辰巳孝太郎 (日本共産党)

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 138 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 156 発言)

そうなんですね。生活保護における自立というのは、単に生活保護制度を利用することがなくなったということではないわけですね。

車なしでは、今答弁があったような日常生活自立や社会的自立が困難な地域が存在をいたします。NPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会の一人親家庭千九百六十七人が回答したアンケート調査で、七九・二%、約八割の一人親家庭が自動車を保有していると回答をしています。子供の中学校、高校、部活の送り迎え、子供の通院などに使われて、毎日自動車を使うという人が七割に上ります。自動車は、生活全般を支えて、社会とつながるための欠かせないものとなっていることが分かると思います。

ところが、この調査では、生活保護を利用している母子世帯のうち、車を保有しているのは三一・二%ということも分かりました。今日、資料に二ページ目以降につけていますけれども。そういうことなんですね。つまり、一人親全体では八割の方が自動車を保有しているのに、生活保護利用世帯は三割しか持っていない。

それは、泣く泣く手放しているんじゃないかと私は思うんですね。つまり、そもそも車の保有が原則認められない、あるいはハードルが高いからと、本来は生活保護利用の権利があるにもかかわらず生活保護申請を諦める母子家庭、一人親家庭が相当数いるのではないかと推測されるデータなんですよ。それを裏づけるように、この調査では、福祉事務所に行ったにもかかわらず生活保護の申請を諦めたという人の中で、一番多かった理由が、生活保護を利用すると車の保有ができないと説明されたからということなんですね。

自動車の普及率が高い地域というのがあるわけですけれども、まずそれだけ生活上のニーズがそういう地域にはあるからですよね。鉄道やバスなどの公共交通機関が縮小する中、誤解を恐れずに言うならば、車なしでは暮らしていけないという地域が存在するわけです。車があるからこそ、地域社会において対人関係を保ったり、また子供に教育も含めた様々な経験を体験をさせることもできます。このことを、困窮者であり、生活保護制度を利用したい側から見ますと、自動車の保有が認められないと生活が脅かされ、もっと言えば、社会との断絶を余儀なくされるということになるわけでございます。

そこで、今日、一枚目の資料ですね。グラフを作ってみました。驚くべきことが分かりました。

これは都道府県ごとの、横軸が自動車の普及率です、縦軸が母子家庭の生活保護利用率ですね。都道府県ごとです。

これを見ますと、自動車の普及率が高い都道府県であればあるほど、母子家庭の生活保護利用率が低くなっているんですよ。ちなみに、これは決定係数というんですけれども、決定係数は〇・七四ですから、母子世帯の保護利用率の分布を自動車保有の状況で七四%が説明できるということなんですね。つまり、これはかなり相関性が高いということなんですよ。

大臣、これを見ていただいて、このデータから強く推認されることは、自動車を処分しなければならないというこの原則の要件が、自動車がなければ生活もできない、そういう地域において、これは強烈な水際作戦として作用しているということではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

前後のやりとり

134の発言を見る

142の発言を見る