お答えします。
私は、不服申立ては全面禁止すべきだというのが持論でございます。
まず、理屈の問題で、理屈をこねて申し訳ないんですけれども、検察官は再審請求審では当事者ではございません。ですから、当然、不服申立て権があるという議論は成立していません。また、再審開始決定は、有罪とか無罪とかいうのを判断する、そういう決定ではございません。つまり、やり直し裁判を命じるというだけでありまして、これは中間的な決定でございます。中間的な決定の場合に、それ自体に不服申立てをできるという制度はもちろんあるわけですけれども、基本的にはできない。当事者も基本的には不服申立てできない。
公益の代表者として不服申立てをするんだということなんですけれども、ほかの法制で、公益の代表者として関わっている検察官が、丸々の不服申立て権が認められているという法制は我が国にはありません。少年事件には、関与した場合には抗告受理申立てができる制度があるんですけれども、現行法のような不服申立て権を認めているという制度はないんです。つまり、極めて例外的なんです。まずそこを御認識いただきたい。
また、現実問題としては、この不服申立ての制度によって冤罪救済が著しく遅延しているという現実がございます。
例えて言うと、こういう言い方はすごくラフなんですけれども、検察官は六回チャレンジできるんです。つまり、検察官は、再審公判において、主張、立証ができるという三審制が保障されている、そういうときに、再審の請求審の方で即時抗告、特別抗告とやると、請求審も合わすと三回、合計六回できるんです。
ところが、請求人はどうかというと、次がないんです。開始決定が確定しない限り、再審公判には進まないんです。したがって、次のない請求人にとっては、あくまでも争わざるを得ません。しかも、請求人は、一回、実質的な理由を立てて争った場合、それで負けると、次に同じ理由では闘えないんです。ですから、闘わざるを得ない。
そこに大きな違いがあるので、こっちが認められるのにこっちが認められないのはおかしいのではないかということは、論理的に成立していません。
そういう意味で、検察官の不服申立てというのは、理屈の面では基本的には否定されるのが自然だと思います。もちろん、政策的に認めるということは十分あり得ますので、一切否定しているというつもりはありませんけれども、総合的に見た場合、私は全面禁止すべきだと思っています。
しかし、自民党の中でそういうような議論も経た上で、大激論の中で、現在の修正案として整理されているということも十分承知しているところでございます。
30
金村龍那(維新)
日本維新の会の金村龍那です。
本日は、お三人の参考人の皆様、貴重な意見陳述をいただきまして、ありがとうございました。
改めて、袴田参考人のお話をお聞きいたしまして、無実の罪を着せられて、四十七年と七か月自由を奪われ、そこに至る過程、お話を伺い、こういった、無辜の人が無実の罪を着せられることは本当になくしていかなければならない、そのために再審請求制度が本当に大切なんだという思いを伺いました。加えて、吉沢参考人からは、やはり被害者、御遺族、親族の皆様が抱える心のうちをしっかりお言葉にしていただきました。村山参考人からは、元裁判官、まさに袴田事件に携わった…
この発言のページ
31吉吉沢徹岡山弁護士会所属弁護士
結局再審公判で争っていけるではないかという御趣旨だと思いますが、再審公判ということになると、そこでまた証人尋問ですとか、またいろいろな証拠調べがなされることになると思います。再審事由があるかないかだけの判断ではなくて、有罪、無罪を決めるための証拠、これの取調べがもう一度なされて、その過程において、被害者の証人尋問がもしかしたらあるかもしれない、ないかもしれないですけれども、あるかもしれない。そういうふうに、結局、再審公判に関与される被害者の精神的御負担というのは非常に大きいものになると思います。
なので、まずその前段階での再審請求審で、再審が認められる…
この発言のページ
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金村龍那(維新)
ありがとうございました。
やはり、再審請求されることそのものが、被害者や御遺族、親族の皆様に対する心の負担、そして新たな危険にさらされるかもしれないという恐怖、こういったものをしっかり解消していく必要があるし、またそういう状態にしてはならないというのはよく分かりました。一方で、無実の罪であればしっかりとそれを解消しなければならないし、さらには、いたずらに真犯人と決めつけるわけじゃないという意見書も拝見をいたしました。
その上で、村山参考人にお伺いしたいんですが、この検察官の不服申立てについてどのようなお考えか、お聞きさせてください。
この発言のページ
- (上の発言)
33村村山浩昭弁護士
お答えします。
