本日は、このような機会をいただき、ありがとうございます。
ただいま御紹介いただきました北海道農民連盟で書記長をしております山口という者でございます。
私からは、北海道の農業者を代表いたしまして意見を申し上げたいと思います。
まずは、北海道農民連盟についてということで、お手持ちの資料を御参照いただきたいと思います。
北海道内の農業者約一万戸が加盟し、農業者の所得向上や農産物の安定的な生産など、生産現場の声を踏まえた農業政策が確立されるよう、要請などを行っている農民組織であります。
私自身は、札幌近郊の南幌町というところで、稲作と小麦を中心に営農をしております。私の住んでいる南幌町は、農地のほとんどの地目が水田ですが、主食用米の作付が全農地の三五%程度ということで、転作率が非常に高い状態にあります。また、近隣の市町村においてもこの傾向が強い地域となっております。
そういった中で、私の地域においては先週末より田植が始まり、私のところでも先日の日曜日から始めたところですが、今回、食糧法改正について意見陳述の機会をいただきましたので、その辺は息子に田植を任せて、この場にいる次第であります。
我々北海道の農業者は、これまでも国の政策に沿って営農を行っており、水田活用の直接支払交付金の見直しによって、今後、国が提示するであろう新たな水田政策に対して、これまでの支援額より下がるのか、交付要件もどのように変わるのか、大きな不安を抱いている中、営農を行っている次第であります。
こうした中、令和の米騒動などを起因とした今回の食糧法の改正に当たって、改正を見た最初の感想としては、食料安全保障の観点から、需給と価格の安定にもっと国が関与しなければならないことを、またその責任を農業者や事業者に対し押しつけているようにしか感じられませんでした。また、改正の理由についても、インバウンド需要の拡大、異常気象による品質低下など、多岐にわたった要因で起こった国の需給見通しの誤りに起因した今回の令和の米騒動や、多様化する流通実態を的確に把握できなかったことで、米価高騰を招いたり、備蓄米の売渡しに時間を要したことなどが見直しにつながったものと思います。
さて、今回の食糧法の改正について、主に、流通実態の把握強化、備蓄制度の見直し、需要に応じた生産の促進の三点と理解しているところでありますが、この三点について意見陳述させていただきたいと思います。
まず、流通実態の把握強化についてですが、出荷、販売事業者に加え、加工、中食、外食の事業者を追加し、届出事業者を拡大し、仮に需要量並びに供給量を正確に把握することができ、これを基に今後の米の作付に対する生産の目安の正確性が担保されるのであれば、意義のあるものとなり得ると考えております。
ただ、昨年、備蓄米の放出理由として、流通上のスタックを解消するとして、民間流通に対して国が介入した形となりました。今回の法改正で、届出の義務化とともに、適正性を担保するために罰則を措置し、流通実態の情報を得たことによって、問題が判明したときには国はどのような対応をするのか、我々にとって明確に示していただきたいものです。また、今回、届出事業者に生産者も含まれるとなれば、どれほどのデータ量になるのかは分かりませんが、的確にデータの処理がなされ、公表と必要な対応をお願いしたいところであります。
次に、備蓄米制度の見直しについては、一定規模以上の民間事業者に対し、基準量以上の米穀の保有を義務づけるとしていますが、主食の安定供給への国の責任は大きく後退させるものとなります。現在、国家備蓄の水準は百万トンですが、報道では、法改正により、八十万トンが国家備蓄、二十万トンが民間備蓄になるとされています。世界情勢の不安定化や自然災害が頻発する中で、食料安全保障の観点から、国家備蓄は最低でも現行の百万トンは維持し、その上で新たに民間備蓄に取り組むべきだと考えております。
また、現行の備蓄制度は棚上げ備蓄であり、民間備蓄となると、回転備蓄になると想定されるため、本格運用された際には、民間事業者の取扱いの一部が先送りされるだけで、備蓄というよりも、端境期の在庫を一定以上確保するということとなり、これまでの備蓄とは大きく変わるものであります。
さらには、現状の保有量より更に多く保有することとなれば、保管施設の確保や保管に係る費用、差損などが生じるため、国からの十分な支援が必要となります。この支援がまた不十分であれば、生産者拠出や店頭米価格への上乗せなど、生産者、消費者への新たな負担発生も懸念されるため、民間備蓄の対象事業者には十分な財政措置をお願いしたいところであります。
また、備蓄事業者が倒産などをした場合の備蓄米の取扱いなどもあらかじめ想定しなければならないと思います。
