原山大亮 (日本維新の会)

2026年6月16日・第221回国会 衆議院 農林水産委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 70 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 164 発言)

ありがとうございます。

続いて、損害賠償額の算定規定の見直しについて伺います。

今回、育成者権者の利用能力を超える数量についても許諾料相当額を損害として加算できることとし、また、侵害があったことを前提として許諾交渉した場合に、育成者権者が得られた対価を裁判所が考慮できることとしています。特許法の同様の規定を参考にしたものと理解しておりますが、育成者権者が訴訟を提起した際に実際に即した損害賠償を得られるようにするには、権利行使のインセンティブを高めるという点で重要です。

しかし、そこに至るまでの過程はどうでしょうか。農研機構の種苗管理センターへの侵害相談件数は、令和六年度に国内外合わせて、四十三件と、増加傾向にあります。一方で、農林水産省が令和七年度に育成者権者に行ったアンケートでは、侵害を受けた、あるいは侵害が疑われる事例があったにもかかわらず、約七割が法的措置を取れていません。その理由として最も多いのが、侵害が確かかどうか判断できない、あるいは訴訟を提起するのに必要な証拠が集まらないというものです。つまり、問題の本質は、損害額の算定方法ではなく、そもそも侵害を立証できないという、訴訟の手前の段階にあるのではないでしょうか。

種苗は、一度流出すると容易に増殖できます。どこかの農場で無断増殖されているとしても、それを権利者が現場に乗り込んで確認することは現実的に困難だと思います。オンライン販売の拡大により、誰が登録品種の名称を使って種苗を販売しているかを追跡することも難しくなっていると思います。損害額の算定規定を精緻化しても、侵害の立証ができなければ、裁判の土俵にすら上がれないのではないでしょうか。制度の骨格をつくっても支える体制が整わなければ、絵に描いた餅になりかねません。

今回の法案は、登録品種の名称を使用して譲渡、貸し渡しされた種苗については、当該登録品種の種苗であると推定する規定が創設されています。立証の一部を容易にする措置として評価はできますが、無断増殖の現場確認という最も困難な部分への手当てとしては十分とは言えないように思います。

そこで、二点お伺いしたいと思います。

一点目、政府は、侵害立証の困難という根本課題に対して今回の法改正の中でどのように手当てをしているのでしょうか。第三十五条の三の規定以外に、立証を容易にする仕組みとして何を用意し、それにより、約七割が法的措置を取れていないという現状を変えられるとお考えなのか。

二点目に、侵害相談件数が増加傾向にある中で、農研機構の種苗管理センターの対応体制は現状どのような規模なのでしょうか。今回の法改正により権利行使が活発化した場合、相談件数が更に増加することが想定されますが、その体制強化のための具体的な予算、人員の手当てをしっかりと講じていくべきではないかと考えますが、政府のお考えをお聞かせください。

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