古賀之士 (立憲民主党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 経済産業委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 244 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 250 発言)

私は、ただいま可決されました電気事業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び日本保守党の各派の共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

電気事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 大規模送電線及び大規模電源の整備については、エネルギー安全保障及び安定供給の観点から、その必要性並びに国の関与及び支援の在り方を明確にし、国が主体的に責任を果たしつつ推進すること。その際、大規模需要の不確実性も考慮すること。また、再生可能エネルギーの促進に当たっては、出力変動を補完する調整力及び供給力の確保並びに系統整備費その他関連費用が需要家の過度な負担とならないよう配慮し、広く国民の理解を得ながら推進すること。あわせて、将来にわたる電力の需給見通しを策定するに当たっては、電力広域的運営推進機関の知見を尊重し、実態に近いものとなるよう努めること。

二 地域内送電線等及び大規模電源の整備計画の認定については、事業者の予見可能性の向上を図る観点から、その基準を明確に定め、その基準の内容については国会の求めに応じ、速やかに報告すること。また、整備等に必要な資金の貸付け原資には財政投融資等の公的資金を含むことを踏まえ、その妥当性、回収可能性、政策効果等について、事後の検証が可能な形で定期的に評価・検証を行うとともに、国際的な脱炭素化の状況や電力需要の見通しの変化等も踏まえ、必要な投資が適切に進むよう制度を設計すること。

三 電力広域的運営推進機関が一般送配電事業者等及び大規模発電事業者に対して行う資金の貸付けについては、透明性・公平性の確保に留意した上で適切に行うとともに、貸付業務の知見を有する専門人材の確保に向けた取組を進めること。

四 大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に一般送配電事業者等との事前協議を実施するに当たっては、当該情報が大規模発電事業者にとって秘匿性が高く、地域経済や雇用への影響が懸念されることを踏まえ、当該情報が適切に取り扱われるよう万全を期すこと。特に大規模火力発電については、国際情勢の変化等に対応するために停止及び稼働が繰り返されている現状に鑑み、できる限り長期の需給の見通しを明らかにし、地域産業や人材育成、雇用の持続性が損なわれることがないようにしつつ、その事業継続の経営判断において事業者の自主性が尊重されるようにすること。

五 広域での電力取引によって生じる値差収益については、その収益が地域間連系線の制約によって発生することを踏まえ、広域系統整備その他電力の安定供給の確保に真に資する事業の財源に充当することとし、その使途を明確に定めた上で運用すること。また、予算計上に際しては、透明性の確保に努め、国民及び国会に対する説明責任を十分に果たすこと。

六 電力取引市場制度の見直し及び新たな市場の創設に当たっては、制度の過度な複雑化により国民及び事業者等の理解が損なわれることがないよう留意し、十分な周知及び準備期間の確保を図ること。

七 小売電気事業者による不適切な販売行為その他不正行為については、電気事業に対する国民の信頼確保の観点から、監督及び取締り並びに必要な制度整備の強化を図ること。

八 太陽電池発電設備の構造安全性に関する適合性確認の詳細な制度設計に当たっては、登録適合性確認機関の審査に加え、適切な構造安全性を有する設備に関する民間認証制度や規格を活用した標準化等の環境整備についても検討を進め、必要となる措置を講ずること。

九 太陽電池発電設備等の安全性の確保に当たっては、構造安全性のみならず、設備管理者の作業安全、火災等による被災防止及び消火活動時の安全確保についても十分配慮すること。

また、新技術の導入及び設置環境の多様化に対応し、実効性のある保安制度の整備及び高度化について積極的に取組を進めること。

十 事業用電気工作物の事故原因究明や再発防止等については、設置者の求めに応じて製造事業者等から十分な協力が得られるよう、必要に応じて適切に対応すること。あわせて、独立行政法人製品評価技術基盤機構の体制強化を含め、行政機関における事故原因の分析能力の向上に努めること。

十一 電力設備の整備及び保守保安に従事する人材が安定供給を支える基盤であることから、点検及び保守業務の増加、高度化に対応するため、現場の人材不足の深刻化が見込まれる状況を踏まえ、国が主体となって電力関連産業の将来方針を示し、安心して働くことができる環境を整えるとともに、産学官の連携の下、人材の確保及び育成に関し必要な施策を総合的に講ずること。また、本法の制度対応に伴う現場の業務負担に配慮し、適切な労働環境の確保が図られるよう留意すること。あわせて、保安規制の実効性は、それを担う人材の確保及び現場の実態に依拠することに鑑み、その実態を十分に踏まえた制度運用を行うこと。

十二 平成二十七年に成立した改正電気事業法の附則に基づいて実施した電力システム改革の検証については、電気事業及び電力システムの制度を取り巻く状況を踏まえ、本法の実施状況及び効果の検証を含め、継続して実施すること。

十三 大規模電源としての太陽電池発電設備、風力発電設備の導入の促進に当たっては、出力当たりの開発面積が大きく、設備撤去後まで含めた環境と住民生活への影響が広範囲・長期間に及ぶ特性を踏まえ、関係省庁とも連携し、地域との共生を進める観点から、安全性の確保、自然環境の保護、景観の保護等の推進に努めること。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

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