あわせて、先般の条件付売渡しと随意契約による放出において、実需者に届くまで時間を要したことなど、新たな課題が表面化したため、流通現場の声を踏まえながら、必要に応じて備蓄米放出に係る手法の見直しなどをお願いいたします。
三つ目の需要に応じた生産について、これまでの米需給調整の在り方の、需給の安定のための生産調整という記述を削除し、需要に応じた生産となると、農業者の中には実質的な減反の強化と捉えかねない部分があり、丁寧な説明が必要となります。
そして、法の目的を、主要食糧の需給と価格の安定から、需給の安定を図り、及びこれを通じて価格の安定化を図るとするならば、価格安定が目的から後退する格好です。政府は、米の価格は市場で決まるものとし、価格にコミットしないとしながらも、米価高騰を解消するために備蓄米を放出したことに対して整合性が取れるものではありません。現在、流通現場における在庫の積み上がりと価格の下落は、備蓄米放出も要因の一つと考えられるため、国の責任の下、備蓄米の買戻しが求められます。
需要に応じた生産は、場合によっては、米価の不安定化の原因を、生産者自らが需要に応じた生産をしなかったためとなりかねず、責任を生産者に押しつけるものであります。このため、農業は天候に左右される不安定な産業であることからも、改正前の主要食糧の需給と価格の安定は維持し、国の責務と関与を明確化すべきです。
また、今後、何をもって需要量とするかも課題となります。今は、飼料用米などからの転換を図ることにより主食用米の確保ができるものと思う一方で、今後、農業者の減少が確実視される中、国内需要を国内生産で賄えるかどうか分かりません。流通実態の把握で得たデータを基に需要に応じた生産の目安とするのか、あるいは、昨年、増産発言がありましたが、時の政権の考え方により、増産にかじを切ったり減産にかじを切ったり、猫の目のように農政がころころ変わることに生産現場としては憤りを覚えるばかりです。
最後に、今回の食糧法の改正や四月に施行された食料システム法を受けて、米だけでなく全ての農産物が消費者に行き渡り、生産コストが高騰する中で農業所得を確保するためにも、農産物の価格が適正に形成される仕組みとならなければ、農業者は再投資ができず、離農にも歯止めがかからず、農村の消滅にもつながりかねない状況にあります。
特に、今般の中東情勢による生産資材の高騰に対し、生産現場では適正施肥などといった自助努力は行っているものの、それにも限界があります。現状、措置いただいている収入保険、ナラシ、共済といったセーフティーネット対策については、生産コストを加味した制度ではありません。ただ、コスト上昇分の全額を農産物価格に転嫁すれば、消費者の負担も大きくなり、農産物の消費減少にもつながりかねない状況にあります。そのためにも、コストや所得に着目した新たな対策をお願いしたいものであります。
また、世界情勢が不安定な状況下、円安でもあるため、足りなければ輸入すればよいという考えがいつまでも通用する状況にはありません。食料自給率、自給力向上に向けて、我々農業者も安心、安全な農産物を安定的に生産できるよう尽力いたしますので、昨年閣議決定されました食料・農業・農村基本計画で示された農業者の確保、農地の維持に向けて実効性の確保を、今後の食料供給を円滑とするためにも、よりよい法改正を求めたいと思います。
私からの食糧法改正についての意見陳述は以上とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
3
藤井比早之(自民)
内閣提出、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、株式会社ゼンショーホールディングス代表取締役社長兼CEO小川洋平君、北海道農民連盟書記長山口浩幸君、公益社団法人日本農業法人協会会長齋藤一志君、株式会社やまだアグリサービス代表取締役柴田為英君、以上四名の皆様に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚の…
この発言のページ
4小小川洋平株式会社ゼンショーホールディングス代表取締役社長兼CEO
ゼンショーホールディングスの小川と申します。よろしくお願いいたします。
私どもゼンショーホールディングスは、外食事業を行っておりまして、お米に関しましても、当然ではございますけれども、主要な食材として使用させていただいております。その立場から、本日は、食糧法改正案に関しまして意見を申し述べさせていただければというふうに思います。
お手元に横長の資料がございますので、御覧いただきながらお聞きいただければと思います。
一ページおめくりいただきまして、本日、食糧法改正案の主要な改正事項でございます、一つ目は在庫報告ですね、二つ目は、先取りして申し上げます…
