皆様、こんにちは。日本司法書士会連合会会長の小澤吉徳と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
成年後見制度の改正に関しましては、令和四年六月から公益社団法人商事法務研究会で行われました成年後見制度の在り方に関する研究会に委員として参加させていただき、研究会で報告書がまとめられた後には、法制審議会民法(成年後見等関係)部会の委員として審議に関わってまいりました。
司法書士は、平成十一年の民法改正により禁治産制度が成年後見制度に改正されることとなった際、日本司法書士会連合会及び全国各地の司法書士会が中心となり、制度の担い手となる専門職成年後見人の養成と指導監督を主な目的として、同年十二月に成年後見センター・リーガルサポートを社団法人として設立いたしました。その後、多くの司法書士が会員として加入し、令和八年三月末現在では八千九百五十四名の司法書士が正会員となっており、現在、その会員が約六万件の事件で成年後見人等に就任しており、専門職としては最も多く成年後見人等に選任され、全国各地で高齢者、障害者等の権利擁護及び福祉の増進に取り組んでおります。
司法書士は現場で成年後見制度の運用を担う専門職であり、また、制度を利用されている御本人や御親族の方、御本人を支える医療、福祉関係者、さらには自治体や中核機関とも深く関わっているため、専門職としての現場における運用改善はもちろん、御本人の権利擁護や意思尊重という視点からも意見を述べてまいりました。
今回の法改正は、お出ししたポンチ絵にございますように、これまで以上に御本人の御希望を大切にし、必要がなくなれば終わることができ、必要なことだけを支え、また柔軟な交代を可能にするなど、まさに画期的な法改正となっていると考えております。利用者のためにも、できるだけ早く成立することを期待しております。
法案では、法定後見制度の利用の必要性が失われれば制度利用を終了することができることとされております。これは御本人や御親族から強く要望されていた点でございますが、私たち専門職としましても、必要性が失われているにもかかわらず、漫然と法定後見の利用が続いていくことは望ましくないと考えています。
また、制度利用が終わらないことにより、御本人や親族等が制度利用をちゅうちょされ、その結果として、遺産分割協議や不動産の売却手続などが進まないということも実際起こっておりますので、この法案が成立すれば、その副次的効果として、相続登記や未利用土地の活用も促進されると考えております。
例えば、現在我が国が抱える大きな社会的課題の一つに、空き家、所有者不明土地問題があると承知をしています。そして、その問題は、端的に申し上げれば、相続登記の未了の問題であり、その理由として最大のものは、遺産分割協議が調わないことと承知をしています。
相続人の中に判断能力が不十分な方がいらっしゃるケースというのは、私たち司法書士は、恐らくほぼ全員体験しています。このような際に、この成年後見制度が円滑に利用できれば、結果として、遺産分割協議が円滑に進むこととなり、相続登記も進み、空き家、所有者不明土地問題の解決にも大きく資することになります。
一方で、私たち司法書士が後見人等に就任するケースの中には、御本人に関わる親族がいないなど、後見による継続的な支援が必要な方も多くいらっしゃいます。いわゆるお一人様と呼ばれる身寄りなき高齢者の問題も含まれます。
御案内のとおり、二〇二五年で六十五歳以上のお一人様世帯数は八百十五万世帯とのことですが、極めて増加傾向にあり、二〇五〇年には一千八十三万世帯にもなると予想されているところでございます。今般の法改正は、こうしたお一人様問題の支援にも大きく資するものとなっていると考えています。
なお、こうした関わる親族がいない方々につきましては、後見が終了してしまうと、社会生活に大きな不都合が生じることも考えられます。そのような場合には必要性が失われたとは判断できないため、後見制度の利用を継続することとなり、頼れる親族がいない制度利用者が困ることのないような提案がされています。したがいまして、本人の状況やニーズに合った支援を提供できる制度となっていると考えています。
私たち司法書士としましては、まさに、御本人一人一人の意思や御希望や環境などを最大限に尊重し、その方に何が必要か、後見人等にふさわしい方はどなたかなどなどを丁寧に検討し、まさにオーダーメイドによる支援を選択していくことが求められていると承知をしていますし、この改正によってそれが実現可能になったものと考えています。
また、法案では、後見、保佐、補助の三類型を廃し、補助に一元化することが提案されています。特に後見類型は事理弁識能力を欠く常況にある者を手厚く保護する制度であるため、この後見類型がなくなれば、本人保護は弱まることになるということになります。
