ただいまの説明又は小泉大臣の先ほどの答弁を踏まえて、一言発言をさせていただきます。
現政権が進める安保三文書の改定や殺傷能力を持つ武器輸出の解禁といった我が国の安全保障政策の重大な転換が国会の関与なしに閣議決定のみで既成事実化されている現状について、シビリアンコントロールの観点から重大な問題があると言わざるを得ません。
第一に指摘すべきは、国会軽視の常態化です。国立国会図書館の資料によれば、有識者は、武器輸出ルールの変更や安保三文書の策定が国会閉会直後に行われるなど、意図的に国会審議を回避していると厳しく批判しています。本来、武器輸出禁止の原則は長年の国会論議を通じて形成された規範であり、これを十分な審議もなく行政が独断で変更することは、立憲主義の根幹を揺るがす暴挙です。
第二に、閣議決定というプロセスの法的根拠の危うさです。閣議は内閣法に基づく組織規範にすぎず、国民の権利や自由を制約するような重大な方針を決定する根拠規範としての法的効果はありません。憲法第三十一条の適正手続の保障に照らせば、行政手続にも適正な手続が及ぶべきであり、現状の閣議決定政治は、法律による行政の原理を逸脱しています。
第三に、財政民主主義の空洞化です。防衛費のGDP二%への倍増と四十三兆円という巨額予算は、国会での実質的議論が行われる前に、国家安全保障会議、NSCと閣議だけで決定されました。予算の決定権を持つ国会を迂回し、結論ありきで増税や歳出改革を押し付ける手法は、財政面からの軍事的統制を不可能にするものです。
第四に、情報の秘匿によるチェック機能の麻痺です。政府は、手のうちは見せられないとして、安保三文書策定の具体的な協議内容や軍事情報の公開を拒んでいます。実態がブラックボックス化された状態で、どうやって主権者たる国民の信託を受けた我々国会が民主的統制を及ぼせというのですか。シビリアンコントロールとは、単に文民が軍を抑えるのではなく、国民の代表である国会が軍事という強大な力を民主的に管理することです。現在の閣議決定政治は、この文民統制の本質を損ない、日本を戦争のできる国へと変容させています。
政府は、閣議決定という密室の合意に頼る政治を即刻改め、安全保障政策の根幹に法律による裏付けと国会による実質的な関与を確保することを強く求め、次の質問に入ります。こうした論点を踏まえて、これからもしっかり同僚議員とともに議論していきたいと思っております。
次に、陸上自衛隊の災害用ドローンが使用不可になっていた問題について質問します。
陸上自衛隊が災害対処能力強化のために約七千四百八十万円で調達したUAV災害用Ⅰ型ドローン四十機が、電波の周波数情報の誤認という初歩的な事務ミスにより、納入から四年以上も一度も使われないまま放置されていました。過去の質疑で大臣は隊員への教育を徹底すると答えましたが、問題の本質はそこにはありません。
まず、小泉大臣に質問します。
納入業者から提供された周波数情報の確認すら怠り、誤った認識のまま総務省へ承認手続を行ったという、組織としてのガバナンス欠如と言わざるを得ませんけれども、見解を伺います。
60佐佐藤則夫内閣法制局第一部長
お答え申し上げます。
我が国が平和主義の立場に立つことを宣明した憲法前文は、それ自体が具体的な法規範性を有するものではないと考えております。
一方で、政府としては、防衛装備の移転につきまして、憲法の平和主義の精神にのっとったものでなければならないとしており、今般の防衛装備移転三原則及びその運用指針の見直しにおきましても、憲法の平和主義にそぐう内容となるよう関係省庁において検討されたものと理解をしております。
また、憲法第九条は我が国自体の戦争の放棄や戦力の不保持等について定めたものであって、防衛装備の移転について規律するものではないと考えております…
この発言のページ
61
吉田忠智(立憲)
まあそういう答弁かなと思っておりましたが、ちょっと残念な答弁であります。
それで、さらに、武器輸出解禁を今回閣議決定することについて、この三原則は閣議決定、そして方針の、いわゆる運用方針の見直しは国家安全保障会議で決められたというふうに聞いておりますけれども、いずれにしてもこの閣議決定の扱いですよね。防衛三文書についても閣議決定でした。
これほど日本の安全保障において重要な問題について、国会の審議を経ずして閣議決定で決めてよいのかということが問われております。内閣法制局にこの閣議決定についての法的な裏付けについて説明をいただきたいと思います。
この発言のページ
62佐佐藤則夫内閣法制局第一部長
お答え申し上げます。
防衛装備移転三原則及びその運用指針は外国為替及び外国貿易法の運用基準等を定めるものであり、同法の運用は、憲法第七十三条第一号により、法律を誠実に執行することをその職務の内容とする内閣の権限に属し、行政権の裁量に含まれるものでありますことから、その見直しにつきましては、外為法にのっとり、政府がその主体となって行ったものと承知しております。
この発言のページ
- (上の発言)
63
吉田忠智(立憲)
ただいまの説明又は小泉大臣の先ほどの答弁を踏まえて、一言発言をさせていただきます。
