吉川里奈 (参政党)

2026年6月3日・第221回国会 衆議院 国土交通委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 145 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 151 発言)

会派を代表し、本法案について、反対の立場から討論を行います。

参政党は、省エネルギーや省資源の取組そのものを否定するものではありません。しかし、本法案は、法律名に脱炭素化の促進が明記されることからも明らかなように、建築物の省エネ性能の向上にとどまらず、ライフサイクル全体の炭素排出量を評価し、脱炭素化を制度として進めるものであります。

政府は、二〇五〇年カーボンニュートラルに向け、二〇三〇年の新築ZEH、ZEB水準、二〇五〇年の建築物ストック平均での同水準達成を目指しています。また、エネルギー基本計画では、二〇三〇年に新築戸建て住宅の六割に太陽光発電設備の設置を目指す方針も掲げられております。

本法案が直ちに一般住宅や太陽光パネル設置を義務づけるものではないとしても、政府方針上は建築市場全体へ脱炭素評価を広げるプロセスの一環であり、将来的な影響を慎重に見極める必要があります。

建築分野で脱炭素政策を進めるのであれば、その費用対効果を数値に基づいて国民に示すことが不可欠です。日本全体が二〇五〇年にCO2排出量を実質ゼロにしても、世界平均気温への影響は〇・〇〇六度程度にとどまるとの試算もあり、建築分野の脱炭素化による効果はその更に一部にすぎません。

一方で、太陽光発電を主とする再エネ導入の推進は、電力系統を安定させるための追加コストを伴い、その負担は電気料金や再エネ賦課金を通じて国民生活に及びます。

また、本法案は、建築材料や設備の製造事業者、とりわけ中小メーカーにも影響を及ぼしかねません。形式上は努力義務であっても、低炭素建材が選ばれる市場になれば、CO2原単位を示せない事業者の製品は採用されにくくなります。中小メーカーにとって、製品ごとの算定、検証、更新、事務負担は重い負担となり、事実上の参入障壁となるおそれがあります。

さらに、昨今の中東情勢の緊迫化を踏まえれば、我が国に求められるのは、脱炭素という政府目標の達成を急ぐことではありません。必要なのは、安価で安定的な、現実に即したエネルギー供給体制の確保であります。エネルギー安全保障と産業競争力を軽視したまま、脱炭素政策を進めるべきではありません。

政府が脱炭素化を制度として進めるのであれば、電気代、建築コスト、建材・設備メーカーや工務店への事務負担、そして実際の気温低下効果を含めた費用対効果を国民に分かる形で示すべきです。負担に見合う効果が明確でないまま、国民生活と、我が国を支える中小事業者に将来的な負担を及ぼしかねない本法案の方向性には、賛同することができません。

以上の理由により、参政党は本法案に反対をいたします。

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