佐藤淳法務省刑事局長

2026年5月26日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 143 発言)

お答えいたします。

胎児が人であるか否かに関する刑法の解釈は、委員の御指摘のとおりでございます。

その上で、法務当局においては、関連する裁判例を必ずしも網羅的に把握しているものではございませんが、例えば、いわゆる水俣病事件に関する最高裁決定は、母体に対する行為によって胎児に病変が発生し、胎児が出生して人となった後、それに起因して死亡したという事案におきまして、胎児は母体の一部を構成するものと取り扱われていることを前提といたしまして、胎児に病変を発生させることは、人である母体の一部に対するものとして、人に病変を発生させることにほかならず、胎児が出生して人となった後、右病変に起因して死亡するに至った場合は、結局、人に病変を発生させて人に死の結果をもたらしたことに帰するなどと判示して、業務上過失致死罪の成立を認めたところでございます。

その後も、業務上過失致傷罪も、傷害の罪も含めまして、これと同様の立場に立つ裁判例が存在しておりまして、これは、人となった後に傷害の結果が発生する、あるいは増悪した、こういった事実が認められる場合に、これと同様の立場に立って業務上過失致傷罪の成立を認めた裁判例があるということでありますけれども、胎児そのものが人に含まれると解した裁判例については承知していないところであります。

その上で、ただいま申し上げたような裁判例は、個別の事件における裁判所の判断でございまして、それについて法務当局として所感を述べることは困難であることは御理解いただきたいと思います。

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