この発言のページ
5
藤井比早之(自民)
小川参考人、ありがとうございました。
次に、山口参考人、お願いいたします。
この発言のページ
- (上の発言)
6山山口浩幸北海道農民連盟書記長
本日は、このような機会をいただき、ありがとうございます。
ただいま御紹介いただきました北海道農民連盟で書記長をしております山口という者でございます。
私からは、北海道の農業者を代表いたしまして意見を申し上げたいと思います。
まずは、北海道農民連盟についてということで、お手持ちの資料を御参照いただきたいと思います。
北海道内の農業者約一万戸が加盟し、農業者の所得向上や農産物の安定的な生産など、生産現場の声を踏まえた農業政策が確立されるよう、要請などを行っている農民組織であります。
私自身は、札幌近郊の南幌町というところで、稲作と小麦を中心に営農をしております。私の住んでいる南幌町は、農地のほとんどの地目が水田ですが、主食用米の作付が全農地の三五%程度ということで、転作率が非常に高い状態にあります。また、近隣の市町村においてもこの傾向が強い地域となっております。
そういった中で、私の地域においては先週末より田植が始まり、私のところでも先日の日曜日から始めたところですが、今回、食糧法改正について意見陳述の機会をいただきましたので、その辺は息子に田植を任せて、この場にいる次第であります。
我々北海道の農業者は、これまでも国の政策に沿って営農を行っており、水田活用の直接支払交付金の見直しによって、今後、国が提示するであろう新たな水田政策に対して、これまでの支援額より下がるのか、交付要件もどのように変わるのか、大きな不安を抱いている中、営農を行っている次第であります。
こうした中、令和の米騒動などを起因とした今回の食糧法の改正に当たって、改正を見た最初の感想としては、食料安全保障の観点から、需給と価格の安定にもっと国が関与しなければならないことを、またその責任を農業者や事業者に対し押しつけているようにしか感じられませんでした。また、改正の理由についても、インバウンド需要の拡大、異常気象による品質低下など、多岐にわたった要因で起こった国の需給見通しの誤りに起因した今回の令和の米騒動や、多様化する流通実態を的確に把握できなかったことで、米価高騰を招いたり、備蓄米の売渡しに時間を要したことなどが見直しにつながったものと思います。
さて、今回の食糧法の改正について、主に、流通実態の把握強化、備蓄制度の見直し、需要に応じた生産の促進の三点と理解しているところでありますが、この三点について意見陳述させていただきたいと思います。
まず、流通実態の把握強化についてですが、出荷、販売事業者に加え、加工、中食、外食の事業者を追加し、届出事業者を拡大し、仮に需要量並びに供給量を正確に把握することができ、これを基に今後の米の作付に対する生産の目安の正確性が担保されるのであれば、意義のあるものとなり得ると考えております。
ただ、昨年、備蓄米の放出理由として、流通上のスタックを解消するとして、民間流通に対して国が介入した形となりました。今回の法改正で、届出の義務化とともに、適正性を担保するために罰則を措置し、流通実態の情報を得たことによって、問題が判明したときには国はどのような対応をするのか、我々にとって明確に示していただきたいものです。また、今回、届出事業者に生産者も含まれるとなれば、どれほどのデータ量になるのかは分かりませんが、的確にデータの処理がなされ、公表と必要な対応をお願いしたいところであります。
次に、備蓄米制度の見直しについては、一定規模以上の民間事業者に対し、基準量以上の米穀の保有を義務づけるとしていますが、主食の安定供給への国の責任は大きく後退させるものとなります。現在、国家備蓄の水準は百万トンですが、報道では、法改正により、八十万トンが国家備蓄、二十万トンが民間備蓄になるとされています。世界情勢の不安定化や自然災害が頻発する中で、食料安全保障の観点から、国家備蓄は最低でも現行の百万トンは維持し、その上で新たに民間備蓄に取り組むべきだと考えております。
また、現行の備蓄制度は棚上げ備蓄であり、民間備蓄となると、回転備蓄になると想定されるため、本格運用された際には、民間事業者の取扱いの一部が先送りされるだけで、備蓄というよりも、端境期の在庫を一定以上確保するということとなり、これまでの備蓄とは大きく変わるものであります。
さらには、現状の保有量より更に多く保有することとなれば、保管施設の確保や保管に係る費用、差損などが生じるため、国からの十分な支援が必要となります。この支援がまた不十分であれば、生産者拠出や店頭米価格への上乗せなど、生産者、消費者への新たな負担発生も懸念されるため、民間備蓄の対象事業者には十分な財政措置をお願いしたいところであります。
