片山大介 (日本維新の会)

2026年5月20日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 10 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 18 発言)

日本維新の会の片山大介です。

参議院議員選挙における一票の較差について、今国会で二度にわたり行われた参考人質疑なども踏まえつつ、我が会派の考え方を述べます。

一票の較差問題を解決すべく、平成二十七年に、平成二十七年の公職選挙法改正により合区制度が導入され、翌平成二十八年に最初の合区選挙が行われてから、今年でちょうど十年になります。

先月十五日の本審査会では、事務局から改めて、令和四年の参院選定数較差訴訟の最高裁判決に係る概要説明を伺いました。判決では、合区が導入されてから最大較差は三倍程度で推移してきたことから有意な拡大傾向にあるとは言えないとされたものの、投票価値の平等が憲法上の要請であることを考慮すると、較差の更なる是正を図ることは喫緊の課題と指摘されました。

他方、合区となった選挙区では投票率の低下や無効投票率の上昇が見られることから、有権者には都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するという考え方がなお強く、選挙に対する関心や投票行動に影響を与えていることがうかがわれること、そして、このような状況は、選挙制度の仕組みの更なる見直しに当たって、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆する指摘もありました。

判決から読み取れるのは、最高裁は、一票の較差の更なる是正とともに、合区の弊害の解消についても国会の対応を求めているということです。

この合区の問題点については、先月十五日と二十二日に行われた本審査会の参考人質疑でも複数の参考人から意見が述べられました。

このうち、徳島弁護士会合区問題PT座長・弁護士の志摩参考人からは、合区は、合区内有権者の選挙権の行使を制限するものであり、憲法の基本原理である国民主権に抵触し、公務員選定、罷免権を侵害するなど憲法違反の疑いがあること、そして、現在の合区制度は、ほかの四十三は都道府県別の選挙区とし、合区四県のみブロック選挙区を導入していると解釈でき、異なった複数の区割りで選挙区を設定することは、その両者が異質であり、国民代表の選出過程に弊害が生じている以上、国民主権の理念に反するとの指摘がなされました。

また、上智大学法学部教授の上田参考人からは、都道府県代表が基本的な考え方であるにもかかわらず、合区対象県については都道府県から選ばれておらず、整合性が取れていない、合区対象県の住民だけを不利に取り扱っているという二つの意味で不平等ではないかという見解も示されました。

我々日本維新の会としても、特定の地域だけに合区を余儀なくしている今の合区制度はあるべき姿ではないと考えています。しかしながら、憲法では参議院議員を三年ごとの半数改選と定めていることから、合区を解消すれば都道府県選挙区は各区に最低でも二人を定数として配分することになり、合区解消とともに投票価値の平等を実現するためには議員定数を増やさざるを得なくなります。

維新は、選挙制度を議論する上で、議員定数は削減すべきと考えています。人口減少の進む我が国において、人口の減り方は一様ではなく、減少スピードは地方の方が速くなっています。国立社会保障・人口問題研究所の二〇四五年の推計人口を基に試算すると、最も人口の少ないとされる山梨県選挙区と最も人口の多い東京都選挙区を比較した場合、一票の較差をなくすためには東京選挙区の定員を四十四人にする必要があり、一票の較差を二倍程度にするとしても二十二人にする必要があります。合区を解消した上で一票の較差を解消しようとすれば、議員定数を増やしていくほかないわけですが、人口減少が進み、財政状況も厳しい日本で、議員定数を増やすことはもちろん、維持し続けることも国民の理解は得られないと思います。

こうした中、これまで維新は、都道府県のアイデンティティーは重要でありつつも、議員数を増やさずに投票価値の平等を実現するという考えの下、都道府県選挙区をブロック制へ移行することを提案してきました。以前、我々が国会に提出した参議院選挙制度改革法案では、議員定数をおよそ一割削減して二百十八にした上で、選挙区を全国十一のブロックにするという内容で、法案を提出した当時の試算では、地域ブロック間の一票の較差は一・二倍以内に収められました。

もとより、合区を始めとする選挙制度の問題は、単に選挙制度をいじればよいというものではなく、統治機構の在り方全体の中で検討されるべきものであり、こうした趣旨については、先般の参考人質疑でも、上田参考人、また神戸大学大学院法学研究科教授の砂原参考人からも言及がありました。

維新が過去公表した憲法改正原案においては、地域主権の本旨を明確化するとともに、地方自治体の権限を強化するべく、道州と基礎自治体で構成される道州制を提唱しました。将来的には道州を基礎とした選挙区から議員を選ぶことも考えられ、道州制が導入されれば、有権者の意識も徐々に道州を単位とした代表を選出することになじんでくるのではないかとも考えています。

ただ、二年後に次の参議院選挙が迫っていること、そして、最高裁が指摘するように、現在の広域自治体である都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するという考え方が今なお有権者に根強いことは確かです。私自身、選挙区選出議員として日々有権者と接する中で、有権者がそのような意識を持っていることを実感します。そう考えると、将来的な道州制への移行という目標を堅持しつつ、まずは現行の地方自治制度の下、合区解消を議論する必要性の認識は共有いたします。

有権者が自分たちの代表を選ぶという意識を持って投票に臨むことは議会制民主主義にとって重要な問題であり、これが選挙制度によって妨げられているのであれば、国会は放置してはならないことだと思います。ただし、投票価値の平等の実現と議員定数の削減についても併せて議論していく必要があることも改めて主張したいと思います。

その上で、参議院の役割についても、現行制度で衆議院の機能と重複している部分は機能分担を明確化する必要があると考えています。

先般の参考人質疑では、砂原参考人からも、地方の知事を参議院の代表にするといったようなことは全くあり得る話との言及がありました。参議院の独自性を出すための、自治体の首長と参議院議員の兼職規定の廃止などの検討も併せて行っていく必要があると思います。衆議院とは異なる形で地域の意見を政策に反映させることを目指す、参議院が重要課題を深く継続的に議論する良識の府としての機能を充実させていくべきだと考えています。

最後に、本審査会の運営について意見を申し上げます。

以前も述べましたが、参議院の憲法審査会は、衆議院とは別に参議院なりの考えで審議を進めてきました。このことは否定されるものではなく、今国会では、まず一票の較差を議題として二週続けて審査会を開会するなど、精力的な取組も見られます。今後は、本日の議題の一票の較差、そして次回以降の議題として想定される緊急事態条項の議論を進めていければと考えています。それぞれ結論を出すべき時期を見据えたスケジュールを策定し、建設的な議論をしていく、そして条文起草委員会を設置して改正原案を得ていく、この流れを是非実現していきたいと思います。

そのことを申し上げ、私の意見とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

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