吉田忠智 (立憲民主党)

2026年5月18日・第221回国会 参議院 決算委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 63 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 202 発言)

ただいまの説明又は小泉大臣の先ほどの答弁を踏まえて、一言発言をさせていただきます。

現政権が進める安保三文書の改定や殺傷能力を持つ武器輸出の解禁といった我が国の安全保障政策の重大な転換が国会の関与なしに閣議決定のみで既成事実化されている現状について、シビリアンコントロールの観点から重大な問題があると言わざるを得ません。

第一に指摘すべきは、国会軽視の常態化です。国立国会図書館の資料によれば、有識者は、武器輸出ルールの変更や安保三文書の策定が国会閉会直後に行われるなど、意図的に国会審議を回避していると厳しく批判しています。本来、武器輸出禁止の原則は長年の国会論議を通じて形成された規範であり、これを十分な審議もなく行政が独断で変更することは、立憲主義の根幹を揺るがす暴挙です。

第二に、閣議決定というプロセスの法的根拠の危うさです。閣議は内閣法に基づく組織規範にすぎず、国民の権利や自由を制約するような重大な方針を決定する根拠規範としての法的効果はありません。憲法第三十一条の適正手続の保障に照らせば、行政手続にも適正な手続が及ぶべきであり、現状の閣議決定政治は、法律による行政の原理を逸脱しています。

第三に、財政民主主義の空洞化です。防衛費のGDP二%への倍増と四十三兆円という巨額予算は、国会での実質的議論が行われる前に、国家安全保障会議、NSCと閣議だけで決定されました。予算の決定権を持つ国会を迂回し、結論ありきで増税や歳出改革を押し付ける手法は、財政面からの軍事的統制を不可能にするものです。

第四に、情報の秘匿によるチェック機能の麻痺です。政府は、手のうちは見せられないとして、安保三文書策定の具体的な協議内容や軍事情報の公開を拒んでいます。実態がブラックボックス化された状態で、どうやって主権者たる国民の信託を受けた我々国会が民主的統制を及ぼせというのですか。シビリアンコントロールとは、単に文民が軍を抑えるのではなく、国民の代表である国会が軍事という強大な力を民主的に管理することです。現在の閣議決定政治は、この文民統制の本質を損ない、日本を戦争のできる国へと変容させています。

政府は、閣議決定という密室の合意に頼る政治を即刻改め、安全保障政策の根幹に法律による裏付けと国会による実質的な関与を確保することを強く求め、次の質問に入ります。こうした論点を踏まえて、これからもしっかり同僚議員とともに議論していきたいと思っております。

次に、陸上自衛隊の災害用ドローンが使用不可になっていた問題について質問します。

陸上自衛隊が災害対処能力強化のために約七千四百八十万円で調達したUAV災害用Ⅰ型ドローン四十機が、電波の周波数情報の誤認という初歩的な事務ミスにより、納入から四年以上も一度も使われないまま放置されていました。過去の質疑で大臣は隊員への教育を徹底すると答えましたが、問題の本質はそこにはありません。

まず、小泉大臣に質問します。

納入業者から提供された周波数情報の確認すら怠り、誤った認識のまま総務省へ承認手続を行ったという、組織としてのガバナンス欠如と言わざるを得ませんけれども、見解を伺います。

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