総裁、ありがとうございます。
私は先日、予算委員会に立たせていただきまして、総理、あと片山財務大臣にいろいろなことを御提案申し上げたんですが、実は、厚生労働省がOECD統計を基に出しているデータがあります。そのデータを見ますと、一九九五年を出発点として過去三十年間を分析すると、労働生産性が一番上がっているのはアメリカ、九五年が一〇〇とすると一五〇なんですね。フランス、イギリスが大体三〇パーぐらい。そして、それより低いところもありますが、日本は何と三八パーです。労働生産性は、OECDのデータを基に厚労省、政府の発表で、決して低くない。
その中で、財務省の法人統計でいうと、これは中小企業も入っていますけれども、経常利益は、この間、五倍になっています。そして、その間、株主優待としての配当は八倍になっています。設備投資は二八%、実質賃金は一・〇八倍、八%なんですね。ですから、やはりここに、政府に、様々な提案を今させていただいているところなんですけれども。
その上で、これはいろいろなところで、日銀審議委員の皆さんも、安定的な物価にもうちょっとしたら確認、達成できるかもしれないというところまで来ているというふうなお話を伺いますけれども、そろそろアコードを見直す時期ではないかというふうに思って、総裁にちょっと御提案申し上げたいと思っているんですけれども。
それは何かというと、元々、先ほど申し上げたように、日銀法の理念というのは国民生活の健全な発展に資することですから、物価安定を通じて国民生活の安定に資するということは、賃金が上がらなければ物価も安定しません、ちゃんとした需給バランスが整いませんので。なので、FRBのようにデュアルマンデートがないことはよくよく存じ上げておりますけれども、新しいアコードの中に実質賃金が安定的にプラスになっていくというようなことをうたってもいい時期だというふうに思うんですけれども、総裁はどうお感じになりますでしょうか。
19植植田和男日本銀行総裁
私ども、金融政策を緩和的に、もちろん今、緩和の度合いは調整しているところでありますが、維持することを通じて、インフレ率が二%の目標に持続的、安定的に到達することを目指しています。もちろん、それが持続的、安定的に実現されるためには、賃金も相応の伸びである必要がございます。
ただ、私どもが賃金に直接働きかけるという手段を持っているわけではございませんので、全般的なインフレ率の上昇の中で賃金も共に上昇していくという状態をつくり出したいなということでございます。
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岡本三成(中道)
ということは、金融緩和という手段を通じてインフレに適切に働きかけて、ただ、手段として、直接的に賃金に働きかける手段というのは日銀金融政策の中では持ち合わせていないと。
ですから、それがアコードのパートナーである政府に期待をすることで、政府が、ただ単に企業業績やGDP全体ではなくて、例えば、労働分配率の上昇であったり、又は他国がやっているような様々なインセンティブであったりというようなことを通じて、日銀がやっていることだけでは賃金上昇ということは実現しないけれども、政府がしっかり機能することを期待していらっしゃるというような認識でよろしいんでしょうか。
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21植植田和男日本銀行総裁
実質賃金ということで申し上げれば、やはり、それの中長期における一番大事な決定要因は労働生産性の上昇率ということだと思います。労働生産性はイノベーション等を含む技術進歩で中身は決まってまいりますので、申し上げましたとおり、金融政策では直接に働きかけるということはなかなか難しいものでございます。
ただ、それでは、そこを政府がということになりますと、もちろん政府は様々な財政政策等で労働生産性の上昇率に影響を与えるということがあり得るとは思いますけれども、基本的には、市場経済の動きに沿って労働生産性上昇率が決まってくるということでありますし、もう少し申し上げれ…
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- (上の発言)
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岡本三成(中道)
総裁、ありがとうございます。
私は先日、予算委員会に立たせていただきまして、総理、あと片山財務大臣にいろいろなことを御提案申し上げたんですが、実は、厚生労働省がOECD統計を基に出しているデータがあります。そのデータを見ますと、一九九五年を出発点として過去三十年間を分析すると、労働生産性が一番上がっているのはアメリカ、九五年が一〇〇とすると一五〇なんですね。フランス、イギリスが大体三〇パーぐらい。そして、それより低いところもありますが、日本は何と三八パーです。労働生産性は、OECDのデータを基に厚労省、政府の発表で、決して低くない。
その中で、財務省の法人統計でいうと、これは中小企業も入っていますけれども、経常利益は、この間、五倍になっています。そして、その間、株主優待としての配当は八倍になっています。設備投資は二八%、実質賃金は一・〇八倍、八%なんですね。ですから、やはりここに、政府に、様々な提案を今させていただいているところなんですけれども。
その上で、これはいろいろなところで、日銀審議委員の皆さんも、安定的な物価にもうちょっとしたら確認、達成できるかもしれないというところまで来ているというふうなお話を伺いますけれども、そろそろアコードを見直す時期ではないかというふうに思って、総裁にちょっと御提案申し上げたいと思っているんですけれども。
それは何かというと、元々、先ほど申し上げたように、日銀法の理念というのは国民生活の健全な発展に資することですから、物価安定を通じて国民生活の安定に資するということは、賃金が上がらなければ物価も安定しません、ちゃんとした需給バランスが整いませんので。なので、FRBのようにデュアルマンデートがないことはよくよく存じ上げておりますけれども、新しいアコードの中に実質賃金が安定的にプラスになっていくというようなことをうたってもいい時期だというふうに思うんですけれども、総裁はどうお感じになりますでしょうか。
23植植田和男日本銀行総裁
アコードの扱いそのものについて私から具体的に今日コメントを差し上げるのは差し控えさせていただければと思います。
ただ、その上で、御指摘のあった、実質賃金の上昇率を目標みたいなものにということでございますが、先ほどのやり取りにもございましたように、私ども、金融政策で実質賃金に強い影響を及ぼす労働生産性のところに大きな働きかけをすることは必ずしもできないなと思っておりますので、実質賃金を、あるいはその上昇率を金融政策の目標とすることはなかなか難しいというふうに考えております。
ただ、もちろん、賃金の上昇を伴う形での二%の物価安定目標の持続的、安定的達成、…
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岡本三成(中道)
片山財務大臣にお伺いいたします。
アコードというのは政府と日銀が同じ目標を共有する、その中で役割分担があります。現状の役割分担も、政府は、財政政策、そして成長戦略。財政政策は、ある意味、景気の足腰を支える。成長戦略というのは潜在成長率を上げていく。そして、金融緩和のところは日銀にお願いをしているという役割分担があります。
今、日銀総裁がおっしゃったように、実質賃金自体をどうこうするのは、全てのファクターが日銀でコントロールできないので、日銀だけではできません。けれども、その目標を共に掲げて、政府がやる責任を明確にすると、政府と日銀が一緒に取り組めば、…
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片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
政府と日銀が、政府、日銀の共同声明に基づいて政策の目標や方向性を共有して、それぞれの役割の下で必要な政策を遂行するということが非常に有用ということで、二〇一三年の御指摘のアコードができておりまして、新総理が誕生した十月に、私も総理とこの辺についてのいろいろお話もしましたけれども、いずれにしても、現時点においてこのアコードを見直す状況にはなっていないという判断をしております。
賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇の実現というのが、先ほど委員の方から、もう少しだという声もいろいろ聞こえている、確かにそれは聞こえています。そういうデータもありますが、いず…
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