私は、不服申立ては全面禁止すべきだというのが持論でございます。
まず、理屈の問題で、理屈をこねて申し訳ないんですけれども、検察官は再審請求審では当事者ではございません。ですから、当然、不服申立て権があるという議論は成立していません。また、再審開始決定は、有罪とか無罪とかいうのを判断する、そういう決定ではございません。つまり、やり直し裁判を命じるというだけでありまして、これは中間的な決定でございます。中間的な決定の場合に、それ自体に不服申立てをできるという制度はもちろんあるわけですけれども、基本的にはできない。当事者も基本的には不服申立てできない。
公益の代表者として不服申立てをするんだということなんですけれども、ほかの法制で、公益の代表者として関わっている検察官が、丸々の不服申立て権が認められているという法制は我が国にはありません。少年事件には、関与した場合には抗告受理申立てができる制度があるんですけれども、現行法のような不服申立て権を認めているという制度はないんです。つまり、極めて例外的なんです。まずそこを御認識いただきたい。
また、現実問題としては、この不服申立ての制度によって冤罪救済が著しく遅延しているという現実がございます。
例えて言うと、こういう言い方はすごくラフなんですけれども、検察官は六回チャレンジできるんです。つまり、検察官は、再審公判において、主張、立証ができるという三審制が保障されている、そういうときに、再審の請求審の方で即時抗告、特別抗告とやると、請求審も合わすと三回、合計六回できるんです。
ところが、請求人はどうかというと、次がないんです。開始決定が確定しない限り、再審公判には進まないんです。したがって、次のない請求人にとっては、あくまでも争わざるを得ません。しかも、請求人は、一回、実質的な理由を立てて争った場合、それで負けると、次に同じ理由では闘えないんです。ですから、闘わざるを得ない。
そこに大きな違いがあるので、こっちが認められるのにこっちが認められないのはおかしいのではないかということは、論理的に成立していません。
そういう意味で、検察官の不服申立てというのは、理屈の面では基本的には否定されるのが自然だと思います。もちろん、政策的に認めるということは十分あり得ますので、一切否定しているというつもりはありませんけれども、総合的に見た場合、私は全面禁止すべきだと思っています。
しかし、自民党の中でそういうような議論も経た上で、大激論の中で、現在の修正案として整理されているということも十分承知しているところでございます。
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金村龍那(維新)
ありがとうございました。
村山参考人のお話をお聞きした上で、やはり再審制度が無実の罪を晴らすためには本当に必要なんだということは痛いほどよく理解をいたしました。
その上で、被害者や御遺族、そして親族の心の負担やプライバシー、その点について、少し吉沢参考人にお伺いさせてください。
いわゆる性犯罪以外の犯罪でも、証拠の中には被害者やその御遺族が第三者に知られたくない情報があるとの御指摘もありましたが、ここで明かせるいわゆる具体的な意味、そういった内容について御教示いただけると助かります。
この発言のページ
35吉吉沢徹岡山弁護士会所属弁護士
これを申し上げますと、事件が特定されてしまったり、それこそ御遺族や被害者の方に対する二次被害を与えかねませんので、ちょっと仮定の事件の話をさせていただければと思います。
例えば結婚詐欺事件があったとします。そうすると、その罪名自体は詐欺事件でありまして、いわゆる財産犯でありますので、それだけを見れば性犯罪とは全く関係ないように見えます。しかし、結婚する、しないで男女の関係が進行していく、交際関係が進行していく、そういう中で、当然、その交際の具体的な状況等が犯行に至る経緯として裁判の中でクローズアップされるということがあり得るわけです。
このようなこと…
この発言のページ
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金村龍那(維新)
やはり、無実の罪を着せられた人を、しっかりその汚名を晴らすためにも再審制度が必要だ、一方で、犯罪はそこに存在するわけですから、真犯人をどうしっかり逮捕そして起訴するのか、加えて、その犯罪において、やはり被害者、御遺族、親族の心の負担というものはしっかり考えていかなきゃいけないというのが、改めて理解をしておるところです。
その上で、時間も差し迫っておりますので、もう一問。
証拠の一覧表を裁判所に対してのみならず再審請求者側にも交付すべきとの意見もありますが、この点について、吉沢参考人、どのようにお考えでしょうか。
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