では、生産性の上昇とともに日本がかち取った企業利益はどこに行ったのかということを確認させていただきたいと思います。
パネルの三を御覧ください。
これは、この三十年間、よく失われた三十年間と言われますけれども、何が失われたかということを確認させていただくために御覧になっていただいているパネルの三であります。これは、財務省の法人企業統計年報から取ってきておりまして、大企業も中小企業も含んだ数字であります。
今世紀に入りまして四半世紀、日本の企業の経常利益は五倍になっています。そこそこもうかっているんですね。この五倍になった経常利益を活用して、株主への還元、配当金を中心とした還元、八倍になっています。五倍もうかったお金に更に輪をかけて、株主に八倍払っています。
その中で、企業ですから将来のために投資をしなければいけないので、研究開発、設備投資が必要なんですけれども、何と、二十五年間で将来のために設備投資されたその金額は一・三倍、たったの三〇%です。更に残念なのは賃金、この二十年間で増えた金額、一・〇八倍、八%です。
今世紀に入って、企業業績は、大企業、中小企業、とりわけ大企業、五倍もうかっています。株主に八倍払っています。にもかかわらず、社員の方には八%しか払っていないんですね。ここに実は最大の問題があると思っています。
私は、経営者の方を責めているわけではありません。なぜならば、欧米と違って、経営者の方は、例えば株主にいっぱい配当したからといって、ボーナスが何億円ももらえたりしません。経営者の方は、社員の方の雇用を守りたかったんですね。その上で、しっかりと内部留保と思ってこういう形を取ったところ、結果としてこういう悪循環に陥ってしまった。このかけ違えたボタンを今後どうやってかけ直していくかということがすごく大切だというふうに思っています。
実は、この歴史の中で様々な思いが社員の方そして企業経営者の方にあったことは分かりますけれども、これを大きく変えたいという思いで、総理御自身が、この予算案が成立した後に危機管理投資や成長投資をやっていこうとされて、十七分野から、これはシナジーが利いて広がると思います。成功する可能性も高いと思います。
けれども、その結果、可能性として、その業界や企業はめちゃくちゃもうかるけれども社員の給料は全く増えないという可能性、もちろんあります。これをどうやってリンクをつけて、政府がやろうとしている危機管理投資や成長投資が、会社や業界の企業利益を超えて、もちろん株主に行ってもいいです、けれども、社員の方の給料にしっかりと回るかということを担保していくことも、大きな政治の責任だというふうに思うんですね。
実は、金融庁と東京証券取引所が二〇一五年に日本版のコーポレートガバナンスの改定をやっています。かなり功を奏しました。その結果、株価が大きく上昇した、そのドライバーになっています。
けれども、本来、コーポレートガバナンスというのは、株主に対してどれぐらい優遇をするかということではなくて、ステークホルダー、株主、顧客、社員、企業に関わる全ての方々に対する利益配分をどのように適切に行っていくかということが本質だというふうに思っています。
そして、総理御自身も、実は施政方針演説の中で、コーポレートガバナンスの在り方を見直し、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業への投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させていきますというふうに述べられていらっしゃいます。
日本は、自由経済、資本主義の国です。けれども、例えばフランスは、日本は労働分配率がこの二十二年で一〇パー落ちていまして、今、六〇パーぐらいです。フランスは、労働分配率の目標が法律になっています。他国では、労働分配率を公表することを義務づけている国もたくさんあります。
今、圧倒的な人手不足の時代で、社員の方をどう優遇するかということが実はその会社並びに日本経済に大きなポイントになっているときに、総理御自身、コーポレートガバナンスをどのように深化させて、そして、単に企業がもうかるだけではなくて、働く方の賃金に確実に結びつくように、どういう戦略をお持ちなのかということを教えてください。
119
坂本哲志(自民)
この際、岡本三成君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡本三成君。
この発言のページ
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岡本三成(中道)
よろしくお願いいたします。中道改革連合政調会長の岡本三成です。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
高市総理、改めまして、総理御就任、誠におめでとうございます。私は、選挙は勝ち負けですけれども、政策は勝ち負けではないというふうに思っています。国民生活にとってよりよい御提案をさせていただくことができれば、総理はトップリーダーとしてそれをしっかりと受け止めてくださり、実現してくださるというふうに期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
総理は、施政方針演説でこうおっしゃいました。日本と日本人の底力を生かし、力強い経…
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
我が国では、長年のデフレの中で、企業部門がコストカットを行ってきた結果、収益の増加に比べて賃金が抑制されて、実質労働生産性と比較して物価上昇を上回る賃上げが進んでこなかったと承知しています。
他方、足下では賃上げ率が二年連続で五%を上回るなど、長く続いたコストカット型経済から、その先にある新たな成長型経済へと移行する段階まで来ていると思います。実質賃金で見ると、その伸びは、政府経済見通しでお示ししましたが、令和六年度にプラス、令和七年度及び八年度もプラスとなる見通しです。
いろいろやはり見ていますと、国内投資、これが物すごく弱かったというところも、さ…
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- (上の発言)
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岡本三成(中道)
では、生産性の上昇とともに日本がかち取った企業利益はどこに行ったのかということを確認させていただきたいと思います。
パネルの三を御覧ください。
