふうに思います。そのためには、日本も中国も中長期的、とりわけ長期的な広い視野から、何が自分たちにとっての一番の国益なのかということを考えてもらいたいと私思っているわけです。そうすると、日本にとっても中国にとっても、この地域に平和と安定を確保して、経済の持続的発展を実現して、もって国民の幸せ追求を可能にすると。これが中国にとっても日本にとってもベストじゃないでしょうか。

そうすると、両国の政府は、これを最終目標として、それを実現するためにどうしたらいいかということを考えていく。今、軍事力の問題が対峙しているんだったら、それを、そういう目標のためにどういうふうにしてその対立の関係を、じゃ、弱くすることができるかと考えていくということだと思うんです。

私は、二〇〇八年、福田総理と胡錦濤主席の間で署名もされました日中共同声明、そこにおいて戦略的互恵関係というのが明白に両国政府の約束として書き込まれたんですね、そのときに北京におりましたけれども。それはまさに、そういう中長期的な両国の国家利益、それを実現していく、そのためには国際場裏で協力しなきゃいけない。すなわち、国際関係も含めたそういう環境をつくらない限り、戦略的互恵関係が実現しない。両国のために、世界のためにも踏み出していって、世界のためにそういう関係をつくるんだと。いわゆる国際秩序をいかにして守っていくかということも含めた、そういう日中関係にしようという理念の表れだったわけです。

是非、今日も、それをもう一回思い出して、もう両国政府はずっと戦略的互恵関係と言い続けておりますので、その中身をそれに合ったものに充実させていただきたいと強く思います。

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