保護が弱まるということだけを取り出すとネガティブな印象を受けますが、本人保護を強め過ぎると、また本人の意思尊重が不十分になる側面もございますので、今回の改正案は、現在強過ぎると言われている本人保護を弱めることにより、本人の意思尊重とバランスを取ったものであり、国連障害者権利条約との関係や制度利用者の人権という視点からも評価できるものだというふうに考えています。
端的に申し上げれば、この法改正は、本人の自己決定の尊重と本人の保護の必要性の調和という極めて難しい理念の具現化を時間をかけて丁寧に議論し、ぎりぎりのところでバランスを取ったものと考えております。
また、法案では補助類型に一元化することが提案されているわけですが、現行法でも補助類型の利用は本人の同意が必要であり、この原則は維持されるため、改正案では基本的には制度利用に同意した人が対象となる制度となります。
ただし、遷延性意識障害の方など同意の意思を表示することが困難な方もおられるところ、虐待のケースや相続手続などスポット的に制度を利用する必要性もあることから、そのような同意意思を表示できない方も利用できる制度とすることもまた重要であると考えています。
この点について、法案では、同意の意思を表示できる方についてはその同意の意思を制度利用の要件としつつ、同意の意思を表示できない方についても、必要性が認められれば制度利用を可能とすることによって、本人の意思尊重の原則と制度利用の必要性のバランスを取ることができていると考えています。
次に、法案では、後見人を交代させやすくする施策として、欠格事由の見直しが提案されております。
本人の状況やニーズに合った後見人の交代は、御本人や親族から強く望まれているところでございます。後見人の交代を実現する方法としては、後見人自身が辞任するか、家庭裁判所が解任する必要がございますが、現行法では、解任ができるのは不正行為等がある場合に限られ、御本人の利益のために必要な場合があっても解任はできません。
チームによる御本人の支援に支障が生じている場合など御本人の利益のために必要があるときは、現在でも、私たち専門職団体は、家庭裁判所と協力をして、この状況やニーズに合った交代を実現するべく会員への働きかけを行っておりますが、この改正案が実現すれば、今まで以上に本人のニーズに応じた交代が可能となって、御本人にとって望ましい制度となると考えております。
また、法案では、任意後見制度についての改正も提案されております。任意後見制度は、御本人が判断能力の十分あるうちに自ら後見人を任せたい人と契約をしておく制度であり、法定後見よりも御本人の意思が尊重される制度となります。
任意後見は、海外ではこちらが主流になっている国もございますが、残念ながら、日本ではそれほど普及しておらず、契約締結こそ令和六年度に約一万七千件ありましたが、契約が発効しているものは三千人弱で、二十五万人以上の方が利用されていると言われる法定後見よりも圧倒的に少ない件数になっております。
私たち司法書士も、制度利用を望まれる場合は、法定後見よりも任意後見を利用される方が望ましいと考えておりますので、任意後見制度の利用を促進するため、様々な活動を行っております。
任意後見は、任意後見監督人が選任されることが効力発生要件となっているのですが、法務省が令和三年から四年に行った調査により、この任意後見監督人の負担が、任意後見契約がなされないこと、さらには契約された任意後見契約の発効がなされないことの遠因となっていることが分かっております。
端的に申し上げれば、任意後見契約で後見人を指定しているのに、発効段階で見知らぬ専門職監督人が登場してくるという点、そして、その監督人の報酬も発生するという点が任意後見制度の利用促進を阻んでまいりました。
そのため、その負担を軽減する方法として、限定されたケースではありますが、任意後見監督人を選任せず家庭裁判所が直接監督する規律や、公正証書に書き記された任意後見監督人に関する本人の御希望を家庭裁判所が考慮する規律が提案されることとなっています。
御案内のとおり、我が国の超高齢社会は日々進んでおります。二〇二五年には三千六百五十三万人で総人口の二九・六四%であった六十五歳の高齢者数は、二〇五〇年には三千八百八十八万となり、総人口の三七・一四%に達すると推定されております。
また、認知症高齢者数につきましても、二〇二五年には一千三十五万人で、六十五歳以上の二八・三三%であったものが、二〇五〇年には一千二百十七万人で、六十五歳以上の三一・三%に達する見込みとされております。
さらには、二〇二五年には二千二百九十六万世帯であったお一人様世帯も、二〇五〇年には二千三百三十万世帯となり、そのうち六十五歳以上のお一人様世帯は一千八十三万世帯となる見込みでございます。
