安達悠司 (参政党)

2026年5月20日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 12 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 18 発言)

参政党の安達悠司です。

二度の参考人質疑を行いましたが、参政党といたしましては、参議院の合区問題も占領下で作られた憲法に起因しており、そのような意味で、選挙制度も憲法とともに根本的に見直すべきだと考えています。ただし、今の選挙制度を続けていく中では、各都道府県一つの選挙区というのは大切なことであり、合区は解消すべきだと考えております。

合区制度は、平成二十七年の公職選挙法改正によって、翌年の参議院選挙から始まりました。背景には、一票の較差に基づき、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等に関する最高裁判決というのがあります。

平成八年の九月十一日、平成二十四年の十月十七日、平成二十六年の十一月二十六日の各最高裁大法廷判決では、選挙区ごとの有権者人口比率が、例えば平成二十四年であれば、最大五倍の較差が開いているのは、これは違憲の問題が生ずると、そういうふうな不平等状態だといたしましたが、ただ、国会の裁量権の限界を超えるとはせず、憲法違反とは認めていません。

しかし、この問題に対処するため、平成二十七年の公職選挙法改正で、徳島・高知、鳥取・島根を一つの選挙区、つまり合区にしまして、翌年から参議院選挙を行ってきました。しかし、自己の都道府県、自分が住んでいる都道府県から国会議員を出すことができないという県民の不公平感や、候補者も選挙運動が大変であるといった負担増や、合区対象県における投票率の低下と、こういった様々な問題が生じているということであります。

ただ、ここで、じゃ、なぜこの問題が生じているのかということなんですね。本当に、じゃ、合区を解消したらそれで問題が解決するかというと、ほかの委員の先生もおっしゃるように、また人口比率がどんどん変わっていきますので、結局イタチごっこになってしまって、一時的にびほうしても根本的な解決にはなりません。

じゃ、その合区問題の背景には何があるのかというと、これは人口減少ですね、地方の人口減少問題があります。例えば、これ平成二十八年から令和四年の六年間の選挙、参議院選挙の日の有権者の人口を見ますと、例えば最もこの議員一人当たりの有権者数の少ない福井県では六年間で二・二万人の減少、佐賀県で二・一万人の減少、また合区となった鳥取・島根、両方の都道府県で六年間で五・一万人の減少、徳島・高知で六・六万人の減少となっております。他方、この六年間で東京は三十万人の有権者の増加、そして神奈川県は十二万人の増加ということで、この六年間を取っても著しい人口の移動というのがあるわけですね。

これがなぜかといいますと、やはり少子化、それから都市への集中、都会への一極集中ということなんですが、また、この原因といたしまして、参政党としてはグローバリズムというものを、理由であろうと分析しております。グローバリズムというのは、情報や交通の発達によって富が一部の多国籍企業や富裕層に集中し、各国の市場やルールを変えてしまって、世界を動かしていく思想や運動のことです。

こういったグローバリズムが、具体的には市場開放とか、あるいは規制の緩和、新自由主義的なですね、そういった要求となって表れてきまして、国内においても、今までは地方でしっかりもうかっていたのが、海外企業などとの競争、例えば小さな本屋さんが大きな通販の本屋さんによって駆逐されていくとか、洋服のお店がなくなっていくとか、そういうふうな競争が起きまして、結局、投資が回収の見込まれるような一部の業種や地域に集中してしまい、地方から人や産業の移動がどんどん起きてしまうと、こういった現象が起きているというふうに考えております。

ですので、このグローバリズムによる人口減少や人口移動の問題に対して何らかの措置を講じなければ、この問題は憲法を変えるだけでは解決できないだろうと思っております。

また、このグローバリズムの問題に対して反対すると、こういった問題を取り上げる政党が余りない、なかったということで、選択肢がそもそもなかったということで投票率も下がってきているのではないかといった分析もあります。なので、一つはこのグローバリズムのお話をしました。

次に、占領下で作られた日本国憲法の問題にも触れたいと思います。

最高裁が日本国憲法の解釈によって一票の較差をなくそうとすればするほど、なかなか不都合な事態が起きていくと。つまり、合区をせざるを得ないといった状況が起きてしまいます。そうすると、県民感情などに反していくという矛盾が起きてくるわけですが、これはやはり元々をたどれば、参議院について、当初この憲法を作ったのは、GHQの草案に基づくものでして、これは参考人の方にもお聞きしましたが、国民の自由な意思で作られているというふうに言えず、きずがあると、制定過程にきずがあるというふうに上田参考人はおっしゃっていらっしゃいました。

この制定過程については、参議院についても、当初GHQは一院制、参議院をなくすといったことを要求していましたが、日本側が二院制にして参議院の設置を求め、またさらに、地域別又は職能別の選挙などの条文を提示いたしましたが、この地域別などの文言も削られてしまったといった経緯があります。ですので、この地域別選挙といった手掛かりが条文上なくなってしまったということも原因であります。

