おはようございます。ENEOSパワーの香月でございます。
本日は、このような機会を賜りまして、誠にありがとうございます。
私も、今般の電気事業法改正案に関係する総合資源エネルギー調査会のワーキンググループにオブザーバーとして参加し、議論の一端に加わる機会をいただきました。本日は、その経験も踏まえ、発電、小売を一体的に展開する新電力事業者の立場から、今回の電気事業法改正について意見を申し上げます。
まず、弊社について簡単に申し上げます。
弊社は、ENEOSホールディングス傘下の新電力事業会社であり、製油所の石油火力、小売向けのLNG火力を中心とした電源を保有しまして、沖縄を除く全国におきまして、産業用や一般家庭まで幅広く小売事業を展開しております。
詳細につきましては、お手元の資料を御確認いただければと存じます。
それでは、早速本題に入ります。
今回の電気事業法改正の背景として、電力需要の見通しが減少トレンドから増加見通しとなる一方で、老朽火力の退出により供給力が低下、安定供給の確保に向けたインフラ整備が重要な課題となっているという認識でございます。
このような認識の下で、弊社といたしましては三点意見を申し上げます。
まず第一に、電源投資に関してです。
今後数年は、現在主力である火力電源の退出が進む中、新規の電源やリプレースの動きが十分とは言えず、供給力確保の観点から重要な局面にあるものと認識しております。加えまして、世界的な電力需要の増加を背景に、ガスタービンを始めとする資機材の調達競争も激化しております。金利上昇やインフレ等により、事業者にとって投資のハードルは一段と高まっております。
こうした中で、必要な電源投資が進む環境整備を進めていただくことは急務であると考えております。
既に、容量市場制度の導入、長期脱炭素電源オークションなど、投資インセンティブを高める仕組みが整備されつつありますが、こうした投資を進めるに当たっては、事業予見性の確保とともに、大規模な資金調達も重要な課題となります。
特に、今後、原子力や今後の火力の脱炭素化など、脱炭素化と安定供給の実現には長期間にわたる大規模な資金が必要となります。
今回の電気事業法改正により、資金面の支援も含め、電源投資の促進が図られることは、エネルギーセキュリティーの観点からも有効な施策であると考えております。
また、大規模電源の休廃止に関する事前協議についてですが、関係者間で情報共有を行う仕組みとして、一定の合理性があると考えております。
ただし、発電事業者としましては、電源の改廃につきましては、経営判断の制約につながるようなことがないように、連携よく、事業者の事業の自由度にも一定の配慮をしていただけるとありがたいと思っております。
一方で、小売事業者にとりましても供給力不足は大きな問題です。供給力の不足は予備率の低下や需給逼迫を招きます。その結果、電力の市場価格が高騰いたしますと、卸電力市場からの調達に依存する小売事業者の経営を圧迫することになり、お客様の電気料金の変動や安定供給の面でも懸念を生じさせます。
特に、昨今、国際情勢の変化等により、燃料価格の高騰が頻発しております。供給力が不足している場合、その影響は一層大きくなります。その点からも、供給力の強化は極めて重要であります。
以上が電源投資に関する意見でございます。
第二に、こうした供給力を小売事業者がどのように確保していくかという観点から申し上げます。
電力は、我が国の経済と国民生活を支える極めて重要なエネルギーであり、安定的に、かつアフォーダブル、国民にとって負担可能な価格で供給されることが重要です。
また、小売電気事業者は、エネルギー供給事業者として責任ある主体であるべきと理解しております。
その観点から、発電事業者に電源開発を促し、キロワットを確保するだけでなく、小売事業者においても、これまでの創意工夫による調達価格の低減に加えて、お客様への価格変動リスクを回避するように努めていく必要がございます。
二〇二二年のロシアのウクライナ侵略により電力スポット市場価格が高騰し、小売事業者が退出、最終的にお客様に供給不安を与えたことは記憶に新しいと思います。
このような事態を二度と招かないように、小売事業者に対する量的な供給力確保の規律の導入と、その調達環境を整備する観点から、中長期取引市場の整備が進められるとともに、市場運営へ国の関与を強化する法改正が行われるものと理解しております。