これは、この三十年間、よく失われた三十年間と言われますけれども、何が失われたかということを確認させていただくために御覧になっていただいているパネルの三であります。これは、財務省の法人企業統計年報から取ってきておりまして、大企業も中小企業も含んだ数字であります。
今世紀に入りまして四半世紀、日本の企業の経常利益は五倍になっています。そこそこもうかっているんですね。この五倍になった経常利益を活用して、株主への還元、配当金を中心とした還元、八倍になっています。五倍もうかったお金に更に輪をかけて、株主に八倍払っています。
その中で、企業ですから将来のために投資をしなければいけないので、研究開発、設備投資が必要なんですけれども、何と、二十五年間で将来のために設備投資されたその金額は一・三倍、たったの三〇%です。更に残念なのは賃金、この二十年間で増えた金額、一・〇八倍、八%です。
今世紀に入って、企業業績は、大企業、中小企業、とりわけ大企業、五倍もうかっています。株主に八倍払っています。にもかかわらず、社員の方には八%しか払っていないんですね。ここに実は最大の問題があると思っています。
私は、経営者の方を責めているわけではありません。なぜならば、欧米と違って、経営者の方は、例えば株主にいっぱい配当したからといって、ボーナスが何億円ももらえたりしません。経営者の方は、社員の方の雇用を守りたかったんですね。その上で、しっかりと内部留保と思ってこういう形を取ったところ、結果としてこういう悪循環に陥ってしまった。このかけ違えたボタンを今後どうやってかけ直していくかということがすごく大切だというふうに思っています。
実は、この歴史の中で様々な思いが社員の方そして企業経営者の方にあったことは分かりますけれども、これを大きく変えたいという思いで、総理御自身が、この予算案が成立した後に危機管理投資や成長投資をやっていこうとされて、十七分野から、これはシナジーが利いて広がると思います。成功する可能性も高いと思います。
けれども、その結果、可能性として、その業界や企業はめちゃくちゃもうかるけれども社員の給料は全く増えないという可能性、もちろんあります。これをどうやってリンクをつけて、政府がやろうとしている危機管理投資や成長投資が、会社や業界の企業利益を超えて、もちろん株主に行ってもいいです、けれども、社員の方の給料にしっかりと回るかということを担保していくことも、大きな政治の責任だというふうに思うんですね。
実は、金融庁と東京証券取引所が二〇一五年に日本版のコーポレートガバナンスの改定をやっています。かなり功を奏しました。その結果、株価が大きく上昇した、そのドライバーになっています。
けれども、本来、コーポレートガバナンスというのは、株主に対してどれぐらい優遇をするかということではなくて、ステークホルダー、株主、顧客、社員、企業に関わる全ての方々に対する利益配分をどのように適切に行っていくかということが本質だというふうに思っています。
そして、総理御自身も、実は施政方針演説の中で、コーポレートガバナンスの在り方を見直し、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業への投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させていきますというふうに述べられていらっしゃいます。
日本は、自由経済、資本主義の国です。けれども、例えばフランスは、日本は労働分配率がこの二十二年で一〇パー落ちていまして、今、六〇パーぐらいです。フランスは、労働分配率の目標が法律になっています。他国では、労働分配率を公表することを義務づけている国もたくさんあります。
今、圧倒的な人手不足の時代で、社員の方をどう優遇するかということが実はその会社並びに日本経済に大きなポイントになっているときに、総理御自身、コーポレートガバナンスをどのように深化させて、そして、単に企業がもうかるだけではなくて、働く方の賃金に確実に結びつくように、どういう戦略をお持ちなのかということを教えてください。
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
我が国のコーポレートガバナンス改革は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から推進してきたものでございまして、必ずしも賃上げや労働分配率の向上を直接の政策目的としたものではないのですが、企業の持続的な成長の実現のためには、株主のみならず、従業員を始めとする様々なステークホルダーと適切に協働するということが求められます。
こうした観点から、企業が自社の成長段階を考慮した上で、成長により得た利益を、株主への還元とともに、人的投資などの成長投資に適切に振り向けていくことは重要です。
現在、コーポレートガバナンス・コードの改定に向けた検討を…
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岡本三成(中道)
総理、ありがとうございます。
更問い、念のためにさせてください。
ということは、確かにこの成長投資の中で企業業績も上がっていくけれども、それがしっかりと社員の方に還元されるように、これまでも賃上げ税制等もやってまいりました、太陽政策です。けれども、必ずしもそれが功を奏し切れなかったところもあります。ということは、ある程度の北風政策というか、それが一義的には北風でも、日本経済全体にとっては太陽政策だと思いますので、ということは、企業業績等が社員の方の賃金に回るような形もガバナンスコードとして今後形作っていくような姿勢でいらっしゃるという認識でよろしいで…
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
人的投資、非常に重要だと考えております。
そして、やはり従業員も、例えば物づくりの企業であったりサービス産業であったりしたら、従業員もお取引先もお客様なんですね。だから、従業員の方の所得が増えれば、それでまた需要も増えますよね、物を買います、そうするとまた事業者がもうかります。また、賃上げや研究開発投資、設備投資にも結びつく、関連業者ももうかっていくというようなことで、非常に経済のパイを大きくしていくことにもなります。
それから、やはりそういう企業というのは高く評価される、そういう社会的な風潮をつくっていきたいと考えております。
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