ですので、参政党としては、憲法を一から作り直す創憲を主張しております。これが、理由は先ほども述べましたように、今の日本国憲法は国民の自由な意思によって作られていません。民主主義や国民主権の要請から見ても非常に問題であります。

また、もう一つは、日本国憲法には、私たち日本人が大切だと思う、例えば都道府県の帰属意識とかアイデンティティー、国土や環境の保全と、こういった価値観が盛り込まれていないという大きな問題もあります。これは、日本国民固有の価値観がないという問題として次にお話ししていきます。

合区問題が生じましたのは、今、先ほど述べましたように、日本国憲法からGHQが地域別という言葉を削除したことに原因があります。しかし、問題はそれにもとどまらず、私たち日本人がよって立つ文化や伝統、歴史的価値、地域性、県民性、帰属意識、風土や自然、愛着といった概念が全く含まれておりません。日本国憲法は、私たちが日本人らしく生きることが禁止されているんじゃないかというふうなことを言う人もいるほどです。

それほどグローバルな、普遍的な規定が多いわけですが、他方で、固有性や特殊性を持った規定が少ないと言うことができます。これは占領下で外国が草案作成に関与したからであって、日本的な価値観が当時としては取り入れられておらず、一人一票など抽象論に偏りがちになってしまいました。

もちろん、外国の憲法にも抽象的な規定は多いんですけど、例えば歴史的な規定は各国にありますし、文化財の保護、イタリアにはありますし、例えばポーランドには家族形態の農業の保護といった規定もあります。英米系は、例えば建国以来の憲法判例などが強く影響を持っております。

最高裁が真面目に憲法条文を見ても、憲法審査をしようとしても、なかなかその日本人の歴史や風土や地域性を尊重しようとする規定が、手掛かりが見渡せないので、個人としての尊重や一人一人の平等といった形式的な概念や国際協調主義に偏りがちになってしまいます。もちろん、憲法に国民の権利や平等など普遍的規定を入れることも重要ですが、そのバランスとして、日本人が大切にしたい価値観といったものも入れなければならないと思います。

日本国憲法は、国家権力の制限規範であるとともに、同時に組織規範や授権規範でもあります。つまり、よく言う国家権力を縛るという性格を持つと同時に、国家権力の目指すべき方向性や組織の在り方をも示す役割もしています。私たち日本人が我が国の方向性や理想をどう考えているか、私たちの統治組織をどのように構成したいのか、同時にこういったことを規範として定めることで国家を縛る働きもしますが、これ両方の側面があります。憲法を専ら制限規範としてしか見ない立場は、憲法の創造的な要素を無視していると言わざるを得ません。

特に、今の時代、日本的な価値観よりもグローバリズムの価値観が蔓延しています。外国の文化や思想が是とされ、自国の思想や文化に対して、これをしっかり大切にしようというふうな敬意が払われてこなかったのではないでしょうか。

また、家族の在り方でも、国連の委員会が勧告する選択的夫婦別姓制度や同性婚など、最高裁でも憲法判断がされようと、されたりしていますが、こうした我が国が守りたい価値観も、きちんと憲法にそういった趣旨の条文を明記する必要があるのではないかと思います。

個人の権利利益の過度な追求がやはり進むと、実際様々な公共的な問題も引き起こしていきます。我が国は、公共の福祉という形でその公共の利益を守る規定はありますが、その公共の利益の内容は具体化されていませんので、国守りの観点からも、国土の保全や環境の保全、さらには日本的な文化や伝統、信仰などの尊重といったことも書いていくべきではないでしょうか。

ここまで日本的な固有の価値観の話をしましたが、これから、じゃ、どうすればいいかという話として、国民参加で憲法を作っていこうという話をします。

私たちは、都道府県ごとに一人の国会議員を出すべきだという態度や在り方を目指しているんであれば、やはりそれを憲法に書かなければなりません。そのためには主権者教育というのが大切でして、合区問題が生じているのも、今言ったようなグローバリズムや日本国憲法に原因があるんだとすると、なぜ日本国憲法ができたのか、どうすれば作り直すことができるか、先人たちがどのように取り組んだかと、こういった教育的な取組も必要です。

また、憲法に対する敷居を下げることも必要です。法律の専門家でなければ憲法を議論できないとなると、多くの国民は口を出すことができません。しかし、明治時代は、各県や各地域ごとに民間の憲法草案を作る取組もありまして、過去、数多くの私擬憲法や民間憲法草案が作られました。今の国民は様々な問題意識がありますが、こういった主権者教育として知事会の取組もありますし、また地方から憲法改正に向けた声を政党が届けていく必要もあります。

結論といたしまして、合区解消だけでなく、参議院の役割、選挙制度も根本的見直しを行うべきです。参議院の役割としましては、中長期的な視点で、戦略や計画も含めて、様々な法令だけでなくて、様々なこの国の方向性も議論していくべきではないでしょうか。

以上で、私、参政党、安達悠司からの意見表明を終わります。ありがとうございました。

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