こうした我が国の現状を踏まえますと、今回の法改正は、大変意義深いものであることはもちろんのこと、これまで利用をちゅうちょされていた国民の皆様が多く利用を検討されることになろうかと考えています。したがいまして、その担い手となる司法書士、弁護士、社会福祉士等の専門職がしっかりとその相談需要に応えていく必要があると考えています。
また、申立ての局面だけを捉えても、その必要性を申立て前にしっかり検討し、家庭裁判所における実務運用が円滑に進むよう最善を尽くすことも専門職の責任であると考えています。
私たち司法書士としましては、同じく専門職である弁護士、社会福祉士とともに、超高齢社会における司法アクセスの担い手として、これまで以上にその使命を十全に果たしていくことをお誓い申し上げ、以上で私からの意見陳述を終わりにさせていただきます。
本日は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
ありがとうございました。(拍手)
116鈴鈴木美香(参政)
ありがとうございます。
そうはいっても、事実として国連の勧告どおりに成年後見を廃止する流れになっているというわけですから、勧告を受け入れる形での法改正となっていることは否めないと思います。
参政党といたしましては、我が国の制度は我が国の実情に即して我が国自身で決める、これが大切であると考えております。
参政党は反グローバリズムを掲げる政党でございます。グローバリズムとは、簡単に申し上げますと、地球を一つの共同体とみなし、国境を取り払い、物、人、金を自由に動かそうとする考え方でございますけれども、価値を世界標準化して、その上に制度や政策、法律を合法的…
この発言のページ
117井井上英孝(維新)
午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時三十三分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
この発言のページ
118井井上英孝(維新)
休憩前に引き続き会議を開きます。
午前に引き続き、内閣提出、民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、日本司法書士会連合会会長小澤吉徳君、日本弁護士連合会日弁連高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチーム座長、弁護士根本雄司君、早稲田大学法学学術院教授山野目章夫君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙…
この発言のページ
- (上の発言)
119小小澤吉徳日本司法書士会連合会会長
皆様、こんにちは。日本司法書士会連合会会長の小澤吉徳と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
成年後見制度の改正に関しましては、令和四年六月から公益社団法人商事法務研究会で行われました成年後見制度の在り方に関する研究会に委員として参加させていただき、研究会で報告書がまとめられた後には、法制審議会民法(成年後見等関係)部会の委員として審議に関わってまいりました。
司法書士は、平成十一年の民法改正により禁治産制度が成年後見制度に改正されることとなった際、日本司法書士会連合会及び全国各地の司法書士会が中心となり、制度の担い手となる専門職成年後見人の養成と指導監督を主な目的として、同年十二月に成年後見センター・リーガルサポートを社団法人として設立いたしました。その後、多くの司法書士が会員として加入し、令和八年三月末現在では八千九百五十四名の司法書士が正会員となっており、現在、その会員が約六万件の事件で成年後見人等に就任しており、専門職としては最も多く成年後見人等に選任され、全国各地で高齢者、障害者等の権利擁護及び福祉の増進に取り組んでおります。
司法書士は現場で成年後見制度の運用を担う専門職であり、また、制度を利用されている御本人や御親族の方、御本人を支える医療、福祉関係者、さらには自治体や中核機関とも深く関わっているため、専門職としての現場における運用改善はもちろん、御本人の権利擁護や意思尊重という視点からも意見を述べてまいりました。
今回の法改正は、お出ししたポンチ絵にございますように、これまで以上に御本人の御希望を大切にし、必要がなくなれば終わることができ、必要なことだけを支え、また柔軟な交代を可能にするなど、まさに画期的な法改正となっていると考えております。利用者のためにも、できるだけ早く成立することを期待しております。
法案では、法定後見制度の利用の必要性が失われれば制度利用を終了することができることとされております。これは御本人や御親族から強く要望されていた点でございますが、私たち専門職としましても、必要性が失われているにもかかわらず、漫然と法定後見の利用が続いていくことは望ましくないと考えています。