現政権が進める安保三文書の改定や殺傷能力を持つ武器輸出の解禁といった我が国の安全保障政策の重大な転換が国会の関与なしに閣議決定のみで既成事実化されている現状について、シビリアンコントロールの観点から重大な問題があると言わざるを得ません。
第一に指摘すべきは、国会軽視の常態化です。国立国会図書館の資料によれば、有識者は、武器輸出ルールの変更や安保三文書の策定が国会閉会直後に行われるなど、意図的に国会審議を回避していると厳しく批判しています。本来、武器輸出禁止の原則は長年の国会論議を通じて形成された規範であり、これを十分な審議もなく行政が独断で変更することは、立憲主義の根幹を揺るがす暴挙です。
第二に、閣議決定というプロセスの法的根拠の危うさです。閣議は内閣法に基づく組織規範にすぎず、国民の権利や自由を制約するような重大な方針を決定する根拠規範としての法的効果はありません。憲法第三十一条の適正手続の保障に照らせば、行政手続にも適正な手続が及ぶべきであり、現状の閣議決定政治は、法律による行政の原理を逸脱しています。
第三に、財政民主主義の空洞化です。防衛費のGDP二%への倍増と四十三兆円という巨額予算は、国会での実質的議論が行われる前に、国家安全保障会議、NSCと閣議だけで決定されました。予算の決定権を持つ国会を迂回し、結論ありきで増税や歳出改革を押し付ける手法は、財政面からの軍事的統制を不可能にするものです。
第四に、情報の秘匿によるチェック機能の麻痺です。政府は、手のうちは見せられないとして、安保三文書策定の具体的な協議内容や軍事情報の公開を拒んでいます。実態がブラックボックス化された状態で、どうやって主権者たる国民の信託を受けた我々国会が民主的統制を及ぼせというのですか。シビリアンコントロールとは、単に文民が軍を抑えるのではなく、国民の代表である国会が軍事という強大な力を民主的に管理することです。現在の閣議決定政治は、この文民統制の本質を損ない、日本を戦争のできる国へと変容させています。
政府は、閣議決定という密室の合意に頼る政治を即刻改め、安全保障政策の根幹に法律による裏付けと国会による実質的な関与を確保することを強く求め、次の質問に入ります。こうした論点を踏まえて、これからもしっかり同僚議員とともに議論していきたいと思っております。
次に、陸上自衛隊の災害用ドローンが使用不可になっていた問題について質問します。
陸上自衛隊が災害対処能力強化のために約七千四百八十万円で調達したUAV災害用Ⅰ型ドローン四十機が、電波の周波数情報の誤認という初歩的な事務ミスにより、納入から四年以上も一度も使われないまま放置されていました。過去の質疑で大臣は隊員への教育を徹底すると答えましたが、問題の本質はそこにはありません。
まず、小泉大臣に質問します。
納入業者から提供された周波数情報の確認すら怠り、誤った認識のまま総務省へ承認手続を行ったという、組織としてのガバナンス欠如と言わざるを得ませんけれども、見解を伺います。
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小泉進次郎(自民)防衛大臣
今先生から御指摘のありました陸上自衛隊の調達したUAV災害用Ⅰ型につきまして、使用可能であるべきものが長期間使用できなかったことを重く受け止めております。
本件の主な要因につきましては、製造企業の廃業や新型コロナウイルスの影響による企業活動の低調化といった事情が重なったことに加え、陸上自衛隊において必要な周波数情報を適時かつ確実に把握することの重要性についての理解が十分ではなく、情報を得る過程で時間を要したものであります。
防衛省・自衛隊として、御指摘のとおり、組織的ガバナンスの観点も含め、関係規則や要領を整備するとともに、調達から運用開始までの管理…
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吉田忠智(立憲)
このドローンが使えなくなった約五年間、災害対処体制に特段の影響はなかったとするならば、そもそもこの四十機の調達自体、国民の税金を投じる必要のない無駄な買物だったのではないかというふうに思いますけれども、政府参考人に伺います。
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66家家護谷昌徳防衛装備庁プロジェクト管理部長
お答えいたします。
防衛省といたしましては、これまでも、任務を確実に遂行するため、必要性を精査した上で装備品等を取得してきております。
このUAV災害用Ⅰ型につきましては、UAV災害用Ⅱ型と比べまして、赤外線カメラによる夜間の情報収集が可能であるという大きな特徴がございます。他方で、この間、夜間の情報収集について自治体等からのニーズがなかったことから、UAV災害用Ⅱ型を活用することで対応し、結果としまして実際の災害対応任務に支障が生じることはありませんでした。
しかしながら、夜間に情報収集をするというニーズが生じた場合を考えれば、UAV災害用Ⅰ型を…
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