後藤祐一 (中道改革連合)

2026年6月26日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第24号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 195 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 211 発言)

私は、中道改革連合・無所属を代表して、国旗損壊罪法案に反対の立場から討論を行います。

私は、国旗を大切に思う気持ちは、当然、皆様と同様、強く持っている一人でございますが、法案としてはやはり問題ではないかという点を以下申し述べます。

昨日の参考人質疑で江藤参考人から示されたように、刑罰は国家が個人に科す最も強力な制裁であり、刑罰法規の新設には、必要性、相当性、処罰範囲の明確性が求められますが、本法案はそもそも立法事実がありません。提出者から示された四つの事例はいずれも器物損壊罪の対象となる他人の国旗の損壊であり、国旗損壊罪より罰則の重い器物損壊罪との関係は観念的競合になるとの答弁を踏まえると立法事実がありません。将来の事実を立法事実と主張していますが、将来、国旗損壊が増加することが確実であるといった立証もできませんでした。また、刑罰法規は最終手段であって、立法事実には、刑罰の新設によらなければ解決できないという事実も必要ですが、何ら説得的な説明がなされておりません。

また、憲法との関係についても、表現の自由という基本的人権の中でもより尊重されるべき精神的自由を公共の福祉で制約するのに、国旗を大切に思う国民感情の保護という曖昧な保護法益で説明することには無理があります。罪刑法定主義のうち、構成要件の明確性、特に政治的表現、芸術表現としてどこまで認められるかが争点となりました。いかなる行為が対象となるのかについての基準や具体例については、今回の理事会提出文書、答弁、附帯決議などである程度示された点もあると思いますし、これを一つの文書としてまとめることをお約束いただきましたので、そこには期待をしたいと思いますけれども、例えば、国旗の損壊行為は非公然と自室などで行い、損壊済みの国旗を公然と陳列する行為は構成要件の対象外となりました。国旗に書かれる文字内容、例えば日本頑張れ、国旗損壊罪反対といった内容では全く差がないこと、文字の大きさも無関係だということが今示されました。結果として、政治的表現についてはほとんど構成要件に該当しないことが示されました。ただ、芸術表現については、表現の内容自体が損壊行為になり得る場合もあって、曖昧さがかなり残りました。違法性阻却になる可能性もありますが、捜査当局の判断によるため、捜査対象になり得るとの答弁がありました。

この点、参考人からも懸念が表明された萎縮効果については深刻です。芸術表現にかかわらず、全体として、よく分からないからやめておこうという気持ちが広く生まれるのではないでしょうか。警察の取調べを受ける可能性があればなおさらです。嫌がらせの通報や炎上が多発するのではないでしょうか。公的な建物の会場貸しも拒まれることがあるのではないでしょうか。

そもそも、立法事実も示せない、適用対象も曖昧なこの法案がなぜ今必要なんでしょうか。選挙目当てと与党間の約束という政治的理由で本法案を成立させて萎縮効果を発生させるべきではありません。

以上、憲法違反の可能性が残る本法案には反対し、討論といたします。(拍手)

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