木村英子 (れいわ新選組)

2026年6月11日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 122 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 133 発言)

れいわ新選組の木村英子です。

本法案は、独り暮らしの高齢者の増加や過疎地域の人口減少といった変化に対応するため、社会福祉法、介護保険法、障害者総合支援法など幾つかの法律を一つに束ねた改正案となっています。

本日は、その中でも十分な議論がなされたとは言い難い特定地域サービスについて質問します。

特定地域サービスは、人手が足りない中山間地域において、通常より緩い人員基準でも介護サービスを提供できるようにするために創設された新しいサービス類型です。具体的には、地域の実情に応じて、管理者の配置要件、専門職の常勤、専従要件、夜勤職員の配置要件などを緩和できるようになります。また、これまでの利用回数に応じた報酬に加え、月額の定額報酬など、包括的な報酬の仕組みを導入できるようになります。

今回の法改正では、この特定地域サービスを高齢福祉だけではなく障害福祉にも広げようとしています。しかし、介護保険法による高齢者の介護と障害者総合支援法による障害者の介護は、目的も制度の成り立ちも全く違います。介護保険は家族介護を前提として家族の負担を減らす制度設計となっているのに対して、障害福祉の重度訪問介護は、どんな重い障害や医療的ケアが必要であっても、地域で自立して暮らせる見守りを含めた長時間介護が認められています。そのため、重度訪問介護を利用して地域で生活している障害者が、六十五歳になった途端、介護保険に強制的に移行され、介護の時間数が減らされ、施設に入らざるを得ない状況があります。そのような中で、障害者団体の反対運動によって、平成十九年には自治体が認めれば六十五歳以降も障害福祉サービスを利用できるという課長通知が出されています。

また、資料一のとおり、介護保険では、老振七十六号によってサービス提供範囲に制限が設けられているため、利用者が来客にお茶を出したくても大掃除をしたくても断られてしまい、本人にとって必要な支援が受けられない状況があります。このことから、資料二のとおり、国は主管課長会議資料において、介護保険の運用を重度訪問介護には適用又は準用しないことを明確に示しています。

介護の必要な障害者にとって重度訪問介護は、地域で生きるために欠かせない制度となっています。障害者一人一人の必要な支援の内容も時間数も異なることから、高齢者介護と同じ発想で制度設計できるものではありません。

実際、社会保障審議会の障害者部会でも慎重な意見が相次ぎ、全国脊髄損傷者連合会の安藤委員は、重度訪問介護のようなサービスに月額定額の包括払いを導入することには疑問を示し、特別地域加算の拡充で対応すべきではないかと発言しています。また、日本医師会の江澤委員も、障害福祉サービスは介護保険と比べて提供体制が十分に整っておらず、同じ方策を導入するのは時期尚早であり、まずは実態を丁寧に分析するべきだと指摘しています。

こうした懸念が示されている中で、政府は介護保険分野で検討されてきた特定地域サービスの仕組みを障害福祉分野にも導入しようとしています。厚労省は高齢者介護と障害者介護の違いを踏まえた上で検討を行ってきたのでしょうか。大臣の見解を求めます。

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