この仕組みは、小売事業者には安定調達の手段、発電事業者には投資回収の予見可能性、燃料確保の向上に資する側面があるものと考えます。
さらに、需給調整市場や中長期取引市場について、国による指定、監督を可能とし、市場運営の健全性を確保し、市場の透明性と信頼性を高めていくことも重要です。電力市場の成熟化に向けた重要な一歩として評価できるものと考えております。
ただし、小売事業者に対する新たな事業規律やそれを支える市場制度は、事業者にとりましては、システム対応、契約実務、リスク管理、資金計画等、大きく関わります。事業者の準備期間も考慮し、制度導入に当たっては十分な余裕を確保していただきたいと思います。
また、今般の法改正におきまして、一定期間休止状態にある小売事業者の登録取消しを制度上明確化することにつきましては、需要家保護の観点から妥当なものと考えます。
ただし、休止認定の明確な基準の設定など、事業規律や制度設計におきましては、事業者の実態を踏まえた丁寧な検討が行われることを期待しております。
最後に、電気事業法の改正を含め、政策に期待することについて申し上げます。
電力システム改革は、旧一般電気事業者が大きな供給力を有する市場構造の下で、多数の事業者の参入を促し、競争を通じて需要家の選択肢の拡大や料金の最大限の抑制を目指してきたものと理解しております。その結果、料金メニューの多様化や需要家の選択肢の拡大など、一定の成果もあったものと思います。
近年の電気料金の増加につきましては、事業者としても、調達の工夫や業務効率化、多様なメニューの提供を通じて負担の抑制には努めておりますが、燃料価格の上昇、為替が円安に進んでいること、再エネ賦課金や託送料金の増加といった制度費用もございますので、事業者の経営努力だけでは吸収し切れない要因もございます。これらの要因を考慮いたしますと、むしろ料金の上昇というのは一定抑制されている側面もあると思っております。
昨年度、電力システム改革の検証が行われ、環境変化も踏まえて電気事業法の改正が検討されていることは、時宜にかなったものと受け止めております。
そもそも、電気事業法は、電気の使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図ることを目的としています。電気の使用者の利益とは、短期的な価格面だけではなく、将来にわたり安定供給の確保などの観点からも守られる必要があります。
電力の安定供給は、発電、送配電、小売、各事業者がそれぞれの役割を果たし実現されるものです。その重要なインフラの維持強化には相応の経営資源の投入が必要ですし、そのためには、事業者が適切な利益を確保し、再投資を行うことのできる事業環境を整えていく必要がございます。
本法案の成立により我が国の経済発展に必要なインフラ整備と責任ある事業者の育成が進み、最終的には需要家利益の確保につながる重要な一歩となることを期待しています。
私からは以上です。ありがとうございました。(拍手)
3
工藤彰三(自民)
ありがとうございました。
次に、白銀参考人にお願いいたします。
この発言のページ
4白白銀隆之一般社団法人送配電網協議会会長/関西電力送配電株式会社代表取締役社長
一般社団法人送配電網協議会会長の白銀でございます。
本日は、このような機会を賜りましたこと、また、平素より電力の安定供給確保のために多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。
まず、送配電網協議会ですけれども、これは、電気事業法の改正に基づきまして、旧一般電気事業者の送配電部門が法的分離されたということを受けまして、全国の一般送配電事業者十社を会員としまして二〇二一年に発足いたしまして、国民生活に必要な電気の安定供給を担う送配電事業の健全な発展を進めるべく活動しております。
当協議会は、送配電関連設備を…
この発言のページ
5
工藤彰三(自民)
ありがとうございました。
次に、香月参考人にお願いいたします。
この発言のページ
- (上の発言)
6香香月有佐ENEOS Power株式会社取締役副社長執行役員
おはようございます。ENEOSパワーの香月でございます。
本日は、このような機会を賜りまして、誠にありがとうございます。
