岩本麻奈 (参政党)

2026年5月14日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 264 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 343 発言)

御答弁ありがとうございました。

日本の後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の別建ての制度として、公費、現役世代支援金、高齢者保険料で支えるという国際的にも割と特徴的な仕組みだと思っております。そのため、現役世代は自ら医療保険料を負担しながら、更に後期高齢者医療制度への支援金も担うという構造になっております。後期高齢者の公平な負担の実現というものは当然目指すべき方向だと思っております。

一方で、やはり、これ以上現役世代の負担を増やすべきではないと思っております。会議での答弁を受けますと、今回の制度改正というのは、現役世代の不安軽減策というよりは、高齢者間における能力の負担、能力の調整、すなわち高齢者内の再分配という性格が強いようにも見受けられます。

日本では、社会保険料を含む国民負担は重くなり続けた結果、現在の国民負担率は約五割に近づいております。また、国会でも度々指摘されているように、現行の後期高齢者医療制度の財源構築、すなわち、公費約五割、現役世代からの支援金約四割、高齢者保険料約一割というこの構造そのものについて今後どのように持続可能性を確保していくのかは極めて重要な課題であると考えます。

今回の金融所得勘案の導入についても、単なる制度の複雑化に終わるのではなく、現役世代の負担軽減や制度全体の持続可能性向上にどのようにつなげていくのか、その視点を政府は是非明確にしていきたいと思っております。現役世代の過度な負担増は可能な限り回避すべきだと申し上げ、次の質問に移らせていただきます。

次に、高額療養費制度と超高額薬剤時代の対応について伺います。

高額療養費制度は、単なる給付制度ではなく、国民にとって病気になっても人生が破綻しないという最後のセーフティーネットであるのは重々承知しております。

一方で、現在、レカネマブ、ドナネマブなど認知症治療薬を始め、約三億円するエレビジスや約一・七億円のゾルゲンスマなど、極めて高額な新薬が次々と登場しております。特に、認知症治療薬は一人当たり年間数百万円とも言われ、対象患者数も極めて多いという特徴があります。

薬剤費だけではありません。アミロイドPET、MRIによる安全性監視、専門医療体制、長期フォローアップなど、医療システム全体への影響も極めて大きいものです。

さらに、昨日、iPS細胞を用いた再生医療製品が公的医療保険の対象になるというニュースがございました。パーキンソン病に対する治療で、薬価は約五千五百万円とされております。これは、日本の医学、再生医療にとっては大きな前進であり、希望でもあります。

私自身、再生医療に関わる医療現場にも関わってまいりました。その中で、再生医療が患者さんにとってどれほど大きな希望になり得るのかを見てまいりました。一方で、その実施には、高度な技術、専門人材、厳格な管理体制、そして相応の費用が必要であることも現場で実感してまいりました。だからこそ、希望があるからこそ、その持続可能性という視点から制度設計を考えなければ、いずれ皆保険制度そのものが持続困難となる可能性もあります。

日本の公的医療保険制度は、一定の要件を満たして加入する方であれば広く支えられる制度です。今後、再生医療、遺伝子治療、ゲノム医療などが更に高度化していけば、今回の五千五百万、それが一億円、三億円、あるいは五億円規模の医療なども現実のものになっていく時代も入る、時代になっていくかと思います。

認知症やパーキンソン病は高齢者に多い疾患であり、今後、対象患者数も大きな規模となり得ます。その医療を支える財源の多くは、現役世代の保険料や税によって支えられております。つまり、医療技術の進歩は希望である一方で、その費用を誰がどのように支えるのかという問題を避けては通れません。だからこそ、限りある医療資源をどこまで、誰に、どのような基準で配分していくのか。先ほどから出ている持続可能性のことなんですけれども、これは今後の日本の公的医療制度にとって避けて通れない問いになっていくのではないかと思います。

そこで、大臣に伺います。

政府は、今後の超高額薬剤時代において、医療資源の配分をいかに適正化するおつもりか、具体的な判断基準についてお答えください。

前後のやりとり

260の発言を見る

268の発言を見る