また、制度利用が終わらないことにより、御本人や親族等が制度利用をちゅうちょされ、その結果として、遺産分割協議や不動産の売却手続などが進まないということも実際起こっておりますので、この法案が成立すれば、その副次的効果として、相続登記や未利用土地の活用も促進されると考えております。
例えば、現在我が国が抱える大きな社会的課題の一つに、空き家、所有者不明土地問題があると承知をしています。そして、その問題は、端的に申し上げれば、相続登記の未了の問題であり、その理由として最大のものは、遺産分割協議が調わないことと承知をしています。
相続人の中に判断能力が不十分な方がいらっしゃるケースというのは、私たち司法書士は、恐らくほぼ全員体験しています。このような際に、この成年後見制度が円滑に利用できれば、結果として、遺産分割協議が円滑に進むこととなり、相続登記も進み、空き家、所有者不明土地問題の解決にも大きく資することになります。
一方で、私たち司法書士が後見人等に就任するケースの中には、御本人に関わる親族がいないなど、後見による継続的な支援が必要な方も多くいらっしゃいます。いわゆるお一人様と呼ばれる身寄りなき高齢者の問題も含まれます。
御案内のとおり、二〇二五年で六十五歳以上のお一人様世帯数は八百十五万世帯とのことですが、極めて増加傾向にあり、二〇五〇年には一千八十三万世帯にもなると予想されているところでございます。今般の法改正は、こうしたお一人様問題の支援にも大きく資するものとなっていると考えています。
なお、こうした関わる親族がいない方々につきましては、後見が終了してしまうと、社会生活に大きな不都合が生じることも考えられます。そのような場合には必要性が失われたとは判断できないため、後見制度の利用を継続することとなり、頼れる親族がいない制度利用者が困ることのないような提案がされています。したがいまして、本人の状況やニーズに合った支援を提供できる制度となっていると考えています。
私たち司法書士としましては、まさに、御本人一人一人の意思や御希望や環境などを最大限に尊重し、その方に何が必要か、後見人等にふさわしい方はどなたかなどなどを丁寧に検討し、まさにオーダーメイドによる支援を選択していくことが求められていると承知をしていますし、この改正によってそれが実現可能になったものと考えています。
また、法案では、後見、保佐、補助の三類型を廃し、補助に一元化することが提案されています。特に後見類型は事理弁識能力を欠く常況にある者を手厚く保護する制度であるため、この後見類型がなくなれば、本人保護は弱まることになるということになります。
保護が弱まるということだけを取り出すとネガティブな印象を受けますが、本人保護を強め過ぎると、また本人の意思尊重が不十分になる側面もございますので、今回の改正案は、現在強過ぎると言われている本人保護を弱めることにより、本人の意思尊重とバランスを取ったものであり、国連障害者権利条約との関係や制度利用者の人権という視点からも評価できるものだというふうに考えています。
端的に申し上げれば、この法改正は、本人の自己決定の尊重と本人の保護の必要性の調和という極めて難しい理念の具現化を時間をかけて丁寧に議論し、ぎりぎりのところでバランスを取ったものと考えております。
また、法案では補助類型に一元化することが提案されているわけですが、現行法でも補助類型の利用は本人の同意が必要であり、この原則は維持されるため、改正案では基本的には制度利用に同意した人が対象となる制度となります。
ただし、遷延性意識障害の方など同意の意思を表示することが困難な方もおられるところ、虐待のケースや相続手続などスポット的に制度を利用する必要性もあることから、そのような同意意思を表示できない方も利用できる制度とすることもまた重要であると考えています。
この点について、法案では、同意の意思を表示できる方についてはその同意の意思を制度利用の要件としつつ、同意の意思を表示できない方についても、必要性が認められれば制度利用を可能とすることによって、本人の意思尊重の原則と制度利用の必要性のバランスを取ることができていると考えています。
次に、法案では、後見人を交代させやすくする施策として、欠格事由の見直しが提案されております。
本人の状況やニーズに合った後見人の交代は、御本人や親族から強く望まれているところでございます。後見人の交代を実現する方法としては、後見人自身が辞任するか、家庭裁判所が解任する必要がございますが、現行法では、解任ができるのは不正行為等がある場合に限られ、御本人の利益のために必要な場合があっても解任はできません。
