小澤吉徳日本司法書士会連合会会長

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 151 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

御質問ありがとうございます。

先生御指摘のように、改正案では、任意後見と法定後見の双方を併存させ、双方を同時に利用することを可能としています。両方が併存するということから、一見、任意後見を優先する原則を廃止するように見えるかもしれませんけれども、任意後見契約が登記されている場合には、本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り法定後見の開始をすることができることは現行法と同様でありまして、法定後見よりも任意後見を優先させる原則は維持されているというふうに思っています。

むしろ、現行制度においては、任意後見契約が締結されていても、やむを得ず法定後見が開始した場合には任意後見が終了するという仕組みになっており、その不具合を解消するために、法定後見と任意後見を併存できる仕組みに改正しようとするものと理解をしています。そうすることで、実務現場としては、契約当時に予定していた代理権では不足した場合などに任意後見をより生かせるようになり、また、本人の望む代理権のみを付与する契約ができるようになると考えています。

現在の任意後見制度では、本人の事理弁識能力が不十分となって任意後見が発効した後に、契約当初に予想していなかった事務、例えば想定外の相続や不動産売却などが発生した場合には、その任意後見の代理権では対応できないため、法定後見を申し立てることにより対応してきました。現在の規律では法定後見と任意後見が併存できず、法定後見が開始すると任意後見は終了するため、本人の意思による任意後見を生かすことができないということが問題でしたが、この法定後見との併存は、任意後見で不足する部分、先ほどの例でいえば、想定外の相続や不動産売却についてのみ法定後見を利用しても、任意後見を終了させず使い続けることができるという重要な制度になるというふうに考えています。

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