私も、今般の電気事業法改正案に関係する総合資源エネルギー調査会のワーキンググループにオブザーバーとして参加し、議論の一端に加わる機会をいただきました。本日は、その経験も踏まえ、発電、小売を一体的に展開する新電力事業者の立場から、今回の電気事業法改正について意見を申し上げます。
まず、弊社について簡単に申し上げます。
弊社は、ENEOSホールディングス傘下の新電力事業会社であり、製油所の石油火力、小売向けのLNG火力を中心とした電源を保有しまして、沖縄を除く全国におきまして、産業用や一般家庭まで幅広く小売事業を展開しております。
詳細につきましては、お手元の資料を御確認いただければと存じます。
それでは、早速本題に入ります。
今回の電気事業法改正の背景として、電力需要の見通しが減少トレンドから増加見通しとなる一方で、老朽火力の退出により供給力が低下、安定供給の確保に向けたインフラ整備が重要な課題となっているという認識でございます。
このような認識の下で、弊社といたしましては三点意見を申し上げます。
まず第一に、電源投資に関してです。
今後数年は、現在主力である火力電源の退出が進む中、新規の電源やリプレースの動きが十分とは言えず、供給力確保の観点から重要な局面にあるものと認識しております。加えまして、世界的な電力需要の増加を背景に、ガスタービンを始めとする資機材の調達競争も激化しております。金利上昇やインフレ等により、事業者にとって投資のハードルは一段と高まっております。
こうした中で、必要な電源投資が進む環境整備を進めていただくことは急務であると考えております。
既に、容量市場制度の導入、長期脱炭素電源オークションなど、投資インセンティブを高める仕組みが整備されつつありますが、こうした投資を進めるに当たっては、事業予見性の確保とともに、大規模な資金調達も重要な課題となります。
特に、今後、原子力や今後の火力の脱炭素化など、脱炭素化と安定供給の実現には長期間にわたる大規模な資金が必要となります。
今回の電気事業法改正により、資金面の支援も含め、電源投資の促進が図られることは、エネルギーセキュリティーの観点からも有効な施策であると考えております。
また、大規模電源の休廃止に関する事前協議についてですが、関係者間で情報共有を行う仕組みとして、一定の合理性があると考えております。
ただし、発電事業者としましては、電源の改廃につきましては、経営判断の制約につながるようなことがないように、連携よく、事業者の事業の自由度にも一定の配慮をしていただけるとありがたいと思っております。
一方で、小売事業者にとりましても供給力不足は大きな問題です。供給力の不足は予備率の低下や需給逼迫を招きます。その結果、電力の市場価格が高騰いたしますと、卸電力市場からの調達に依存する小売事業者の経営を圧迫することになり、お客様の電気料金の変動や安定供給の面でも懸念を生じさせます。
特に、昨今、国際情勢の変化等により、燃料価格の高騰が頻発しております。供給力が不足している場合、その影響は一層大きくなります。その点からも、供給力の強化は極めて重要であります。
以上が電源投資に関する意見でございます。
第二に、こうした供給力を小売事業者がどのように確保していくかという観点から申し上げます。
電力は、我が国の経済と国民生活を支える極めて重要なエネルギーであり、安定的に、かつアフォーダブル、国民にとって負担可能な価格で供給されることが重要です。
また、小売電気事業者は、エネルギー供給事業者として責任ある主体であるべきと理解しております。
その観点から、発電事業者に電源開発を促し、キロワットを確保するだけでなく、小売事業者においても、これまでの創意工夫による調達価格の低減に加えて、お客様への価格変動リスクを回避するように努めていく必要がございます。
二〇二二年のロシアのウクライナ侵略により電力スポット市場価格が高騰し、小売事業者が退出、最終的にお客様に供給不安を与えたことは記憶に新しいと思います。
このような事態を二度と招かないように、小売事業者に対する量的な供給力確保の規律の導入と、その調達環境を整備する観点から、中長期取引市場の整備が進められるとともに、市場運営へ国の関与を強化する法改正が行われるものと理解しております。
この仕組みは、小売事業者には安定調達の手段、発電事業者には投資回収の予見可能性、燃料確保の向上に資する側面があるものと考えます。