チームによる御本人の支援に支障が生じている場合など御本人の利益のために必要があるときは、現在でも、私たち専門職団体は、家庭裁判所と協力をして、この状況やニーズに合った交代を実現するべく会員への働きかけを行っておりますが、この改正案が実現すれば、今まで以上に本人のニーズに応じた交代が可能となって、御本人にとって望ましい制度となると考えております。
また、法案では、任意後見制度についての改正も提案されております。任意後見制度は、御本人が判断能力の十分あるうちに自ら後見人を任せたい人と契約をしておく制度であり、法定後見よりも御本人の意思が尊重される制度となります。
任意後見は、海外ではこちらが主流になっている国もございますが、残念ながら、日本ではそれほど普及しておらず、契約締結こそ令和六年度に約一万七千件ありましたが、契約が発効しているものは三千人弱で、二十五万人以上の方が利用されていると言われる法定後見よりも圧倒的に少ない件数になっております。
私たち司法書士も、制度利用を望まれる場合は、法定後見よりも任意後見を利用される方が望ましいと考えておりますので、任意後見制度の利用を促進するため、様々な活動を行っております。
任意後見は、任意後見監督人が選任されることが効力発生要件となっているのですが、法務省が令和三年から四年に行った調査により、この任意後見監督人の負担が、任意後見契約がなされないこと、さらには契約された任意後見契約の発効がなされないことの遠因となっていることが分かっております。
端的に申し上げれば、任意後見契約で後見人を指定しているのに、発効段階で見知らぬ専門職監督人が登場してくるという点、そして、その監督人の報酬も発生するという点が任意後見制度の利用促進を阻んでまいりました。
そのため、その負担を軽減する方法として、限定されたケースではありますが、任意後見監督人を選任せず家庭裁判所が直接監督する規律や、公正証書に書き記された任意後見監督人に関する本人の御希望を家庭裁判所が考慮する規律が提案されることとなっています。
御案内のとおり、我が国の超高齢社会は日々進んでおります。二〇二五年には三千六百五十三万人で総人口の二九・六四%であった六十五歳の高齢者数は、二〇五〇年には三千八百八十八万となり、総人口の三七・一四%に達すると推定されております。
また、認知症高齢者数につきましても、二〇二五年には一千三十五万人で、六十五歳以上の二八・三三%であったものが、二〇五〇年には一千二百十七万人で、六十五歳以上の三一・三%に達する見込みとされております。
さらには、二〇二五年には二千二百九十六万世帯であったお一人様世帯も、二〇五〇年には二千三百三十万世帯となり、そのうち六十五歳以上のお一人様世帯は一千八十三万世帯となる見込みでございます。
こうした我が国の現状を踏まえますと、今回の法改正は、大変意義深いものであることはもちろんのこと、これまで利用をちゅうちょされていた国民の皆様が多く利用を検討されることになろうかと考えています。したがいまして、その担い手となる司法書士、弁護士、社会福祉士等の専門職がしっかりとその相談需要に応えていく必要があると考えています。
また、申立ての局面だけを捉えても、その必要性を申立て前にしっかり検討し、家庭裁判所における実務運用が円滑に進むよう最善を尽くすことも専門職の責任であると考えています。
私たち司法書士としましては、同じく専門職である弁護士、社会福祉士とともに、超高齢社会における司法アクセスの担い手として、これまで以上にその使命を十全に果たしていくことをお誓い申し上げ、以上で私からの意見陳述を終わりにさせていただきます。
本日は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
ありがとうございました。(拍手)
120井井上英孝(維新)
ありがとうございました。
次に、根本参考人にお願いいたします。
この発言のページ
121根根本雄司日本弁護士連合会日弁連高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチーム座長/弁護士
本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
日弁連で高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチームで座長を務めており、さきの法制審議会民法(成年後見等関係)部会におきまして幹事を務めておりました弁護士の根本と申します。
私からは、今後の課題を中心に意見を申し上げさせていただきたいと思います。
今回の改正は、国の第二期成年後見制度利用促進基本計画に基づく成年後見制度見直しの提起及び国連の障害者の権利に関する条約第十二条の求める完全な法的能力の保障の要請による代理、代行決定から意思決定支援への理念の転換の…
この発言のページ
122井井上英孝(維新)
ありがとうございました。
次に、山野目参考人にお願いいたします。
この発言のページ