天畠大輔 (れいわ新選組)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 142 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 151 発言)

生命倫理に抜け道は許されません。代読をお願いします。

私は、れいわ新選組を代表し、ただいま議題となりましたヒトゲノム編集胚等取扱い規制法案に反対の立場から討論を行います。

私たちは、ヒトゲノム編集ベビーを法的に禁止するという本法案の趣旨には賛同しています。また、難病の治療や生殖補助医療を必要とする方々の願いを否定するものでもありません。しかし、人間の尊厳に関わる生命倫理のルールを行政の裁量に委ねるべきではありません。本法案はその点で不十分であるため、反対いたします。

二〇一八年、中国では、HIV感染を防ぐ目的で受精卵の遺伝子を改変し、ゲノム編集を受けた双子が誕生しました。安全性や倫理性が確立しないまま生殖利用に踏み切ったこの事例は、世界に大きな衝撃を与えました。

その背景には、罰則を伴う法律ではなく、指針や自主ルールに依存していたという制度的限界がありました。科学技術の進歩に対し、行政の指針だけでは生命倫理の暴走を防げないことは、歴史が示しています。それにもかかわらず、本法案が基礎研究の審査体制を法律ではなく行政の指針に多く委ねていることは、極めて深刻です。

政府は、実質的に厳格な事前審査を行う仕組みであると説明しました。それほど重要な審査であれば、第三者による事前審査の仕組みそのものを法律に明記すべきです。法改正を経ることなく行政判断で審査の在り方が緩和される余地を残すことは、中国の教訓を生かしていません。

第二の理由は、第三条ただし書の例外規定です。

現行指針で一律禁止されているヒト受精胚の動物胎内移植について、本法案は政令で定める要件次第で例外を認め得る曖昧な規定となっています。具体的な線引きを法案成立後の専門委員会に委ねることは、生命倫理の根幹を国会ではなく行政に委ねるものであり、到底容認できません。

一昨年の旧優生保護法違憲判決は、障害のある人の尊厳を否定してきた優生思想と日本社会が決別することを求めた歴史的判決でした。障害者権利条約が目指す誰もが共に生きられるインクルーシブ社会を築くためにも、一度道を誤れば取り返しの付かない生命倫理のルールは、当事者を含む多様な人々の参画の下、国会が責任を持って法律で定めるべきです。

以上の理由から、本法案は規制としてなお不十分であることを申し上げ、反対討論といたします。

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