私ども、中立金利の概念自体は重要な概念だと思っておりまして、短期金利と中立金利の関係は、金融環境の緩和度合いを評価する一つの尺度になり得ると思っております。
ただ、中立金利や自然利子率は、直接、統計で計測することはできませんで、様々な前提、モデルを用いて推計することになりますが、日本銀行が公表した最新の推計値にも相当なばらつきがあり、このため、中立金利や自然利子率の推計値から直接、金融政策運営上の答えがすぐ出てくるということにはならないというふうに考えております。
このことを前提とした上で、日本銀行としては、金融緩和の度合いを評価するに当たりましては、短期金利と中立金利の推計値の関係だけではなく、経済、物価、金融情勢を丁寧に点検しながら、総合的に判断していく必要があると考えております。その際には、金融政策から実体経済への波及経路とも言える金融環境、すなわち、実質金利の水準や企業による資金調達のコストやボリューム、金融機関の貸出態度といった幅広い指標をきめ細かく点検していくことが重要であるというふうに考えております。
115
田中健(国民)
過去二年間も、植田総裁もデフレではなくインフレの状態にあるということをおっしゃっていただいておりましたので、改めて確認ということをさせていただきました。ありがとうございます。
それでは、更に質問を続けます。利上げの判断をお聞きをしたいと思います。
今回の日銀の公表文では、政府のエネルギー負担緩和策や中東依存度の高い原材料の代替調達の進展によって、経済が大きく下振れるリスクは一頃より低下したと説明がされています。つまり、今回の利上げの判断には、政府の物価高対策や中東情勢の対応が前提として組み込まれているように私は理解をしています。
そこで伺いますが、…
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116氷氷見野良三日本銀行副総裁
お答えいたします。
私ども、金融政策の判断を行う際には、経済、物価情勢について幅広く見て、総合的に判断していく必要があるというふうに考えております。
それで、政府のエネルギー対策、代替調達の進展ということは、物価の上振れリスクについては抑制的に働き、また、経済の下振れリスクについては、それを大きくしないで支えるという方向に働くという両面があるというふうに考えております。また、現在、原油価格が下がっておりますけれども、先行きの中東情勢の展開、特に、今後更に原油価格が下落していくときにどういう影響があるかというと、これも両面ありまして、経済の下振れリスク…
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117
田中健(国民)
ありがとうございました。総合的に、また幅広くという答弁をいただきました。
その中で、内田副総裁は会見の中で、先ほども議論に出ましたけれども、中立金利の話が出ました。中立金利の推計にはばらつきがあり、金融政策の実践上は余り使えないと述べられておりました。一方で、今回の利上げにより政策金利は一%となりまして、中立金利の下限に近づいたといった見方もあります。
そこで伺いますが、中立金利が明確な物差しとして使いにくいのであれば、今後の日銀は何を基準に追加利上げの必要性というのを判断をしていくのかということであります。消費者物価、基調物価、様々、先ほど賃金の話…
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- (上の発言)
118氷氷見野良三日本銀行副総裁
私ども、中立金利の概念自体は重要な概念だと思っておりまして、短期金利と中立金利の関係は、金融環境の緩和度合いを評価する一つの尺度になり得ると思っております。
ただ、中立金利や自然利子率は、直接、統計で計測することはできませんで、様々な前提、モデルを用いて推計することになりますが、日本銀行が公表した最新の推計値にも相当なばらつきがあり、このため、中立金利や自然利子率の推計値から直接、金融政策運営上の答えがすぐ出てくるということにはならないというふうに考えております。
このことを前提とした上で、日本銀行としては、金融緩和の度合いを評価するに当たりましては、短期金利と中立金利の推計値の関係だけではなく、経済、物価、金融情勢を丁寧に点検しながら、総合的に判断していく必要があると考えております。その際には、金融政策から実体経済への波及経路とも言える金融環境、すなわち、実質金利の水準や企業による資金調達のコストやボリューム、金融機関の貸出態度といった幅広い指標をきめ細かく点検していくことが重要であるというふうに考えております。
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田中健(国民)
御丁寧にありがとうございました。
副総裁はこうも言っています。ビハインド・ザ・カーブのことでありますが、必要な対応が遅れて大幅な利上げを余儀なくされるような状態になれば、景気や金融市場に大きな負担をかけるリスクを無視できないということであります。そこで、現時点でビハインド・ザ・カーブに陥るリスクというのはどの程度警戒をされているのか。
また、共同声明の話に移りますけれども、デフレ脱却とか、二%目標は維持しつつも、できるだけ早期に実現するだとか金融緩和を推進するという文言がまだ残っておりまして、こういうことで日銀の政策判断が遅れるといったリスクにつなが…
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120氷氷見野良三日本銀行副総裁
お答えいたします。
今後の金融政策運営については、経済、物価情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えておりますが、調整のタイミングやペースにつきましては、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響をよく見た上で、経済、物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、御指摘がありましたビハインド・ザ・カーブに陥るようなことがないよう適切に判断していきたいと考えております。
特に物価動向については、基調的な物価上昇率が二%に近づいていることを踏まえますと、これを二%程度の水準で安定させていくとい…
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田中健(国民)
ありがとうございました。
それでは、引き続き、今度政府側にお伺いしますが、今回、日銀は、今お話をいただきました、政府のエネルギー負担緩和策や原材料の代替調達の進展、経済の下振れリスクは低下したと判断し、利上げに踏み切ったということでありますが、政府はこの日銀の認識と共有しているかということであります。つまり、政府としても、物価の上振れリスクの方が景気の下振れリスクよりも大きくなってきたというような認識でいいのか、これについての確認を伺います。
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