さらに、需給調整市場や中長期取引市場について、国による指定、監督を可能とし、市場運営の健全性を確保し、市場の透明性と信頼性を高めていくことも重要です。電力市場の成熟化に向けた重要な一歩として評価できるものと考えております。
ただし、小売事業者に対する新たな事業規律やそれを支える市場制度は、事業者にとりましては、システム対応、契約実務、リスク管理、資金計画等、大きく関わります。事業者の準備期間も考慮し、制度導入に当たっては十分な余裕を確保していただきたいと思います。
また、今般の法改正におきまして、一定期間休止状態にある小売事業者の登録取消しを制度上明確化することにつきましては、需要家保護の観点から妥当なものと考えます。
ただし、休止認定の明確な基準の設定など、事業規律や制度設計におきましては、事業者の実態を踏まえた丁寧な検討が行われることを期待しております。
最後に、電気事業法の改正を含め、政策に期待することについて申し上げます。
電力システム改革は、旧一般電気事業者が大きな供給力を有する市場構造の下で、多数の事業者の参入を促し、競争を通じて需要家の選択肢の拡大や料金の最大限の抑制を目指してきたものと理解しております。その結果、料金メニューの多様化や需要家の選択肢の拡大など、一定の成果もあったものと思います。
近年の電気料金の増加につきましては、事業者としても、調達の工夫や業務効率化、多様なメニューの提供を通じて負担の抑制には努めておりますが、燃料価格の上昇、為替が円安に進んでいること、再エネ賦課金や託送料金の増加といった制度費用もございますので、事業者の経営努力だけでは吸収し切れない要因もございます。これらの要因を考慮いたしますと、むしろ料金の上昇というのは一定抑制されている側面もあると思っております。
昨年度、電力システム改革の検証が行われ、環境変化も踏まえて電気事業法の改正が検討されていることは、時宜にかなったものと受け止めております。
そもそも、電気事業法は、電気の使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図ることを目的としています。電気の使用者の利益とは、短期的な価格面だけではなく、将来にわたり安定供給の確保などの観点からも守られる必要があります。
電力の安定供給は、発電、送配電、小売、各事業者がそれぞれの役割を果たし実現されるものです。その重要なインフラの維持強化には相応の経営資源の投入が必要ですし、そのためには、事業者が適切な利益を確保し、再投資を行うことのできる事業環境を整えていく必要がございます。
本法案の成立により我が国の経済発展に必要なインフラ整備と責任ある事業者の育成が進み、最終的には需要家利益の確保につながる重要な一歩となることを期待しています。
私からは以上です。ありがとうございました。(拍手)
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工藤彰三(自民)
ありがとうございました。
次に、白井参考人にお願いいたします。
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8白白井康之京都大学名誉教授
京都大学の白井と申します。
本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の専門は、電力機器工学、電力工学という分野でございまして、現在、産業構造審議会の保安・消費生活用製品安全分科会で電力安全小委員会の座長を務めさせていただいております。
この委員会では、昨年の三月より議論を深めてまいりまして、今年の三月に、太陽電池発電設備等の発電設備をめぐる保安上の課題と対応の方向性ということについて取りまとめをいたしました。
そこで、今般の電気事業法改正のうち、太陽電池発電設備等の安全性の向上に関わる部分、その論点について意見を申し…
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工藤彰三(自民)
ありがとうございました。
以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
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