岡本三成 (中道改革連合)

2026年3月10日・第221回国会 衆議院 財務金融委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 56 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 289 発言)

委員の皆さん、お手元にお配りさせていただいた資料を御覧ください。朝の理事会で御承認をいただきまして、ありがとうございました。

これは財務省の法人企業統計年報を基に私が作りましたもので、よく失われた三十年と言われますけれども、何が失われたかということを確認させていただきたいんですね。これは財務省の法人企業統計ですから、大企業のみならず、中堅、中小も一部入っておりますけれども。

一九九八年から過去三十年間、とりわけ二十一世紀に入ってから、日本の企業の経常利益、五倍伸びています。結構もうかっているんですね。この期間に、配当を中心とした株主還元、八倍伸びています。めちゃくちゃ伸びているんですね。将来の飯の種、設備投資、一・三倍、具体的には二八%伸びています。そして、唯一ほとんど伸びていないのが賃金で、一・〇八倍。

この間、私、よく言う、大企業はとんでもないとか言うつもりは全くありません、企業経営者の方々も雇用を守るためになるべく内部留保に回していった、そういう経緯だと思うんですね。欧米と違って、例えば、株主配当を多くして株価を上げたからといって、日本の企業経営者の方々のボーナスが何億円出たり普通はしません。なので、経営者の方々も個別最適で、企業の未来のために、その企業の社員のためにやった結果なんですが、その個別最適がマクロ経済政策的には全体最適に全くなっていないということが問題だと思っているんですね。

この間、直近の十年間、配当だけではなくて、大企業を中心として、内部留保、一年平均二十七兆円です。一昨年は何と一年間で五十兆円も内部留保しているんですね。

実質賃金がプラスになるときに物価以上に上がらなければいけないんですが、ベースアップ、ベアがほとんど上がりませんで、定昇だけでした。ベアが一%上がったら経済状況は全く変わってきていて、その状況がまた所得に回ってくるというのがほとんどの経済学者の見立てなんですが、もし仮に年間一%、一パー上がると物すごく経済はいいと言うんですが、一%ベアを上げるとすると幾らかかるか、約三兆円です。二%上げても六兆円です。二十七兆円の内部留保は失礼だけれども平気でするのに、三兆円から六兆円のベアが上げられないということの、この個別最適と思った結果がマクロ経済政策的に全体最適に全くなっていないことが問題だと思っているんですね。

これまでは太陽政策を全力で頑張ってきました。いわゆる今回の法案にもなっています賃上げ税制、今回一部縮小しますけれども、要は、賃上げ税制、このグラフにあるとおり、ほとんど利いていないんです、マクロ的に。個別のエピソードではいいところはありますけれども、エピソードベースではなくてエビデンスベースではほとんど利いていないんですね。太陽政策が利かないんだったら、本当に申し訳ないんですが、若干北風政策も入れるときではないかと私は思っていまして、東証と金融庁でやっていただいているガバナンスコードの強化でも結構です。フランスは労働分配率の目標が法律になっています。

というふうに、しっかりマクロ経済政策として賃金を上げることがGDPを増やしていく、それがまた賃金に返ってくるという好循環をつくるように、今後、財務大臣、金融庁の担当大臣でもいらっしゃいますので、コーポレートガバナンス・コードを見直して、実質賃金を向上させるのに是非最大の御尽力をいただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。

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