また、備蓄事業者が倒産などをした場合の備蓄米の取扱いなどもあらかじめ想定しなければならないと思います。
あわせて、先般の条件付売渡しと随意契約による放出において、実需者に届くまで時間を要したことなど、新たな課題が表面化したため、流通現場の声を踏まえながら、必要に応じて備蓄米放出に係る手法の見直しなどをお願いいたします。
三つ目の需要に応じた生産について、これまでの米需給調整の在り方の、需給の安定のための生産調整という記述を削除し、需要に応じた生産となると、農業者の中には実質的な減反の強化と捉えかねない部分があり、丁寧な説明が必要となります。
そして、法の目的を、主要食糧の需給と価格の安定から、需給の安定を図り、及びこれを通じて価格の安定化を図るとするならば、価格安定が目的から後退する格好です。政府は、米の価格は市場で決まるものとし、価格にコミットしないとしながらも、米価高騰を解消するために備蓄米を放出したことに対して整合性が取れるものではありません。現在、流通現場における在庫の積み上がりと価格の下落は、備蓄米放出も要因の一つと考えられるため、国の責任の下、備蓄米の買戻しが求められます。
需要に応じた生産は、場合によっては、米価の不安定化の原因を、生産者自らが需要に応じた生産をしなかったためとなりかねず、責任を生産者に押しつけるものであります。このため、農業は天候に左右される不安定な産業であることからも、改正前の主要食糧の需給と価格の安定は維持し、国の責務と関与を明確化すべきです。
また、今後、何をもって需要量とするかも課題となります。今は、飼料用米などからの転換を図ることにより主食用米の確保ができるものと思う一方で、今後、農業者の減少が確実視される中、国内需要を国内生産で賄えるかどうか分かりません。流通実態の把握で得たデータを基に需要に応じた生産の目安とするのか、あるいは、昨年、増産発言がありましたが、時の政権の考え方により、増産にかじを切ったり減産にかじを切ったり、猫の目のように農政がころころ変わることに生産現場としては憤りを覚えるばかりです。
最後に、今回の食糧法の改正や四月に施行された食料システム法を受けて、米だけでなく全ての農産物が消費者に行き渡り、生産コストが高騰する中で農業所得を確保するためにも、農産物の価格が適正に形成される仕組みとならなければ、農業者は再投資ができず、離農にも歯止めがかからず、農村の消滅にもつながりかねない状況にあります。
特に、今般の中東情勢による生産資材の高騰に対し、生産現場では適正施肥などといった自助努力は行っているものの、それにも限界があります。現状、措置いただいている収入保険、ナラシ、共済といったセーフティーネット対策については、生産コストを加味した制度ではありません。ただ、コスト上昇分の全額を農産物価格に転嫁すれば、消費者の負担も大きくなり、農産物の消費減少にもつながりかねない状況にあります。そのためにも、コストや所得に着目した新たな対策をお願いしたいものであります。
また、世界情勢が不安定な状況下、円安でもあるため、足りなければ輸入すればよいという考えがいつまでも通用する状況にはありません。食料自給率、自給力向上に向けて、我々農業者も安心、安全な農産物を安定的に生産できるよう尽力いたしますので、昨年閣議決定されました食料・農業・農村基本計画で示された農業者の確保、農地の維持に向けて実効性の確保を、今後の食料供給を円滑とするためにも、よりよい法改正を求めたいと思います。
私からの食糧法改正についての意見陳述は以上とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
7
藤井比早之(自民)
山口参考人、ありがとうございました。
次に、齋藤参考人、お願いいたします。
この発言のページ
8齋齋藤一志公益社団法人日本農業法人協会会長
ただいま紹介いただきました公益社団法人日本農業法人協会の会長の齋藤でございます。本日はよろしくお願いいたします。
協会の会員数は二千五十社程度でございますが、稲作を主業にしております会員は六百五十社、一社当たりの売上げは一億七千万、そういうメンバーの売上げになっておりまして、まず、うちの会員の約三〇%が主業を稲作にしているということでございます。平均の面積が七十ヘクタールということで大変面積も広うございますので、今の米価とかはストレートに経営に影響が出ております。
私も山形県庄内平野で農場をやっておりまして、一つが、養豚と小麦をやっている有限会社いず…
この発言のページ
9
藤井比早之(自民)
齋藤参考人、ありがとうございました。
次に、柴田参考人、お願いいたします。
この発言のページ